カメラと一体になる超小型三脚


マンフロットの「Modopocket」

 量販店のカメラコーナーでカメラ周辺グッズを見ていると目を引く、ユニークな小型三脚がある。発売から時間が経っていることもあって、大幅に値引き販売されていたので、コンパクトカメラ用に購入してみた。

 紹介するのは、マンフロットの「Modopocket」。超小型三脚のジャンルにおいても、三脚の名前の通り3本の足を展開するモデルが多い中、Modopocketは折りたたまれた“面”を展開する機構により、収納時には非常にコンパクトになるのが特徴。構造上、“カメラを高い位置で固定する”という用途より、位置が低くても、角度をつけた上で固定するという用途に絞った、割り切った製品といえるだろう。

 後継モデルが登場したことで最新の製品ラインナップからは脱落してしまったようだが、一部店舗では在庫分が大幅に値引き販売されていた。初めて見た時から惹かれるものがあったのだが、当初は4000円以上したために見送っていた。ところが先日見かけた時には1780円と安くなっており、つい買ってしまった。

 マンフロットといえば本格的な三脚で有名。そんな同社がてがけたアイテムとあってか、金属製の本体に強めのバネ、滑り止めのゴムなど、細部の造りもしっかりとしている。本体は、足を収納した状態ではデジタルカメラの底面と一体化してしまうほど薄くコンパクト。足を展開すると30mmほどの高さでカメラを固定できる。下向き・上向きなど角度も、可動範囲内で自由に調整できる。カメラ以外でも、三脚穴付きのWebカメラやマイクといった小型のアイテムを卓上に設置・固定するのにも使えるだろう。

 三脚ネジを利用してカメラ本体に取り付けるため、カメラ本体の三脚穴を塞いでしまう形になるのだが、Modopocket本体には代わりの三脚穴が用意されており、Modopocketを装着した(足は収納した)状態で、さらに三脚などに装着することも可能だ。

 耐荷重は500gなので、コンパクトカメラなどでの利用が基本になるだろう。その利用シーンだが、例えばセルフタイマーでシャッターを切るときに重宝するのは間違いない。イスや机など、その場にあるものを即席で利用してカメラを設置する必要がある点は、実は従来と変わらないのだが、ここで問題になるのは上向きか下向きかというカメラの角度だ。なにも無い状態で角度を調整しようとすると、カメラの底にコインを挟むといったチマチマとした努力が必要になるのだが、Modopocketであればスパっと角度を決められる。

 また、両手がフリーになるという点で、料理の写真を撮る場合にも便利。特に、ハシで持ち上げている類の、見栄えにちょっとこだわった写真は、右手でハシを持ち……あれ、右手でシャッター? っと困ってしまうことが多いので、上下に角度を付けた状態でカメラを固定できるのは便利そうだ(ただし、カメラ位置の“高さ”は稼げない)。

 カメラのボディサイズによっては、付けっぱなしでも問題ないコンパクトさだが、外しておき、いざという時のためにカメラケースのポケットに収めておいても気にならない。前述のように後継モデル「POCKET三脚」が出ているので、Modopocketの在庫があるうちは価格やデザインで比較・検討したい。

折りたたまれた板状の本体を展開すると超小型三脚(四脚?)にカメラのボディサイズによっては付けっぱなしでもよさそう
リコー「GXR」に装着し、下向きに角度をつけたところこちらは上向きの角度の例
「Modopocket」を装着したまま、ほかの三脚に装着できる

 

製品名製造元購入価格
Modopocketマンフロット1780円

 

 




(太田 亮三)

2011/10/17 06:00