60秒で自宅からファイル共有!お手軽NAS「pogoplug」


灰色ベゼルの本体は、海外の一部販売店向けモデルらしい。ちなみに日本版は本体も含め黒一色になっている

 先日、“パーソナルクラウド”という位置付けで販売されているNAS「pogoplug」を入手した。もともとアメリカをはじめとした各国で発売されていたものだが、入手後ぐずぐずしていたら、日本国内でも2月4日から正規の販売が始まってしまった。利用できるサービス内容は、海外版・国内版ともに同じ様だ。既にスタパトロニクスや僚誌PC WatchINTERNET Watchでも紹介済みだが、あまりにも快適なので本コーナーでも紹介したい。

 pogoplugは、いわゆるNASアダプター製品だ。パソコン本体がなくても単体で動作し、LAN内やインターネット越しでのファイル共有ができる。本体内部にはファームウェア用の記憶領域しか保持しておらず、運用にあたってはUSBポートにハードディスクやUSBメモリーをつなぐ必要がある。別途費用は生じるものの、後からハードディスクなどを増やすのが容易なため、トータルコストは結果的に抑えられるだろう。

 秀逸なのは、導入の簡単さだ。パッケージや公式サイトでは「接続まで60秒!」とうたっていて、半信半疑で試したが、売り文句に偽りはなかった。本体に電源ケーブルをつなぎ、ハードディスクを接続、Webサイトでユーザー登録してボタンを押すだけで、すぐに外部からハードディスクへアクセスが可能になった。クラウドエンジンズ社のサイト側で設定をしているようで、これまでの紹介記事の指摘通り、クラウドエンジンズ社のサーバーがダウンすれば接続できなくなる可能性はあるが、これまでのところ不具合による接続不良は見られない。入手したのは海外版なのでこのホスティング先が海外になるが、国内版では日本国内にサーバーが置かれる様だ。また、国内版の発表記者会見では、販売元のクラウドエンジンズ社が倒産などで事業継続できなくなった場合は、ソースコードを公開するとしている。

 実のところ、NASとして外部からのファイルアクセスは、筆者の主な購入動機ではない。最も大きな理由はバックアップである。最近、写真や自炊した書籍などがハードディスクのうち大きな比率を占めるようになり、バックアップの必要性を感じながらも、メインPCに内蔵したハードディスクのみで運用している状況だった。外付けハードディスクにバックアップしようと思いつつ先延ばしにしていたのは、同期の面倒さだ。ここを解決する手段をpogoplugは備えている。

 Windows/Macで利用できるソフトウェアが無償提供されているのだが、大きく分けて二つの機能がある。一つは、pogoplugに接続したドライブをローカルドライブのように認識させる機能で、LANを経由している都合上アクセスラグはあるものの、普通のハードディスクのようにファイル管理ができる。もう一つはフォルダの同期機能で、ローカルドライブの任意のフォルダをpogoplugのドライブにコピーし、以後は差分ファイルのみをコピーしてくれるというものだ。コピーはLAN経由なので高速だし、最初のバックアップさえ済ませば、あとは更新ファイルだけの差分コピーなので時間はかからない。ローカルのフォルダにファイルを入れると数分後にはpogoplugにもファイルが入っていて、難しいことが一切なく非常に快適だ。

 日本市場への参入前からWebインターフェイスは日本語化されており、正規に流通していない事が唯一の欠点だったのだが、それも解消された。この原稿の執筆は日本での発売直後の週末(2月5日~6日)だが、AmazonなどWeb販売は軒並み次回入荷待ち、都内の主要店舗でも売り切れ続出のようだ。この使い勝手のよさならそれも頷ける。様々な可能性を秘め、かつリーズナブルなこの製品、在庫を見かけたら即購入をお勧めしたい。

背面にはLANポートとUSBポートが3口ある。正面と合わせ、USBポートは4口外付け3.5インチHDDケースと比較。単体では大きく見えないが、厚み・長さはそれなりにある

 

製品名製造元購入価格
pogoplug(海外版)Cloud Engines1万1800円

 



(ナカムラ)

2011/2/16 06:00