買って良かった優等生なコンデジ「PowerShot G12」


G12
バリエアングル液晶

 ふらふらと出かけては、美味しいゴハンを食べ、きれいな景色を見て帰ってくる。そんなごく普通の趣味を持った男が、買ってよかったな~とじんわり感じているコンパクトデジタルカメラが「PowerShot G12」である。

 手が大きいので小さすぎるコンパクトカメラでは扱いにくく、かといって重たい一眼レフカメラを持ち歩くほどの写真根性はどこかに置き忘れてしまった。コンパクトカメラとしては大きい「G12」のスタイルだが、そんな身体的理由によりまだまだ自分の手にはしっくりこない。ならばホールドしやすい形を模索してみよう。

 裸のままの「G12」では右手小指の余り方が頼りない、できればもう一回り大きいのが理想的だ。そこで、純正アクセサリーのソフトケースを購入し、ボディにはかせた。下側に厚みが出た分だけ右手小指でボディを支えやすくなったし、シボ加工された本革ケースなので手触りも優しくなった。ただし、メモリカードを挿すのが少し手間に感じる。

 続いて左手対策。「G12」はバリアングル型の液晶を搭載しており、ディスプレイを横に開いて、開いた液晶部分を持てば大きな手の津田でもホールドしやすい。しかし、それではヒンジ部分へ過剰に負荷がかかることが懸念され、できれば常用は避けたいところだ。

 そこで、フィルターアダプター「FA-DC58B」を装着し、レンズ部分をホールドできるようにした。注意が必要なのは、このアダプターは「コンバージョンレンズアダプター LA-DC58K」と見かけがそっくりということ。カメラ屋の店頭では、実際に間違えた製品を渡された。後者のコンバーションレンズは文字通り、テレコンバージョンレンズを装着するためのもので、そのまま「G12」で利用すると、アダプターの端でケラレ(画面の一部が隠れてしまう)てしまう。「FA-DC58B」であれば、ズームと連動してアダプターが伸縮するので、テレ端/ワイド端でケラレることはない。58mm径のフィルターが装着できるので、仕事ではプロテクトフィルター、プライベートではPLフィルターを装着している。

 取材中は、パソコンなどでメモを取りながらの撮影になる。そのため基本的にはオートで撮影しているが、暗い場所や複数光源下、スポットライトなど、さまざまな撮影環境において概ねソツなく撮影できる印象だ。また、スナップ撮影する際は、バリアングル機の利点を活かし、ディスプレイを上に向けてウエストレベルファンダーのように撮影することも多い。人物や動物のスナップの場合、相手の正面を向く必要がないため、自然な表情を写し込みやすいはずだ。RAW現像にも対応し、より自分の世界観を表現したい人にも使える道具になるはず。サイズがアリならおすすめの1台である。

フィルターアダプター自体が伸縮する

作例3点。JPG形式の画像をリサイズしたもの

製品名製造元購入価格
G12キヤノン5万3000円

 

 

(津田 啓夢)

2011/2/15 06:00