携帯できるシャープの“スマートフォン風”電子辞書


カラー電子辞書「PW-AC10」

 最近の電子辞書はカラー液晶にとどまらず、手書き入力やコンテンツ再生、ワンセグ対応モデルも登場するなど高機能化が著しい。店頭でも非常に多くのラインナップが紹介されており、注目されている様子が窺える。そんな中、一般的な形状となっている折りたたみ型ではなく“スマートフォン風”として登場したのが、今回紹介するシャープのカラー電子辞書「PW-AC10」だ。

 折りたたみ型ではない、コンパクトなカラー電子辞書は、キヤノンからもラインナップされているが、前述のように「PW-AC10」の特徴はスマートフォンそっくりのデザインに仕上がっている点だろう。筆者は、スマートフォンそっくりにして大きな意味があるのだろうか? と手にする前は考えていた。しかし、スマートフォン(=携帯電話)と同じデザインになったことで、携帯電話などと同じ感覚で持ち運べ、すぐに取り出せ、片手で使える、といった日常生活における接し方までもが、スマートフォンと同様になれるのである。これまで一般的だった折りたたみ型の電子辞書は、筆者の中では卓上でじっくり使うというイメージだったが、スマートフォン風の「PW-AC10」なら、旅行先や移動中、あるいは店頭で会話をしながらでも自然に取り出して使える。あらゆる場面が利用シーンに成り得るのだ。

小型・軽量で、片手で操作できるスマートフォンの新機種と紹介されたら信じてしまいそうなデザインだ

 実際に手にして感じるのは、約97gというその軽さだ。電池を液晶ディスプレイの背面に搭載するため、先端に重心がありバランスは微妙だが、その分QWERTYキー側は薄くなっている。コンパクトさと軽さは特筆に値するだろう。4方向キーと中央の決定キー、下部にQWERTY配列のキーを配置し、ユーザーインターフェイスを含めてスマートフォンユーザーなら違和感なく操作できるのもポイントだ。電子辞書だけの“お約束”のような操作方法があるのかと思っていたが、画面内には操作のヘルプ表示などもあり、不自由は感じ無かった。QWERTYキーは「ちょっと小さすぎでは」などと思っていたが、キーピッチがある程度確保されていることなどから、指先で普通に操作できる。

 コンパクト型ということで省略されている部分もある。カードスロットが無いので追加コンテンツを利用することはできない。スピーカーやイヤホン端子が無いので、読み上げ機能も用意されていない。このあたりは小型・軽量なポイントとのトレードオフといったところだろうか。もっとも、外出先で手軽に利用できるのがポイントなので、こういった拡張機能の搭載は今後のラインナップの拡充として期待したいところだ。

基本のメニュー画面。方向キーの上下で辞書選択、左右は辞書のジャンルを選択するQWERTYキーからローマ字入力で検索アルファベット入力はQWERTYキーでそのまま入力するだけだ
語句の詳細画面。文字サイズは中こちらの文字サイズは小図があるものはカラーで表示

 

製品名製造元購入価格
PW-AC10シャープ1万1530円

 

 



(太田 亮三)

2010/8/6 06:00