エッシャーのだまし絵を思わせる塩入れ「SALTSIDE OUT」


 食卓の上に置いておくなら、楽しいモノに限る。お皿も、お茶碗も、湯飲みも、お箸も、ナイフも、フォークもすべてそうだ。民芸品やお土産用に売られている箸置きなどをちょっと注意して見てみると、日本人もこれでなかなかユーモアを解する民族だとあらためて思う。

 もっとも、欧米人はこのあたりの感性をより重視する傾向があるようだ。旅行や出張で海外に行ったとき、巨大ショッピングセンターの中には必ずといって良いほど、キッチン関連商品を専門に販売しているお店がある。つい手当たり次第に買ってしまい、帰国時には両手荷物になってしまう人も多いだろう。

 本日ご紹介する「SALTSIDE OUT」も、そうしたユーモアたっぷりで、センスあふれる商品のひとつだ。共通の話題が少なく、沈黙が続くテーブルにも格好の話題提供者となるだろう。「SALTSIDE OUT」は名前からも想像できる通り、食塩を入れる小型の卓上容器だ。一般的な食塩容器と異なるのは、食塩が食塩容器の外側に溜まるところだ。

「SALTSIDE OUT」は二重構造になった食卓用の食塩容器だ本来の食塩容器の外側に食塩を保存するので意外とキャパは大きい

 実際の構造は、ごくありふれた食塩容器の外側をコップをうつ伏せにしたような別のガラス容器で覆ってしまった格好になっている。食塩は、少し入れづらいが、コップの様な容器の下の方の小さな穴から少しずつ入れて行くのだ。

 実際の使い勝手は、外観から想像できないくらい食塩の流れがスムースなので驚いてしまう。食塩を振りかけるために、容器全体をうつ伏せにすると、コップの底中央にあたる小さな1つの穴から食塩が滑り出るように落ちてくる。

 容器の内側に、塔のように立っているダミーの食塩容器が、内部の食塩が小さな振り出し穴から一気になだれ落ちてくることを防いでくれる。食塩が振り出される中央の小さな穴には、この塔が邪魔をして、食塩のほんの一部しか辿り着けないという仕組みが秀逸だ。塔の先端付近に集まった適度な量の食塩は押し合いへし合いすることなく自然とスムースに流れ出す。

 「SALTSIDE OUT」の素晴らしい点は、奇想天外なデザインももちろんだが、工夫された特殊な内部構造を採用することで、食塩の流れをスムースにすることに成功している点だ。SALTSIDE OUTは“見かけの奇抜さ”と“使用効果”、そして“道具としての蘊蓄”の3つの話題を同時に提供してくれるテーブルウェアの逸品だ。

手前下の小さな栓を取って、こぼさないように食塩を流し込む内部に落ちることなく、内部の食塩容器の出口に溜まった塩が印象的だ
斜めにして食塩を振りかけるとき、本来の食塩容器の格好をした中央の”塔”が内部の食塩の一極集中を防ぐ為にスムースな塩の流れを確保できる中央上面に空いた小さな穴1個が食塩の振り出し口だ


商品名実売価格購入場所
SALTSIDE OUT1575円御徒町 ガラクタ貿易


(ゼロ・ハリ)

2009/7/23 11:00