本日の一品

ケーブルにしか見えないiPhone用高速外部ストレージ

Lexarの「JumpDrive C20i」

 iPhoneやiPadは、多くのAndroidスマートフォンと違ってmicroSDカードで内蔵ストレージ容量を拡張できないので、購入時のストレージ容量の選択が大きな意味を持つ。しかし最大でも128GB(iPhone SEだと64GBまで)と、そこそこ大きいものの、動画や大容量アプリを大量に保存すると「もしかしたら足りなくなるかも」という微妙なサイズだったりする。

JumpDrive C20i

 ストレージが足りなくなると、普通は動画やアプリを消して整理するしかないが、Lightningコネクターに接続するストレージデバイスを使ってデータを整理する手もある。Lexarの「JumpDrive C20i」はそんなiOSデバイス向けのストレージデバイスの最新製品のひとつだ。

Lightning端子とUSB端子が付いている

 C20iはLighning端子とUSB端子の両方がついており、iOSデバイスだけでなく、パソコンでもストレージとして利用できる。パソコンに接続すると普通のUSBメモリとして動作するので、ドラッグ&ドロップでファイルをコピーできる。

C20iのアプリ

 iOSデバイス上では専用アプリでC20i内のファイル操作をする。動画や写真、音楽といったメディアファイルだけでなく、OfficeファイルやPDFファイルなどもアプリ内でプレビュー可能で、ほかのアプリにコピーして開くこともできる。逆にほかのアプリのファイルをC20iのアプリにコピーすることも可能だ。

 たとえば出先のパソコンでExcelファイルをC20iにコピーしてもらい、移動中にiPhoneのOfficeアプリで開いて確認・編集しつつ、再び専用アプリに戻してC20iにコピーし、ほかの人のパソコンに渡す、といったことができる。クラウドで共有すれば、というハナシかもしれないが、USBのあるパソコンであればC20iの方がわかりやすくて手っ取り早いし、通信も発生しないので大容量ファイルも扱いやすい。

iCloud DriveアプリからファイルをC20iのアプリにコピーできる
C20iのアプリのファイルブラウザ。フォルダの管理もできる
下はLogitecの10cmケーブル。重さの差は約1g

 C20iの本体は、短いLightningケーブルそのものの形状で、他社製品に比べるとかなりコンパクトだ。重さは実測で約10gと、同じくらいの長さのケーブルと比べても、1~2gくらいしか変わらない。

 カバンの隙間に入れても邪魔にならないサイズだが、LightningケーブルとしてiPhoneの充電にも使えるので、これまで持ち歩いていたケーブルの代わりとすれば、持ち歩くモノを増やさないで済む。

 Lightningコネクターのストレージデバイスは、ストレージとして使うために充電が必要な製品も多いが、C20iは充電せずに使える。カバンに放り込んだまま持ち歩き、必要なときにいつでも使えるというのはやはり便利である。

5000mAh前後のバッテリーなら一緒に片手で持ってもわりと快適

 ちなみにC20iはUSB側とLightning側、先に挿した方のストレージとして動作する仕組みで、モバイルバッテリーで充電しながらストレージにアクセスするには、先にiOSデバイスに接続し、そのあとモバイルバッテリーにつなぐ必要がある。また、いずれかのストレージとして認識されてしまうので、iTunes同期のためのケーブルとしては使えない。この点は注意が必要だ。

 最新の製品だけに、ストレージのアクセス速度はかなり速い。パソコンとの接続時はUSB 3.0対応で、カタログスペックでは読み込み毎秒95MB、書き込みで毎秒20MBとなっている。試しに約3GBの動画ファイルをパソコンから書き込んでみたが、約2分で終了した。ほぼカタログスペック通りだ。

一見するとただのケーブルだが、この状態でストレージアクセスできている

 iOSデバイス接続時はUSB 2.0になるようだが、あまり問題にはならないだろう。専用アプリの出来がなかなかよく、動画もキャッシュ(一時コピー)することなく、C20i内のファイルを直接再生できる。シークバー操作も内蔵ストレージと変わらないくらいレスポンスが良い。

 iPhoneに挿したままでも邪魔にならない軽さ・小ささなので、動画など大容量ファイルをわざわざコピーし、貴重な内蔵ストレージを消費する必要性は低い。たとえコピーするにしても、iPhone保存向けの300MBほどのファイル1本なら、10秒程度でコピーできるので、遅くて待たされる、というほどでもない。

連絡先や写真の自動バックアップ機能、Dropbox連携、Touch IDによるアプリロックなど、アプリは多機能

 コンパクトさと使い勝手の良さ、ストレージのスピードと、これだけでも魅力的だが、価格面でも優秀だ。単なるUSBストレージとしてはやや高いが、iOSデバイス向けストレージ製品としてはかなり安い。

 たとえばiPhone 6sで言うと、内蔵ストレージが64GBと128GBモデルの差額は、税込で1万2960円となっている(SIMフリー版)。1万2960円あれば128GBのC20iが買えてしまう。iPhoneのストレージとしては、国内で販売されている同種の製品と比べても価格破壊的に安いと言える。

手頃なサイズのバッテリーを組み合わせカバンに入れておいて、充電メイン+たまにストレージ利用みたいな使い方が便利

 夏休みが終わると、新iPhoneと新iOSの時期である。新しいiPhoneを買うという人は、ストレージにまだ余裕があるならば、無理に128GBモデルを買わず、64GBモデルを選び、その差額でC20iやほかの周辺機器、アプリを買ってみると幸せになれるかもしれない。

 新しいiPhoneを買わない人も、残りストレージが1GBを切るくらい少ないなら、iOSアップデートに必要な空き容量を作るためにも、C20iでデータを整理してみてはいかがだろうか。

製品名販売元販売価格
Lexar JumpDrive C20i(128GB)マイクロン ジャパン1万2636円
Lexar JumpDrive C20i(64GB)マイクロン ジャパン8240円
Lexar JumpDrive C20i(32GB)マイクロン ジャパン5509円
Lexar JumpDrive C20i(16GB)マイクロン ジャパン3563円