本日の一品

うっとうしい梅雨を楽しくする「フットプリント」
2016年6月6日 06:00
お花見の季節が終わって、心地良い春の日が何日か続いたら梅雨入りだ。データを調べたわけではないのであくまで自己の感覚だが、例年、6月初旬くらいから7月中旬過ぎまで約40日くらいが雨の多いジトジトしたうっとうしいお天気になる感じだ。
そんな、雨が多く楽しく空を見上げるチャンスの少ない梅雨の時期にもってこいの楽しいアイテムがある。「footprint」(フットプリント、足跡)と命名された、傘に取り付ける怪しいアイテムがそれだ。
一部のオンラインショップでは「傘キャップ」などという商品イメージが全く想像できない、情けない商品名で販売されていることもあるようだ。百聞は一見にしかずで、写真を見るのが一番理解が早い。要は、傘のハンドル部分や尖った先の部分に取り付けて、雨の日を楽しく過ごすアイテムなのだ。
「フットプリント」には、肉球をイメージしたものや、筆者の購入した恐竜の足型タイプのものなど、形状と本体カラーの違いでかなり多くの種類が販売されている。
筆者は高級な傘は持たない主義で、どうしても傘が必要なときには、コンビニで白や透明のビニール傘をその時だけ買って利用するタイプだ。今回は、たまたま自宅にあったビニール傘にマッチするであろう、恐竜足型タイプのホワイトを購入した。夜間にも目立つ蓄光タイプのグリーンやイエローもあるので、目的がはっきりしていれば、そういった派手なカラーの選択も楽しいだろう。
「フットプリント」を傘に取り付ける時の場所の候補は2カ所。1つは前述した、傘の先の尖った部分。もう一つはクルッと曲がったハンドル部分の終端。後者は、外出時にたまたま入った公衆トイレなどの滑りやすい洗面台に傘を一時的に引っ掛けておきたい時や、雨の中を自宅に返った時に玄関先のどこかに引っ掛けて水切りをやりたい時などに便利だ。
しかし、なんと言ってもフットプリントの楽しさの本命は、傘の尖った先端部分に取り付けるという、便利さ生産性も生み出さないジョーク的な使い方だ。傘の尖った先端部分にフットプリントを取り付けるには、自身の持っている傘の先の直径を知っている必要がある。
フットプリントの取り付け穴のサイズは、傘の先端に合わせて、S/M/Lの3サイズのラインナップがある。購入前に電子ノギスでビニール傘の先端部分の直径を徹底計測してみたところ、筆者の傘は一番太いサイズの間だったので、迷わずLサイズを購入した。
一般的に、先端の太さとハンドル終端部分の太さは一致しているようなので、よほどアンバランスな傘でも持っていない限り、フットプリントは先端部分にもハンドル部分にも取り付け可能だろう。
さて、今年、梅雨入り前の桜の季節には雨はそれほど望めなかったのだが、なんと今年はお花見期間のちょうど真ん中くらいで、筆者の住む東京では雨が降ってくれた。雨をこんなに待ち望んだのは生まれて初めてだった。
雨の日はたとえ大事な用事があっても、用事を先延ばしするのが普通なのに、この日は、雨がたっぷり降って十分に地面が潤った頃に、恐竜フットプリントを先っちょに取り付けたチープなコンビニ傘を持って、ワクワクしながら部屋を後にした。
雨避けとして普通に傘をさしていると、自身では“目立ちまくり”という感覚を持ってしまうのだが、道で行き交う人は意外と気にもとめていない様子だった。白いコンビニ傘に白い恐竜の足型はその程度のモノかもしれない。チャンスがあれば次回は蛍光グリーンを使って同じことをやってみたいと思った。
まだまだ雨がじゃんじゃん降る中、怪しさは覚悟の上で、おもむろに傘を折りたたんで、フットプリントで地面を軽く押してみた。期待に反して全く足跡はつかない。気を取り直してもう一度、力いっぱい押してみると、かろうじて足跡らしきモノが残った……。
しかし写真に撮影してみると、普通の地面とほとんど区別がつかない凹凸状況だ。これでは原稿にならないと思い、さらに力を込めてグリグリやってみたら何とか足跡が残った感じだが、傘の軸も折れそうだった。関東ローム層をなめてはいけない。いや関東ローム層でなくても、都会のわずかに残った地面はなかなか硬いモノなのだ。
期待通りの「足跡」をつけてみたいなら、都内では稀な粘土質の広場を見つける必要があるだろう。雨の日に傘の先で地面を押しながら歩くだけで、近所がミニ・ジュラシック・パークになるなんて、都会ではやはり夢のまた夢だろう。読者諸兄の健闘を祈りたい。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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footprint | Cozythnik | 1280円(税込) |
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