てっぱんアプリ!

容量の少ないクラウドストレージ代わりにも。スマホからPCを操作可能な「Splashtop」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: Splashtop 2 Remote Desktop
開発者: Splashtop
価格: iOS版240円、Android版無料
対応OS: iOS 7.0 以降、Android 2.3 以上
カテゴリ: ビジネス
ダウンロード: iOSAndroid

 デスクワークはPCで、外出時はタブレットやスマートフォンで、というように、2台を使い分けているビジネスユーザーにとって、データの端末間共有は大きな課題だ。クラウドサービスのおかげで簡単になったとはいえ、パソコン内のあらゆる資料を常にオンラインストレージに同期しているとは限らない。クラウドにはアップロードできない大容量データもあったりするだろう。だったら自分のパソコンをそのまま使えると良いのでは? そんな発想で扱えてしまうのが「Splashtop 2 Remote Desktop(以降、Splashtop 2)」だ。

リモートからデスクトップを操作できる「Splashtop 2」

好みに合わせて操作できる3つのモードを用意

 「Splashtop 2」は、スマートフォンからパソコンの画面を直接コントロールできるようにするリモートデスクトップアプリ。操作したいパソコンに専用サーバーソフト「Splashtop Streamer」をインストールし、作成したユーザーアカウントでログインしておくと、スマートフォンやタブレットからサーバーをインストールしたPC/Macに接続して、そのデスクトップを表示する。ローカルネットワークでの利用は無料、インターネット経由のリモート操作は月額(または年額)のアプリ内課金で利用可能だ。

 マウスカーソルの操作方法は、画面自体をトラックパッドに見立てて指先でなぞるようにして行う「トラックパッド」モードと、タップで左クリック、長押しで右クリック、というように、決められた方法で操作する「ジェスチャ」モードの2種類が用意。さらにアクセス先がWindowsの場合は、Windows 8以降で導入された画面外からのフリック操作による機能呼び出しに対応する「Win 8 タッチモード」も利用できる。

パソコン側にインストールした「Splashtop Streamer」の設定画面
アカウントを作成してログイン
Windows 10のデスクトップを表示
「ジェスチャ」モードではクリック、ドラッグ&ドロップ、デスクトップのズームイン・アウトなどが行える
Windows 10に接続した場合は3種類の操作モードから選べる

Flashゲームと動画もスムーズ。音声再生にも対応

 キーボードからのテキスト入力ももちろんOK。スマートフォン側のキーボードアプリをそのまま使え、日本語入力にもきちんと対応している。画面全体を画像としてスマートフォン側に転送・表示する仕組みであることから、パソコン/Mac上で動作しているアプリケーションはほとんど全て、問題なく利用できるのが特徴だ。

 我が家のローカルネットワークで試したところ、一般に頻繁な画面の書き換えが必要とされるゲームや動画もぬるぬる動く。また、パソコンで再生しているサウンドをスマートフォン側のヘッドフォンやスピーカーから出力できるようにもなっている。モノラル音声に制限されるとはいえ、サウンドが重要なゲームや動画の音を、手元でしっかり聞けるのはうれしいところだ。

確定前はインライン入力にならないが、日本語入力自体は全く問題なし
「艦これ」などのFlashゲームもバッチリ
ミュージックプレーヤーで音楽再生する時は、スマートフォンとPCのどちらから音声出力するか選べる

課金でインターネット経由のリモート操作も可能に

 アプリ内課金で月額(または年額)料金を支払うことにより、ローカルネットワークだけでなく、インターネット経由のリモートコントロールにも対応する。つまり、外出時に持ち出したスマートフォンやタブレットから、3G/LTEのモバイルネットワークを使って自宅やオフィスにあるパソコンにアクセスし、操作できるわけ。さらに、リモートデスクトップのアプリにありがちな、ポート開放などの煩わしいルーターの設定無しに利用できるのも大きな利点と言える。

 パソコンで作成した書類が必要なのに印刷せずに外出してしまった時、会社からしかアクセスできない社内サーバーのデータにアクセスしたい時、あるいは自宅パソコンにしか置いていないデータを参照したい時など、さまざまなシチュエーションで活躍するだろう。ただし、会社によっては、セキュリティの観点から「Splashtop」のようなリモートデスクトップのアプリの利用を許可していないこともあるので注意しよう。

月額・年額料金を支払うことでインターネット経由の操作も可能
Wake on LAN対応PCであれば、スマートフォン側からPCの電源を入れてすぐにデスクトップを操作できる

日沼諭史