スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

夏だ!! 豪雨だ!! Ziplocで防滴だ!!

夏だ!! 豪雨だ!! Ziplocで防滴だ!!

 はいはいはい、ド真夏になったけど突発的かつ集中的な豪雨が多発しているのでビニール袋のコトばっかり考えている俺が通りますよ、あっとそこすいませんね、はい失礼しますよ、はいはいはい、的な。上の見出しだけでピンと来た方も多いと思われるが、今回は「Ziploc(ジップロック)」で「手持ちのスマートフォンやタブレットを防滴化」するという話ですな。

「Ziploc(ジップロック)」は食品保存用のポリ袋。これを使ってスマートフォンなど端末を防滴化するお手軽技が、ネットを中心として流行っている。記事後半では、シーラーを使ってZiplocを端末ピッタリのサイズ加工してもいる。もちろん、これら全て「自己責任下」で行うべきものとなる

 ご存知のとおり、Ziplocは手軽に開け閉じできる食品保存用ポリ袋(ポリエチレン袋)だ。このポリ袋の中にスマートフォンやタブレットなどの端末を入れれば、簡易的な防滴ケースとして使える。各端末にフィットする専用防水ケースが売られているが、Ziplocと比べると高価。Ziploc使えば安上がり~♪ 専用ケースを探す手間もナイ♪ というわけだ。

 ただし、Ziplocを使っての端末防滴化は、当然ながら自己責任で行うべきもの。また、旭化成ホームプロダクツのZiploc公式サイトにある「Ziplocの使い方」にあるQ&Aでも、電子機器を入れての使用は推奨されていない。「ジップロックのバッグシリーズに電子機器を入れてお風呂で使っても大丈夫ですか」という問いに対して「完全な防水を保証するものではありませんので、防水用途での使用はおすすめできません」と書かれている。

 ので、この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はケータイWatch編集部および俺さらに旭化成ホームプロダクツも端末メーカーも一切全然まるでちっとも責任を負わないものとする。とは一応書いたが、やっぱZiploc便利っすよね~♪ みたいな。

 なお、ここで「防滴」としているのは、個人的に「チャック(ジッパー)付きポリ袋に電子機器を入れただけで防水というのは言い過ぎ」と思っているから。Ziplocバッグ(米国製)や日本製のチャック付きポリ袋なら、たぶんきっと「端末の防水」も可能だとは思うが、「少々水しぶきがかかる程度なら大丈夫という方法」くらいに考えるのが無難だと思う次第。

 俺の場合はiPhone 3Gの頃から「端末をビニール袋に入れて防滴化」しているが、まあ、注意深く行えば、だいたいフツーに防滴化できる感じ。それと、後述のシーラーを使えば市販のポリ袋から「ピッタリサイズのスマホ防滴ケース」なども作れたりするから楽しい。

 また、静電容量方式や感圧式のタッチパネルを搭載した端末は、ポリ袋などに入れてもタッチ操作ができる。デジタルペン対応端末なら、端末をポリ袋に入れた状態でデジタルペンを使うことも可能だ。防滴状態で端末を使えるようになるんですな。

 ともあれ、以降、Ziplocに端末を入れる際に必要な情報をまとめてみた。「Ziplocにスマホとかを入れての防滴化、どんな感じなんだろうな」と思っている方に覧いただければと思う。

Ziplocのラインナップを知る

 Ziplocのラインナップは非常に豊富で、ポリ袋やフタ付きケースなどイロイロある。が、スマホやタブレットを入れるのに向くのは「Ziplocバッグ」と呼ばれるポリ袋のラインナップだ。4タイプあり、全8種類がある。

 各タイプはそれぞれ「フリーザーバッグ」「イージージッパー」「ストックバッグ」「お手軽バッグ」となり、それぞれ用途別に分かれている。どれも同じポリ袋だが、サイズに加えて素材の厚さやジッパーの構造が異なるのだ。以下、各タイプのZiplocバッグを見ていこう。

Ziplocの「フリーザーバッグ」。冷凍庫での食品保存向けだが、常温でも使える。サイズは大/中/小の3種類で、厚みはZiplocバッグシリーズ中最厚となる0.068mm。ジッパーは二段式の「ダブルジッパー」
こちらは「イージージッパー」。つまみを動かすだけで開閉できる手軽さが特徴的だ。冷凍庫での使用にも対応。サイズは大/中の2種類。これもZiplocバッグシリーズ中最厚の0.068mm
冷凍庫以外での使用を想定した「ストックバッグ」。「フリーザーバッグ」と並んで(キッチンで)多用されているZiplocバッグではなかろうか。サイズは大/中の2種類。ジッパーは二段式の「ダブルジッパー」。厚みは0.044mmとやや薄め
小さなサイズの「お手軽バッグ」。サイズは小のみで、厚さはZiplocバッグシリーズ中最薄の0.030mm。ジッパーはシンプルな「ウルトラジッパー」

 以上のようなラインナップとなる。感覚的に掴みにくいのは「Ziplocバッグの厚み」かもしれない。

 これらのうち、「フリーザーバッグ」や「イージージッパー」の厚みは0.068mm。主に市販されている汎用のポリ袋の厚みが0.04mmなので、「やや厚手で丈夫な感じのポリ袋」というイメージになる。個人的には「0.08mm厚のポリ袋」が「電子機器を入れるにおいて耐久性と安心感があって良い」と考えているが、まあこれら厚手のZiplocバッグでも十分という印象はある。

 それから、「ストックバッグ」は厚み0.044mmで、「お手軽バッグ」は0.030mm。ハッキリ言うと、どちらも電子機器を入れて防滴化したときに「ちょっと気を付けて扱わねば」という心細さが残る。とりわけ「お手軽バッグ」は薄く、「爪で引っ掻くと破れちゃうのでは?」的な華奢さが感じられる。

 また、Ziplocバッグに限らず、端末を入れるポリ袋などは厚めのほうが使いやすい。耐久性があるのに加え、シワになりにくいのでタッチ操作を行いやすい。加えて、厚手のポリ袋などのほうが、端末の画面と密着しやすいので、表示がよりキレイに見えるのだ。

 てなわけで、できるだけ厚めのZiplocバッグを使いたいところだが、「同じZiplocバッグを使い続けることは避ける」ようにすれば、どのZiplocバッグでも大丈夫な気がする。Ziplocバッグシリーズは1箱に7~40枚(種類により異なる)ほど入っているので、Ziplocバッグが少し痛んだと感じたら新しいものを使えばいいわけですな。

どのZiplocバッグにどの端末が入る?

 さて、手持ちのスマートフォンやタブレットをZiplocバッグに入れてみるわけだが、まずはZiplocバッグのサイズ一覧と、入れる端末のサイズ一覧をまとめておきたい。Ziplocのサイズは「袋の内部のサイズ」となる。端末のサイズは外寸。ただし端末には厚みがあるのと、Ziplocバッグの開口部はほんの少し狭くなっているので、「端末のサイズがZiplocバッグサイズ以下なら入る」というわけではない。

【Ziplocバッグ各種のサイズ】

略称長辺(mm)短辺(mm)厚さ(mm)
フリーザーバッグ 大 12枚入 ダブルジッパーFL2732680.068
フリーザーバッグ 中 18枚入 ダブルジッパーFM1961770.068
フリーザーバッグ 小 18枚入 ダブルジッパー ※FS1771270.068
イージージッパー 大7枚入EL2792680.068
イージージッパー 中10枚入 ※EM2031770.068
ストックバッグ 大18枚入 ダブルジッパーSL2732680.044
ストックバッグ 中20枚入 ダブルジッパーSM1961770.044
お手軽バッグ 小40枚入 ※OS1651490.03
  • ※印は横長のZiplocバッグ

 Ziplocバッグ内部の「長辺」と「短辺」示してサイズとしている。「略称」は端末一覧と合わせて見ていただければと思う。「※」印付きが「長辺にジッパーがある横長バッグ」で、それ以外は短辺にジッパーがある縦長バッグとなる。

【Ziplocバッグに入れてみた端末】
端末対応Ziplocバッグ長辺(mm)短辺(mm)
Google(SAMSUNG)/Nexus 10FL SL EL263.9177.6
東芝 REGZA Tablet AT703 (約)FL SL EL260.7178.9
iPad (第1世代)242.8189.7
iPad 2FL SL EL241.2185.7
iPad (第3世代)FL SL EL241.2185.7
iPad (第4世代)FL SL EL241.2185.7
Google Nexus 7 (旧)FL SL EL198.5120
Apple iPad miniFL SL EL200134.7
MEDIAS TAB UL N-08D (約)FL SL EL199144
Kindle Fire HDFM SM193137
Kindle Paperwhite 3GFM SM EM FS169117
GALAXY Note II SC-02E (約)FM SM FS EM OS15181
GALAXY Note SC-05D (約)FM SM FS EM OS14783
Arrows NX F-06E (約)FM SM FS EM OS13970
iPhone 5全種123.858.6
iPhone 4S全種115.258.6

 Ziplocバッグに入れてみた端末。「対応Ziplocバッグ」のところにある略称が、その端末が入ったZiplocバッグとなる。

 この表で「対応Ziplocバッグ」のところの「バッグの略称」をチェックすれば、その端末がどのZiplocバッグに入るかがわかる。のだが、ただ単純に「入った」というだけで「対応Ziplocバッグ」としている。キツキツでもブカブカでも「対応Ziplocバッグ」となっている。ので、次に、実際に入れたときの感触を見ていきたい。

端末13種類をZiplocバッグに入れてみた

 ここでは実際に各端末をZiplocバッグに入れたときのフィット感などを見ていこう。入れてみた端末は手持ちのモノっす。なお、Ziplocバッグのジッパーを上にした状態で、端末を「縦向き」や「横向き」で入れている。

 まずはGoogleの「Nexus 10」。「フリーザーバッグ大(FL)」と「ストックバッグ大(SL)」には、端末を縦向きで入れると「端末上下がピッタリ」という感じで入る。横向きではギリギリ入らない感じ、無理をすれば入るかもしれないが、Ziplocバッグが破れる可能性もある。

「Nexus 10」を「フリーザーバッグ大(FL)」に入れた様子。端末が縦向きなら上下ピッタリに入る。横向きだと途中までしか入らない

 この「フリーザーバッグ大(FL)」と「ストックバッグ大(SL)」は、同じサイズで用途(厚み)違いの縦長バッグ。これにNexus 10を縦に入れると、上下がピッタリではあるが、Ziplocバッグ左右に余りが出てしまう。また左右方向にジッパーがあるので、Ziplocバッグの余りを裏に折ったときのフィット感がイマイチ。

 また、Nexus 10は「イージージッパー大(EL)」に縦向きで入れられる。が、上下が余るので、前述のZiplocバッグよりイマイチ感が強い。てな感じで、Nexus 10は「Ziplocには収まりの悪い端末」という結果となった

 次に東芝の「REGZA Tablet AT703」。「フリーザーバッグ大(FL)」と「ストックバッグ大(SL)」には、端末を横向きにして左右がピッタリの状態で入った。その状態からジッパー部分を後ろ側に折れば、非常にスッキリした「簡易防滴状態」になる。さらに後述のシーラーで余り部分を処理すれば、ジャストサイズのZiplocバッグを自作できるだろう。

「REGZA Tablet AT703」を「フリーザーバッグ大(FL)」に入れた様子。端末が横向きなら左右ピッタリサイズ。余りは折り返せば十分実用的だ。シーラーで除去すれば専用簡易防滴ケースを作れますな♪

 なお、これらバッグには端末を縦向きにしても入れられる。が、そうすると横方向にZiplocバッグが余り、この余りはさばきにくいので使用感はよくない。

 それから「REGZA Tablet AT703」は「イージージッパー大(EL)」にも入れられた。ただ、縦向きには入るものの、横向きには入らない。ので、やはり横方向にZiplocバッグが余り、ジッパーがあるためZiplocバッグの余りを折って使った感じは、あまりよくない。

 それからアップルの「iPad (第3世代)」。「新しいiPad」と呼ばれた、ナンバリングされなかったiPadですな。このiPadは「iPad 2」や「iPad (第4世代)」とサイズが同じなので、このiPadが入るZiplocバッグにはそれらiPadも入る。また、初代iPadはこれらiPadより数ミリサイズが大きいくらい。その僅かなサイズ差も参考にして欲しい。

 まず「フリーザーバッグ大(FL)」と「ストックバッグ大(SL)」には、「iPad (第3世代)」を縦向きにでも横向きにでも入れることができた。ただしZiplocバッグにやや余りが出る感じ。余裕があるので初代iPadも入ると思うが、Ziplocバッグの余り部分が少々ウザい感じ。

 しかし「イージージッパー大(EL)」の場合、「iPad (第3世代)」を横向きにして入れるとピッタリ入った。Ziplocバッグに入れるとき、ほんの少しキツめだが、入れたあとはZiplocバッグの横方向の余りも少ない。閉じたジッパー部を裏に折り返せば、まずまず良好なサイズ感となる。さらに後述のシーラーを使えばジャストサイズのiPadケースになると思う。

「iPad (第3世代)」を「イージージッパー大(EL)」に入れた様子。端末が横向きなら左右がジャストサイズ。余りを折り返せば、ジッパー部の機構と併せて、スマートに使えるだろう。シーラーで処理すれば完璧なケースになりそうだ

 初代iPadは手持ちがないので試せなかったが、このZiplocバッグにはギリギリ入らないような気がする。無理矢理入れるとジッパー部の端が破れるかもしれない。

 ちなみにこの「イージージッパー」シリーズは、ジッパー部のつまみを動かすだけで開閉できる手軽さが特徴。ほかのZiplocバッグよりも「簡易防滴化ケース」としてスマートに使えると思う。

 お次は、Googleの「Nexus 7 (旧型)」、アップルの「iPad mini」、ドコモの「MEDIAS TAB UL N-08D」。乱暴にも3機種まとめての結果だが、じつはこれら端末、「フリーザーバッグ大(FL)」「ストックバッグ大(SL)」「イージージッパー大(EL)」に、縦向きでも横向きでも入る。が、Ziplocバッグが明らかにオーバーサイズで、実用的とは言えない。後述のシーラーの処理をすれば、ある程度実用的なサイズにできると思うが、専用防水ケースを買ったほうが手っ取り早いかもしれない。

 それからAmazonの「Kindle Fire HD」。「フリーザーバッグ中(FM)」と「ストックバッグ中(SM)」に「条件付き」で入る。横向きには入らず、縦向きに入るのだが、2本あるジッパーの上側だけを閉じれば何とか入るという感じだ。でも、せっかくのZiplocバッグの「ダブルジッパー」の密閉効果が半減してしまうのは残念だし、不安も残る。

 ちなみに、「フリーザーバッグ中(FM)」と「ストックバッグ中(SM)」は、サイズが同じで素材が違う。それと、これらより大きなZiplocバッグになら「Kindle Fire HD」を入れられるが、ブカブカで実用性は低いと思う。

 そしてAmazonの「Kindle Paperwhite 3G」。結果から言えば、多くのZiplocバッグにイイ感じで入りまくりの端末となった。

 具体的には「フリーザーバッグ中(FM)」と「ストックバッグ中(SM)」にだと、端末を横向きにして左右がピッタリ入る。Ziplocバッグの余りは折り返せばまずまず快適に使える感じ。シーラーで処理すればジャストサイズになると思う。ちなみに、端末を縦向きにしても入るが、Ziplocバッグの横方向が少し余ってややウザい感じに。

 より小さな「フリーザーバッグ小(FS)」だと、端末を横向きにして左右がほぼピッタリに入る。ジッパー部分が短く余るだけなので、この部分を裏に折り返せば「ほぼパーフェクトなKindle Paperwhite 3G用簡易防滴ケース」として使えると思う。

左が横向きにした「Kindle Paperwhite 3G」を「フリーザーバッグ中(FM)」に入れた様子。左右ジャストサイズ。余りを折り返せば実用的だ。右は横向きにした「Kindle Paperwhite 3G」を「フリーザーバッグ小(FS)」に収めた様子。左右も上下もほぼジャストサイズで使える

 あと「イージージッパー中(EM)」だと、端末を横向きにでも縦向きにでも入れられた。端末が横向きだとまずまず悪くない収まり方で、さらにシーラーでZiplocバッグを処理すればさらにイイ感じになりそうだ。

 今度はスマートフォン。ドコモの「GALAXY Note SC-05D」「GALAXY Note II SC-02E」「Arrows NX F-06E」をZiplocバッグに入れてみた。「Arrows NX F-06E」は端末自体が防水なんですけど、最近の大きめ画面スマホの代表ってコトでご参考までに。

 まずは同じサイズの「フリーザーバッグ中(FM)」と「ストックバッグ中(SM)」に入れてみたが、縦向きでも横向きでも入った。横向きで入れてシーラーで処理すればそこそこサイズ感の良い防滴ケースになりそうだ。

 それから「フリーザーバッグ小(FS)」には、端末を横向きにして入れるとまずまずのフィット感。Ziplocバッグの余りをシーラーで処理すればよりフィットするが、余りを折り返しても実用性はまあまあ高いと感じられる。

「フリーザーバッグ小(FS)」に各端末を横向きにして入れた様子。左から「GALAXY Note SC-05D」「GALAXY Note II SC-02E」「Arrows NX F-06E」。左右が余るのが気になるが、上下の余りは折り返せばいいだろう。できればシーラーで処理したいところ

 さらに「イージージッパー中(EM)」だと、端末を縦向きにしても横向きにしても収められる。ただZiplocバッグの余りも多めで、ルーズフィットというイメージ。これも端末を横向きに入れ、シーラーで処理したくなる感じ。

 それから「お手軽バッグ小(OS)」には、縦向きにした「GALAXY Note II SC-02E」のみが「入らない」という結果になった。端末を横向きにすれば、各端末ともまずまずイイ感じで収まる。さらにシーラー処理すればフィット感はかなり高まると思う。ただ、このZiplocバッグ、最薄なのでちょっと強度に不安感が残るところだ。

「お手軽バッグ小(OS)」に各端末を横向きにして入れた様子。左から「GALAXY Note SC-05D」「GALAXY Note II SC-02E」「Arrows NX F-06E」。左右のフィット感も上々。余りをシーラーで処理すればイイ感じのサイズになる。ただ、「お手軽バッグ小(OS)」Ziplocバッグ中最薄なので、強度が気になるところ。また、より厚手のZiplocバッグと比べると、表面のシワが多いのも気になる

 最後にアップルの「iPhone 5」「iPhone 4S」を試した。結果、どのZiplocバッグにも入るが、「どのZiplocバッグに入れたときもかなりブカブカ」という感じに。シーラーの使用を前提に考える必要がありそう。

 でもまあ、無理にZiplocバッグを使おうとしなければ、「iPhone 5」や「iPhone 4S」がまずまずピッタリで収まる市販ポリ袋がイロイロあると思う。ほかの端末もまた、Ziplocバッグにこだわらなければ、「端末を文具店などに持ち込んで大きさの合うポリ袋を買う」というお手軽な方法がある。

 ただ、Ziplocバッグって開口部の開け閉じが快適だし便利なんスよね。指の感触や色の変化で「しっかり閉められた」というのが確認できるし、開口部周辺がわりと丈夫なので開け閉じを繰り返しても破損の不安が少ないんですな。

シーラーを使ってピッタリ感アップ!!

 Ziplocバッグのようなポリ袋に、手持ちの端末をジャストサイズで収めたいなら、やはりシーラーの導入を考えたいところ。ここで言う「シーラー」とは、たとえばポリ袋などの開口部を熱で融着して閉じる器具を指す。

左がテクノインパルスの「クリップシーラーZ-1」。右が富士インパルスの「P-200」。実勢価格には値幅があるが、Z-1が3000円前後、P-200が2万円前後

 ほかにもシーラーは多々あるが、この2機種は手持ちのもの。探せば似たようなシーラーでより安価なものもあるが、さておき、まずは簡単に各シーラーの特徴や使用感を。

 テクノインパルスの「クリップシーラーZ-1」は、非常に手軽に扱えるシーラーだ。シールして閉じたい部分を挟み、ボタンを押して数秒待てばシール完了。ヒーター部分の幅は約21cmで、つまりは21cm未満の対象なら一度で熱処理して閉じられる。温度調節機構も備える。一般的な厚みのポリ袋などをシールするなら性能的にこれで十分という印象だ。

 ただ、対象を深く挟み込めないので、熱処理できる位置の自由度は低め。たとえばポリ袋の中央あたりをシールしたい場合、あらかじめポリ袋をカットしてからシールする必要がある。若干手間がかかるわけですな。あと、熱量も少なめな感じなので、たとえばポリ袋のジッパー部分をまたいて縦にシールする場合、何度か熱処理を繰り返す必要がある。

 富士インパルスの「P-200」は、業務用のシーラーですな。ハサミのような開口部にポリ袋などのシール対象を入れ、ハンドルを下げて数秒待てばシール完了。シール完了を示す「ピッ」という音が出るので、初めて使う人でも失敗が少ない。ヒーター部分の幅は約21cm。もちろん温度調節可能。

 P-200は熱量も多いようで、ポリ袋などのジッパーをまたいでの熱処理もより確実に行える。それから対象のどの部分でも挟めるので、たとえばポリ袋の中央あたりをシールしたい場合でも手軽。ただし、その構造上、幅約42cm(ヒーター幅の倍)を超える対象はシールできない。

 てな感じの2機種。ぶっちゃけた話、細かいコトにこだわらず、「工夫でなんとかするゼ」的なスタンスなら、「クリップシーラーZ-1」がかなりオススメ。邪魔にならないし、使いやすいし、シーラーとして安価ですしネ。

 さて次に、シーラーを使うとどういうコトができるのか見てみよう。以下は、P-200と市販のポリ袋を使い、iPhone専用防滴ケースを自作した様子だ。

まずiPhoneが収まるサイズのポリ袋を用意する。そしてシーラーでポリ袋を熱処理し、ピッタリサイズにシールする。ポリ袋内部はジャストiPhoneサイズになった
余った部分を切り落とせば完成。ジッパー部分もシールしてしまえば、使い捨てにはなるが安心感がより高い防滴ケースとなる

 ちなみに、熱処理に失敗すると、たま~に「シールした部分に穴が空く」ようなこともある。熱処理してすぐに動かしたりすると、溶着した部分が伸びたり歪んだりして密閉されないことがあるんですな。

 さて、続いて、シーラーを使ってZiplocバッグを端末とピッタリサイズにするとどんな感じになるのか? 実際に試してみた。フツーにイイ感じに仕上がったと思う。

左は「フリーザーバッグ大(FL)」に「REGZA Tablet AT703」を横向きに入れた様子。横はピッタリだが、縦方向に余りが出る。その余りをシーラーで処理してカットしたのが右の写真。ヒーターの幅よりZiplocバッグの幅が広かったので、2回に分けて熱処理した。ピッタリ入って気分がイイ♪
「イージージッパー大(EL)」に「iPad (第3世代)」を入れたものと、余り部分を処理したもの。これも熱処理は2回。やっぱりジャストサイズがイイですな
「フリーザーバッグ小(FS)」に「ARROWS NX」を入れたものと、シーラーでジャストサイズへと加工したもの。Ziplocバッグの横方向と縦方向に熱処理を行った。端末が防水対応でも、汚れた手で端末を触る必要があるときとか、傷防止とか、防滴化以外の面でも何かと役立つのであった

 ぶっちゃけた話、「端末をポリ袋に入れた感じ」って、やっぱりな~んか微妙にチープな感じがする。「Ziplocバッグを使った端末の防滴化」は見栄えはあまりよくないかもしれない。が、試してみると「あらコレいろいろ役立つ!!」みたいな実用面での発見があったりするのも事実だ。

 たとえば「自分の端末サイズに合わせたZiplocバッグ」を何枚か作って携帯しておくと、ちょいと役立つ場面がけっこーあったりする。防滴化も可能だが、端末を汚れから守ったり、ちょっとした傷防止に使えたりする。
 また、楽しげだったりカラフルだったりするポリ袋なんかも売られているので、そういったポリ袋を使えばポップだったりキッチュだったりする「オリジナル端末ケース」を自作できると思う。興味のある方は、ぜひ一度試してほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。