スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Surface Pro、かな~りイイ♪

Surface Pro、かな~りイイ♪

 個人的にかな~り期待していたマイクロソフトの「Surface Pro(サーフェスプロ)」。日本での発売日である2013年6月7日午前10時頃、予約しておいたSurface Proが届いて気合が入り、そこから一気に設定。鋭意使用。約5時間後、このPCから大きな満足感を得た。いや~PCでこんなにテンション上がったの、マジ久々っす♪

マイクロソフトの「Surface Pro」。「Office Home & Business 2013」を標準搭載したWindows 8 タブレットPCで、10点マルチタッチによる操作に加え、付属デジタルペンでの操作も可能。背面のキックスタンドを立てれば自立させることができる。256GBモデルを購入した。ネット通販で11万9000円くらいだった

 Surface Proはタブレット型のWindows PCですな。搭載OSはWindows 8 Pro(64ビット)。タッチパネルは10点までのマルチタッチに対応するほか、付属の筆圧対応デジタルペンでの操作~手書き入力もできる。

 通信機能はWi-Fi(802.11a/b/g/n)およびBluetooth 4.0。Surface Proの利用には実質、Wi-Fi環境が必要ですな。主なインターフェイス類はUSB3.0(フルサイズ)、microSDXCメモリカードスロット、ヘッドホンジャック、ミニディスプレイポート、てな感じ。

Surface Proのインターフェイス類

 って、Surfaceに興味のある方にとってはアタリマエの情報かもしれない。ので、Surface Proの詳細についてはマイクロソフトの製品紹介ページをどうぞ~。

 さておき、ようやく日本でも発売されたSurface Pro。先行して発売されたSurface RTにも注目が集まったが、Surface RTのOSはWindows RTで、標準搭載の「Office 2013 RT(Word/PowerPoint/Excel/OneNote)」とWindowsストアから入手したアプリしか動かない。「Surface RT、Office使うにはいいんだけど……」てな意見もあった。

 一方、Surface Proは、搭載OSがWindows 8 Pro(64ビット)なので、Windowsストアアプリも一般のWindowsアプリも動く。てなコトから「Surface Pro待ち」だった方も少なくないと思う。かく言う俺もそのひとり。そしてやっとSurface Proをゲット!! 期待しつつ使い始めた。

 以降、Surface Proを使ってみた印象を書いてみたいが、とりあえずの結論から言えば「かな~りイイ♪」という感じ。冒頭でも書いたが「Surface Pro触ってテンション上がった」のであり、前向き上向きの気分。この原稿を執筆している時点で、まだ使い始めて一日経ってないが、「このマシンは物凄く役立つかも」という予感で満タンの俺なのであった。

全体的にサクサクで、タッチもペンも反応良好

 使い慣れているOSがWindows 7なので、Surface Proを触り始めるときに若干の憂鬱があった。ぶっちゃけた話、「Windows 8かぁ……あのUI、なんか微妙だよなあ」というコト。嫌いじゃないんですけどね、まだ「ナニがどこにあってどうすればいい」のかよく分かっていないのと、WindowsというOSをタッチで(も)操作していくというふたつのハードルが、俺を憂鬱にさせるのだ。

 が、Surface Proを触り始めるとその憂鬱はズシャッと低減。Windows 8に対する「まだよくわからない」感はあるのだが、Surface Pro自体の反応がイイんですよ。とても小気味よく動く。まだ重いアプリはほとんど試していないが、標準搭載の「Office Home & Business 2013」から始まり、ウェブブラウザ(IEやChrome)、テキストエディタなどは速度的に無問題な感じ。てか爆速級。

エクスペリエンスインデックスはさほど高くないものの、グラフィックスやディスク(SSD)、プロセッサは悪くない値。体感速度的に速いSurface Proなのかも。一般的なビジネスアプリならだいたい爆速起動。無問題かつ快適に利用できる

 詳しく試していないので割愛するが、3DのMMRPGのベンチマーク(テスト/デモ)なんかもわりとスンナリ動いちゃったりする。Surface ProってタブレットPCなのに、なんか3Dゲームも遊べちゃう感じですな。

 UIを操作したときの反応も速いが、それ以上に、なんと言うか、えーと、「Windows 8ってこんなにスイスイ動くもんなのネ」という実感がある。チューニング的なものが優れているのか、ほかの各プラットフォームを含めたタッチ対応UIのなかでも、突出したスムーズさを感じる。

 それと付属のデジタルペンこと「Surfaceペン」。1024段階の筆圧を検出するペンだそうだが、これが快適。筆圧も実用的だと思うが、追従性が非常に高い。ので、たとえば殴り書きや走り書きをしてもしっかり筆跡の描画が追従する。ポインティングデバイスとしても高精度で使いやすく、このペンがあればマウス無しでもWindows 8のデスクトップを快適に扱えると思う。

Surface Proには専用デジタルペン「Surfaceペン」が付属する。中央はSurface Pro上でOneNoteに手書きしている様子。右は、Surface Pro上のOneNoteと同期したデスクトップPC上のOneNoteの表示例。手書きメモがクラウド(SkyDrive)経由で同期するのはプチ未来感アリなのと同時に実用的だ

 ちなみにSurface Pro、GALAXY Note用の「Sペン」や「ThinkPad X60/X61/W700 タブレット・デジタイザー・ペン(41U3143)」などでも手書きできた。筆圧も再現されるが、段階は不明。これら各ペンについてはコチラを。

 あと、ご存知の方も多いと思うが、Windows 8の手書き文字認識機能はかなり認識率が高くて秀逸。Surface Proの場合、処理能力が高いからか、手書き文字入力の認識率が高いうえに認識速度も速く、非常に実用的だと感じている。

英語版のType CoverとTouch Coverを使う

 Surfaceシリーズには、タブレット型端末Surfaceシリーズと合体する専用のキーボードが発売されている。「タッチカバー」「タイプカバー」である。

 タッチカバーはSurfaceシリーズ用のカバーで、押下感ナシのタッチ式キーボード機能も備えている。タイプカバーはSurfaceシリーズのカバー兼キーボードで、押下感がある物理的なキーを備えている。どちらも磁力でSurfaceシリーズ本体にセットできるキーボードで、無線式ではなく、接点接続による導通式てな感じのキーボードだ。

 ただし、国内で売られている各キーボードは日本語配列。英語配列野郎の俺としては非常に残念。だが「たぶんきっとつながるであろー、いやつなげるし!!」と考え、並行輸入の英語配列バージョン(米国版)を購入してみた。

 ちなみにその米国版の値段だが、国内ネット通販にて、タイプカバーが1万6000円くらい、タッチカバーが13000円くらい。若干のぼったくられ感があるが、英語配列野郎だからしょうがないのである。

Surfaceシリーズ用キーボードの「タッチ カバー」(の米国版)
Surfaceシリーズ用キーボードの「タイプ カバー」(の米国版)

 これらキーボードを「試したい!!」&「日本国内モデルのSurface Proと合体させて活用したい!!」と考えて、3万円弱も出費した俺なんですけど、同時に「もし米国版キーボードが国内盤Surfaceにつながらなかったら……」という不安があった。とにかくトライ!!

 そしたら「合体させただけでとくに問題なく英語配列キーボードとして認識された」のであった。あらま。ラク。レジストリ書き換えとか要るのかと思ったら、そういう手間はナシでOKだった。

 ついでにWindows 7で使っていたキーバインド変更用ソフトで「Ctrl」キーと「CapsLock」キーを入れ換えたりしつつ、「ATOK Passport」でATOKをインストール。さらに秀丸エディタをインストールし、フツーに原稿を書ける環境を構築した。こういうコトをしてると「あぁSurface ProはWindowsマシンなんだなあ」という実感が強まる。

 余談だが、「ATOK Sync アドバンス」を使うと、ATOKユーザー辞書や入力・変換の設定やキーカスタマイズなどの設定を、クラウド経由で同期できる。デスクトップPCで使っていた環境をほぼそのままSurface Proに即反映できて、いい時代になりましたのう、とか思う。

 さて、いつもの原稿書き環境はSurface Proに移行した。が、実際Surfaceシリーズ用各キーボードは「原稿書きに使える」のか? 試してみた。

 まずキー押下感ナシのタッチカバーから。結論から言うと、かなり慣れないとタッチタイプが難しいと感じた。人によるとも思いますけどネ。じつは「意図的なタイプ」と「不意のタッチ」を区別していたりするインテリジェントなキーボードらしいのだが、俺的には快適に使えなかった。

 それから物理的なキーを持つタイプカバー。結論から言ってコレは非常に使いやすい。使い始めて間もなくタッチタイプできるようになった。若干剛性が低いものの、フルサイズキーボードとほぼ同じ(あるいは余裕のある)キーピッチとキーサイズがあるので、さほど違和感なくタイプしていける。キーストロークも思ったよりも深く、押下時のクリックカンも少々あってイイ感じ。ビシバシ原稿を書いていけるキーボードかもしれない。

 なお、どちらのカバーも、Surfaceシリーズと合体させた状態でSurfaceシリーズ背面まで折り返せば、キーが無反応になる。ので、カバーとして違和感なく使える。イマイチだったほーのタッチカバーも、万が一のときに一応使えるキーボードが付いているカバーとしてアリなのかもしんない、と微妙な気分で思った。

重めで携帯性はイマイチだが……

 Surface Proは、「筆圧対応デジタルペンが使えるタブレットPC」あるいは「快適にタッチ操作できるWindows 8 PC」としては、かなりイイと思う。前述のとおり、256GBモデルが12万円弱。「買い度」がヒッジョーに高いマシンだとも思う。

 ただ、タブレットというイメージからすると難点も少々ある。ひとつはその重さ。Surface Proの質量は約907g。サイズは約27.5×17.3×1.4cm。数字的にはまあまあコンパクトだが、手にすると「片手で持ち続けるのは厳しい」というイメージになる。「10インチとかのAndroidタブレットって軽くて持ちやすいんだね~」と思ったりもする。

 てな感じで、常時携帯にはまあ向くとは思うが、「電車の中で気軽に電子書籍を」てな目的にはあまり向かないSurface Proだと思う。ちなみに、Surface RTはSurface Proより約227g軽く、5mm程度薄い。「片手で」とかいう目的には「Surface RTを」ってコトなんでしょうな。動くソフトウェアの問題はありますけど。

 それと、残念なのはGPS非搭載であること。えーっ、地図マシンとして堪能できないじゃ~ん、的な。3G/LTEにも非対応でつまりSIMカード挿せないのも残念。後者はモバイルルータとかテザリングでどうにかなるが、GPSナシは比較的に多くの人にとって痛い気が。

 あと、細かい話だが、キックスタンドの角度が微妙。Surfaceシリーズ背面に仕込まれた「本体を自立させるための脚」ですな。これが角度固定で、机上に自立させると「もっと上を向かせたい」と感じたりする。

 USBポートも、もうひとつくらい欲しかったかも。1個しかナイんですけど、Surface Proは歴としたWindowsマシン。USB接続の周辺機器は多々あるんだし「1個じゃ足りないって人が多いでしょ~」とか思う。

 他にも少し気になるところはあるが、まだ十分使い込めていないので、また別の機会に。ともあれ、いくつか難点を挙げてはみたが、総じてSurface Proは「かなり使えるマシン」だと思うので、引き続きガンガン使っていこうと思う。そしてアレコレ気づいた点をまたレポートしたい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。