スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPad miniと合体するBluetoothキーボード

iPad miniと合体するBluetoothキーボード

 iPad mini野郎の俺なんですけど、iPad mini上で文字入力する頻度が高まった。ので、良さそうな外付けキーボードはないかなぁ~と探していたら、タイミングよくロジクールから「Ultrathin Keyboard mini (TM710)」が発売されたので購入した。ネット通販で7500円くらいだった。

ロジクールの「Ultrathin Keyboard mini (TM710)」。iPad mini用のBluetoothキーボードで、Smart CoverのようにiPad miniと合体する。キーボード状のスリットにiPad miniを立ててタイプできる。2013年4月24日発売で、2013年6月現在の実勢価格は7500円前後。カラーはホワイトとブラックがある

 コレ、iPad mini用のBluetoothキーボードですな。USB充電式で、満充電から最大約3カ月使えるという。また、磁力によりキーボード自体がiPad miniの側面に吸着して、ちょうど純正のiPadフタことSmart Coverのような感じで使える。

 一見するとキー配列も悪く無さそう。サイズはiPadとほぼ同じで、幅200×奥行き140.7×厚み7.3mm。質量は208g。前述のようにiPad miniと合体するし、そんなに重くなさそうだしで、携帯も問題なさげ、ということで購入した次第である。

 で、早速使い始めたが、結論から言えば若干難点はあるものの、なかなか快適に使えるキーボードだと感じられた。てなわけで以降、「Ultrathin Keyboard mini (TM710)」の機能や使用感などについて見ていこう。

作りがアップル純正品みたい♪

 まずは「Ultrathin Keyboard mini (TM710)」(以下、TM710)の外観あたりから。一言でその印象を言っちゃうと「アップル純正品のような雰囲気のキーボード」である。

 手持ちのiPad miniのカラーに合わせてホワイトを買ったんですけど、TM710の白色はパッと見でiPad miniのそれと同じ。よーく見るとTM710の方が少しオフホワイト寄りという感じ。少し色味がある、みたいな。でも注視しなければ「両方同じ色」という印象になる。

 キーボード背面はアルミ製だが、これもまたiPad miniの背面と同じイメージ。細かく言えばTM710のほうにやはりほんの少し色味を感じるが、パッと見はほぼ同じアルミ質感で、触った感じもほぼ同じだ。

iPad miniとTM710の表側。デザイン的にも色的にも十分マッチしている
両機の裏面は同様のアルミ質感で、触った感じもほぼ同じ。純正品みたいですな

 てな感じのTM710、「Logicool」のロゴがなければアップル純正オプションだと勘違いしちゃう人が多発しそうな雰囲気。そのくらい、イイ感じの作りになっている。

 また、Smart Coverのように、TM710がiPad miniへ吸着&合体する感じもナイス。隙間無くピッタリ合体し、閉じればTM710が保護カバーになる。また、開閉に応じてiPad miniが自動的にスリープ/復帰する。

iPad miniとTM710は、Smart Coverと同様に磁力で合体する。開閉に応じて自動的にスリープしたり、スリープから復帰したりする

 ちなみに、TM710の四隅には僅かに出っぱる樹脂の緩衝材がある。これによりキーボードとiPad miniの画面が直接触れないようになっているようだ。細かな部分まで好印象な作りである。

使い勝手の良いキーボード

 TM710をキーボードとして使う場合、いったんiPad miniと分離し、TM710上部のスリットにiPad miniを横向きにセットする。メーカーは横向きにセットしての使用を想定しているようですな。物理的には縦向きにもセットできるが、そうするとiPad miniの画面をタップするなどしたとき、キーボードのスリットに過剰な力がかかる感じ。

TM710のキーボードを使う場合、いったんiPad miniと分離する。TM710のスリットにiPad miniをセットし、ノートPCみたいな状態にして使う。iPad miniは一応縦向きでのセットもできた

 TM710はiPad miniとBluetooth接続して使うわけだが、実際にタイプしてみると予想外の打鍵感がある。キーはパンタグラフ式で、押下圧は60gで、キーストロークは1.5mmとなっている。その打鍵感は「MacBook Airのキーをちょっと重くシッカリさせた感じ」みたいな印象。このサイズのキーボードとしては「高品位な感じ」がする。

 キーレイアウトは60キーの英語配列で、一部のキーが縦長や横長に圧縮されている。そのかわり英字キーはどれもわりとフツーのサイズ。また英字キーのキーピッチは16mmで、タイプミスしにくいと感じた。

一部キーが小さくなっている英語配列。フルキーボードと比べるとキーが小さめで間隔も狭めだが、ミニミニサイズのキーボードとしては余裕があるキー配列だと感じる

 ぶっちゃけどーなのか? ということを言えば、わりと短時間でタッチタイピングまで行けるという使い勝手だ。実用的っす。原稿を書けるレベル。英字キーのキーピッチとサイズを重視しているのが実用性に結び付いてるんでしょうな。

 個人的にはカッコやオンビキなどわりとよく使うキーが極小サイズになっているので、それらを入力する時にはタイプミスが発生しがち。だが、それを意識して使っていれば、このサイズでも十分快適に使えるという印象だ。

 あとショートカットキーも便利スね。数字キーやX/C/Vキー、左右キーなどは、Fnキーと同時押しでいろいろなショートカット的機能が使える。

iPad miniのホームキーも備える。またFnキーを押しながら押下すると各種ショートカットなどが使える

 こういうキーボードを使って何が便利かって、第一に「カーソルキーでカーソル位置を動かせること」ですな。指先でカーソル位置を指定するのって失敗しがちでウザいモンだが、カーソルキーで移動できるようになると失敗が激減で快適に操作できるようになる。切り取り/コピー/貼り付けもキー操作でできるようになるので、とりわけテキスト入力時のiOSデバイスの使い勝手がググッと良くなる。

一工夫でさらに便利に

 TM710を使っていて「……う~ん」と思うのは、iPad miniの画面角度。構造上、画面角度は固定。キーボードを操作する手の位置もあるので、画面と顔の距離もわりと固定的になる。これにテーブルや椅子の高さが加わってくるので、結局は「ユーザーが画面の向きに合わせた姿勢を取る」ようになる。タブレット端末の画面って角度固定するとこんなに見にくいんだ、とか思ってしまう。

 ので、早々にTM710とiPad miniを分離した状態で使い出した。iPad miniはスタンドで自立させた。スタンドは、何となくテキトーに買ったサンワサプライの「iPadスタンド(ホワイト) PDA-STN7W」がアタリだった。シンプルで実用的。携帯性も良好。iPad miniを縦向きでも横向きでも立てられる。

結局こんなスタイルで使うようになった。TM710のスリット部分は使わなくなった感じ。サンワサプライの「iPadスタンド(ホワイト) PDA-STN7W」は、コンパクト&シンプルで使いやすいスタンドだと思う

 ただ、このスタイルで使い始めた途端、TM710使用上の大きな問題が起きた。TM710を単体でタイプすると、机面が滑らかである場合、タイプする指に押されてTM710が滑っちゃうのである。物凄~く使いにくい。

 TM710の上のスリットにiPad miniをセットしている場合でも、やや強くタイプすると、TM710が滑ることはある。が、iPad miniを乗せないTM710は、操作のたびに滑りまくりなのであった。

 というわけで、得意のアレを使って対策。TM710の背面に滑り止めを貼ったのだ。

住友スリーエム(3M)の「落下抑制テープ[書棚用] GNシリーズ」をTM710の背面に貼って滑り止め。TM710が滑っちゃう問題は完璧に解消された

 住友スリーエム(3M)の「落下抑制テープ[書棚用] GNシリーズ」についてはスタパブログのエントリをご参照いただきたいが、万能滑り止め的に使える透明粘着テープですな。これにより、TM710を単体で使っても全く滑らなくなった。

 ただし、このテープ、TM710へ貼るとかなりの粘着力を発揮して、とても剥がしづらい。ので、ほんの少量だけ貼るのがいいと思う。それでも十分な滑り止め効果がある。

 とかアレコレやっているうち、「ホントはやっぱりiPad miniは背面カバーとSmart Coverを装着した状態で、TM710と組み合わせたいなあ」と思うようになった。ので、試してみた。ら、予想以上に良好に組み合わせて使うことができた。

外にiPad miniを持ち出すときは、画面にSmart Coverを、背面をサードパーティーのハードカバーで保護している。前述のサンワサプライのスタンドは、その状態のiPad miniも立たせることができた
Smart CoverだけでiPad miniを立たせれば、よりシンプルにモバイルできる。また、Smart Coverの上からTM710を装着することも一応可能。完全装備のiPad miniとTM710が合体するのは非常に便利っす

 試してみて驚いたのは、Smart Coverを装着した上から、TM710を磁力で合体させられたこと。iPad mini、Smart Cover、背面保護用ハードカバー、さらにTM710を「1枚の板状態で持ち歩ける」のだ。

 ただし、mart Coverの上からTM710を合体させると、磁力による吸着力が若干弱まり、TM710が外れやすくなる。ので、そうした場合は持ち歩きに注意が必要。ゴムバンドで外れ防止などの工夫をするといいかも。

 ホントはシンプルに「裸のiPad miniとTM710を合体」させて「TM710のスリットにiPad miniを立てて使う」のがいちばんスッキリすると思う。が、一工夫すればさらに広い活用幅が得られるTM710。キーボードとしての使用感は良好だし、ユーザーの利用スタイルにも合わせてもいけるTM710なので、興味のある方はぜひ一度実機をイジってみて欲しい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。