危機管理グッズとしてのポータブルDVDプレーヤー「東芝 SD-P96DT」

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


危機管理グッズとしてのポータブルDVDプレーヤー

 東芝のポータブルDVDプレーヤーSD-P96DTを購入した。ネット通販にてほぼ3万500円でポチッと。使用目的はイロイロあるんですけど、この機種を選んだ大きな理由は「危機管理」。平たく言うところの「防災」ですな。

東芝の「ポータブルDVDプレーヤー SD-P96DT」。REGZAの名を冠した「レグザポータブルプレーヤー」でもある。地デジやワンセグにも対応しており、付属バッテリーでも使用できる。

 なぜ、このSD-P96DTを危機管理グッズとして購入したのか? それは、SD-P96DTが地デジやワンセグも観られるポータブルDVDプレーヤーであり、かつ、付属バッテリーで6時間の連続視聴(地デジ/DVD)が可能だからだ。

 拙宅は輪番停電が行われたエリアにあり、停電地に痛感したのは「やはりテレビを観たい」ということだった。その経験がSD-P96DT購入を強く後押しした。必要な情報はほとんどネットから得られる時代ではあるが、通信回線に依存せず受信側としては輻輳なども無いテレビ放送は、やはり緊急時の情報源として大いに役立つ。

 SD-P96DTの場合、電波さえ入れば、いつでもどこでも地デジやワンセグといった放送を通じて情報を得られる。バッテリー駆動で6時間使える。3万円チョイで売ってる。むむむ、こここ、これはモシモまさかの災害時とか停電地とかの備えとして良さそう!! てなわけで「今さら」だが「テレビも観られるDVDプレーヤー」などとゆーモンを、防災グッズとして買ったのであった。
 てなコトで以降、SD-P96DTの機能や使用感をレポートしてみたい。

 

イロイロできるSD-P96DT

 SD-P96DTはポータブルDVDプレーヤーというカテゴリの製品だが、実質はマルチメディアプレーヤーだ。市販DVDビデオやDVD-RやDVD-RWやビデオCDや音楽CDなど各種DVD/CDの再生に対応し、地デジ(フルセグ)放送もワンセグ放送も視聴でき、SD/SDHCカードに入れたMP3/WMA/JPEG/DivXフォーマットの音楽/静止画/動画の再生も可能。Blu-ray非対応なのは残念だが、身近な各種メディアに対応した何でも来い系のプレーヤーなんですな。

本体サイズは幅260×奥行き191×厚み35mm。ネットブック的なサイズだが、ぶ厚め。質量はバッテリー込みで約1.5kgで携帯には重めワンセグ受信に向くロッドアンテナを内蔵する。また外部アンテナをつなぐためのジャックもある(接続用ケーブルも付属する)SD/SDHCカード対応スロットを搭載。カードの中身をフォルダ/ファイル単位で見ていける。ブラウザは少々前時代的な使用感
本体のフタを開いてDVDやCDなどのディスクメディアをセットする画面は開く角度を無段階で調節できる。安定感も十分あるこんなふうに180度少々まで画面が開く。工夫すれば壁掛け可能!?
画面はこのように水平方向にも回転して向きを変えられる90度回転させたところ。この状態で画面傾きも変えられる180度まで回転可能。向こう側に台座部を置いて使える

 てな感じで小回り融通が利きそうなポータブルDVDプレーヤー。付属品も充実していて、たとえばキャリングケースやヘッドホンやワンセグ用外部アンテナなど、フツーはオプションになりそーなモノまで付属している。もちろん小型リモコンも付属。買えば即使いはじめられるフルセットてな感じだ。

小型リモコンが付属する。画面下部のボタンでも操作可能ヘッドホンやワンセグ受信用の外部アンテナも付属する本体と付属品が余裕で入るキャリングケースも付属する

 で、肝心の使い勝手だが、これが少々微妙。立ち位置によって、満足製品にもイマイチ製品にもなりそうだ。

 

これホントに「REGZA」系?

 SD-P96DTのDVDドライブのフタには「REGZA」と書いてある。拙宅で毎日使用中の液晶テレビREGZAと同じロゴだ。

 このロゴを見て、SD-P96DTをひととおり使ってみると、「この製品は東芝じゃないメーカーからのOEMとかでREGZAロゴは勢いとかオトナの事情とかでプリントしちゃったんであろー」などと、あくまでも俺個人の感想です的妄想が止まらない。ハッキリ言っちゃうと、REGZAユーザーとしてこの「レグザポータブルプレーヤー」と名の付いたハードウェアの操作性~使用感を考えると、液晶テレビREGZAとはまったく違っていて比較的にガッカリだと言える。

 たとえば、電子番組表で選んだチャンネルに移行することができいないとか、リモコンが使いにくいとか、電池残量が表示されないとか、イロイロ。

電子番組表表示。やや汚く、番組表からチャンネル変更は不能SDカードの内容を表示したところ。これも残念感が漂うUIだ一見良さそうなリモコンだが、ボタンサイズも位置もイマイチ

 なので、「レグザポータブルプレーヤーって書いてあるからレグザの小型のやつだよきっと」的に、液晶テレビREGZAとしてSD-P96DTを買うと、恐らく残念感噴出だと思われる。ポータロウという名前なら話はチョイ違ってくると思うんだが。

 しかし、これとはまた違った観点からSD-P96DTを見てみるとノープロブレムだったりする。SD-P96DTの画面は9V型ワイド(800×480ドット)で、地デジ放送を表示させたりすると若干精細さに欠けるものの、映りそのものはまずまず。DVDビデオなら解像度的にマッチしているので予想以上に良好な映りをしたりする。情報源として地デジを観るとか、こぢんまりとDVD鑑賞をするとか、各種動画を「ながら観」するには違和感を感じない。

 またそんなふうに画質を追求する方向でなく、SD-P96DTを汎用する方向でなら、やや独特で古風な印象となるUIやその操作感も「ちょこちょこイロイロ役立つから、まあいいか」てな気分になってくる。拙者的観点からすれば、もちろん「レグザポータブルプレーヤー」の名のとおり液晶テレビREGZAのクオリティ/ユーザビリティが全部受け継がれていたら大喜びだが、汎用性~実用性においてSD-P96DTは十分アリの製品だと感じている。

 

日用品的にポチポチ役立つ防災マシンSD-P96DT

 万が一のときに無電源状態でもテレビを観られるようにする、というのがSD-P96DTの大きな購入理由だった。付属バッテリーはリチウムイオンなので、恐らく本体から外しておけば緊急時でも使えるだろう、とも思っていた。

 が、実際はわりと頻繁に日常使いするようになった。なんかこう、ラジオみたいな感じかもしれない。実際どんなふうに使っているかと言えば……。

 アリガチなのが、「今スグちょっと観たい/聴きたいDVD/CD」の再生。ナニカに付属の解説DVDとかオマケDVDとか、あるいは某通販でよくあるサンプル音楽CDとか。ちなみにSD-P96DT、画面左右にステレオスピーカーを内蔵しているが、音は良くない。音楽や動画を「ジックリ鑑賞」するには外部スピーカーやヘッドホンが必須ですな。ともあれ、手近にCD/DVDを再生できるプレーヤー/ビューワがあるのは意外と便利である。

 あと地デジ。一休み時にちょいとニュースを観るとか、ちょっとだけスポーツ中継を観るとか、息抜き的に使えて便利。テレビもDVDも観られてバッテリーで6時間使えるので、飛行機や新幹線での短時間でない移動時の退屈しのぎにも良さそうですな。

 SD-P96DT、現在ではわりと一箇所に居座ったり消え去りつつあったりするハードウェアが複数合体してポータブルになったような存在なのだ。CDプレーヤーとDVDデッキとテレビが合体していて、持ち歩いて電池でも使える。週に何度かちょっと役立ったり、毎日一定時刻に便利だったり、けっこー使えるんですよ。

 そんなふうに使うので、いつもバッテリーはACアダプタと接続中。バッテリー状態を敢えて意識しなくても、結果的にたいてい満充電状態。購入の結果、こんな状態になって、SD-P96DTに改めて防災マシンとしての安心を感じた。日常でも使っている防災グッズってのは、過不足まで理解して使いこなせる実用的なツールなんですな。

 ちなみに、非常時のワンセグ受信だが、室内用UHFアンテナをいくつか試した結果、ブースターなどナシでもSD-P96DTとつなぐだけでシッカリとワンセグ受信が可能な製品を発見&購入。この件はまた別の機会で述べたいが、つまりSD-P96DTは拙宅でも非常時にワンセグを受信できるハードウェアとなった。はぁ、一安心。

 ぶっちゃけ、拙者的には3万円少々でこの実用性と安心感、イイと思いまぁす♪ 品薄だったりミョーに割高だったりするワンセグ受信専用機買うより使えると思いま~す♪ でも全然REGZAじゃないので注意とも思いましたっ★ ←カワイくしてお茶濁してんじゃねーよ>拙者。

 

2011/7/11 06:00