まずは2.1chスピーカーなんですよ!!
■まずは2.1chスピーカーなんですよ!!
よく「パソコンで音楽聴きたいんだけど、良さげなスピーカーあります?」とか訊かれる。で、これまたよくあるパターンだが「アレがイイすよ、サブウーファー付きのやつ。2.1chのスピーカー」と答えると間もなく「え~サブウーファー? 左右のスピーカーだけじゃダメ!?」と言われたりする。
ダメってこたぁナイんですけど、サブウーファーの存在は偉大。左右のスピーカーがややイマイチな音でも、サブウーファーがそのイマイチ感をカバー。第三の箱が音の七難を隠す、みたいな。とりあえず的になるべく安く&なるべくイイ音を求めるなら、まずは2.1chスピーカーがナイスと考えている拙者である。
てなわけで今回は、お手頃価格で手に入る2.1chスピーカーを2機種ご紹介したい。
ロジクールのSpeaker System Z313。2.1chスピーカーで、ロジクールオンラインストア価格は4980円 | ロジクールのZ-4。これも2.1chスピーカーで、ロジクールオンラインストア価格は9980円 |
どちらもロジクール製の2.1chスピーカーですな。2.1chスピーカーとは、ステレオの左右スピーカーに加えて、低音再生専用のサブウーファーがあるスピーカーシステム。左右で2個、低音で1個、ゆえに「2.1ch」だゼと。
さて、上記2機種とも1万円以内で購入できる2.1chスピーカーだ。ロジクール製なのでPC用って雰囲気だが、PCにも一般オーディオ機器にも汎用的に使える製品。また、どちらもアンプ部をサブウーファー内に内蔵している。音量などをサブウーファーから伸びるコントロールポッド(有線リモコン)により調節できる点も共通してますな。
ともあれ、早速これら2機種を試用し、その使用感や音質などについて見ていこう。
■買いやすく置きやすいSpeaker System Z313
まずはSpeaker System Z313(以下、Z313)。ロジクールオンラインストア価格で4980円の2.1chスピーカーですな。つい最近発売されたばかりのモデルでもある。
ロジクールのSpeaker System Z313。ロジクール製2.1chスピーカーとしては低価格でありかつ小型の部類になる | サテライトユニット(左右スピーカー)は50mmのドライバーを内蔵したバスレフ式だ | サテライトユニットのサイズは各89×81×146mm。CDケースと比べてもこのように小型なので、ディスプレイ左右などに設置しやすい |
サブウーファーも比較的に小型。サイズは50×228.4×220mmだ | サブウーファー背面からは電源ケーブルやコントロールポッドケーブルが伸びる。付属スピーカーをつなぐジャックもある | ドライバーはサブウーファー下面にある。正面の穴はバスレフのダクトですな |
てな感じのZ313。総合RMS出力(定格出力)は、サテライトが4.5W×2、サブウーファーが16Wの、合計25W。しっかりとデカい音が出る。音量MAXの大音量でゲームをプレイして近隣から苦情を言われるに十分な実力だがさておき、肝心の音質はどうか?
てか、音質に関しては各人の感受性次第なのでショップ店頭などで実機の音を聴くのがいちばん。でも、拙者なりに評価してみると、中低音の厚みとアコースティック感が豊かという印象。高音のヌケが微妙に足りないと感じるが、しかし、5000円でお釣りが来る2.1chスピーカーとしては十分健闘していると思う。
実使用感として、サイズ的に設置しやすいってのがありますな。左右のサテライトスピーカーは、たとえば280ml入りペットボトル(短寸でホットのお茶とか入ってるやつ)程度の存在感。まあPC周辺のドコにでも迷わず置けそうなボリューム。
また、上の写真のようにサブウーファーも小型。サブウーファーは周波数特性上どこに置いてもOKだが、この小型さがあるとさらに設置の自由度が高い。ちなみにZ313の電源部はサブウーファーに内蔵されている。コンセントとは付属電源ケーブルで接続するのみで、本体外部にACアダプタが出るようなことはない。
あと、ユニークなのがZ313の有線リモコンとなるコントロールポッド。手元など自由な位置にコントロールポッドを置いて、音量調整、電源のオンオフ、それからヘッドホン接続ができる。スピーカー本体上にボタンがあるタイプの製品と比べると、手軽に操作できる利便が大きいわけだが、このコントロールポッドにより本体の設置の自由度がさらに高まっている点も見逃せない。
Z313のコントロールポッド。電源や音量を操作できる有線リモコンですな | こんなサイズ。両面テープでどこかに貼り付けちゃうような使い方もアリだと思う | ヘッドホンをつなげられる。ヘッドホン接続時はもちろんスピーカーからの音はミュートされる |
てな感じで、ヨンキュッパのわりにはナカナカ良い音がするし、使い勝手もかなり考えられているし、設置の自由度も高い。似たようなサイズの2chスピーカーと比べると、当然だがサブウーファーがあるぶん、音の深みや迫力が得られる。家で使ってるPCの音をとりあえずグレードアップしたいんですけど~的な人には、手を出しやすい価格ってのもあるので、オススメな感じのZ313である。
■ド高いコストパフォーマンスのZ-4
次にZ-4。「なるべく安く、手軽に、パソコンとかの音を良くしたいんですけど」と相談されたら、たぶんイチオシにしちゃうのがこのZ-4だ。ほかのメーカーの製品まで視野に入れても、コレかもしんない。
ロジクールのZ-4。ロジクール製2.1chスピーカーでは性能的定評がある長寿製品。音質的コストパフォーマンスがド高いのだ | サテライトユニット(左右スピーカー)は、50mmのメタルダイアフラムドライバー(左右各1)と50mmのアクティブドライバー(左右各2)を備える3ドライバー | サテライトユニットのサイズは各230×95×76mm。台座を取り外せば壁掛け可能だ(そのための引っ掛け穴もある) |
サブウーファーはけっこー大きめで230×238×230mm | サブウーファー裏面には音声入力端子、有線リモコンやスピーカーの接続端子がある | サブウーファーには203mmドライバーが内蔵されている。表面に見えるのはドライバーではなく振動板とのこと |
前述のように、Z-4の実勢価格は、ロジクールオンラインストア価格で9980円となっている。が、この製品、発売されたのが2005年の9月。5年くらい前に出た製品ってコトで、ネット通販全体での実勢価格は7800円前後になっている。
んで、この実売7800円とゆーコトを踏まえ、結論から言ってしまうと、この値段でどーしてこんな音出ちゃうの!? ってほど高品位なサウンドを出しまくりのZ-4なのであった。
やはり音のコトなのでゼヒ実機から出てくる音をアナタの耳で確かめて欲しいのだが、拙者的雑感を言えば、コストパフォーマンス的に難点かもと思うのは中音域の控えめ感くらい。ほかは、低音も高音もバランスが良いし、特に低音の締まりの良さ&メリハリは大したモンと言えよう。もちろん「この価格なのに」って話ではあるのだが、音楽をじっくり聴くことができる2.1chスピーカーだと思う。
それと、もうちょっと言っちゃうと、前述のZ313も十分音がいい2.1chスピーカーだと思う。4980円でここまで出るならいいよね、的な。しかし、Z-4の実力&価格を知っちゃうと、あと数千円出してもZ-4を買うしかない!! とか思ってしまう。これは前述のZ313が力不足なのではなく、Z-4が常識破りの価格超越的パフォーマンスを発揮しちまってるということである。
わりと買いやすく、音は競合機一蹴で上位機種も下克上かもしんないZ-4なんだが、サブウーファーもサテライトも少々大きめ。設置の自由度はあんまり高くないですな。ただ、サテライトスピーカーの台座を外せば壁掛け設置もできるようになっているので、壁にネジ打ってもOKな人においては、設置の自由度はまた違ってくる。
それからZ-4も有線リモコンを装備する。この有線リモコン、実売7800円の製品のソレとして考えると、けっこーゴージャスだ。
Z-4の有線リモコン。電源のオンオフ、ボリューム調整、さらに低音の強さまでコントロールできる | サイズはZ313のリモコンと比べると少々大きめ。本体と接続されるケーブルも太めで硬めなので、机上設置が無難だと思う | ヘッドホン出力端子と音声入力端子がある。ので、オーディオプレイヤーなどを追加接続して再生できる |
ちょいと高級感のあるこの有線リモコン、なかなか快適。音量とは別に低音の強さを調整できたりするのも便利だが、ヘッドホン端子と外部入力端子を備えているのがナイス。
Z-4のサブウーファー背面には音声入力端子がある。通常はここにPCとかオーディオ機器などをつなぐが、さらに有線リモコンの外部入力端子にも音源を接続可能。つまり、Z-4は2つの機器(PCやiPodなどオーディオ)を同時につなぐことができるのだ。ちなみに、接続した2つの音源を同時に鳴らしたら、両音源の音がミックスされて再生された。
てな感じのZ-4。サテライトがコレですよ、サブウーファーがコレですよ、有線リモコンの機能はこうですよ、そして音質はこんなですよ、とだけ示されたら、まさか1万円未満で買える製品とは思えない。上記のサイズ~設置の自由度が気にならないなら、かなり狙い目の2.1chスピーカーだと思う。
2010/6/21 06:00