サンコーのドでかAV BANKを買ってみた
■サンコーのドでかAV BANKを買ってみた
ポータブルメディアプレーヤーの類が好きな俺なんですけど、去年の12月16日に発売されたサンコーの「ドでかAV BANK (ATLMP74G)」を衝動買いした。
サンコーのドでかAV BANK (ATLMP74G)。7インチディスプレイを搭載したポータブルメディアプレーヤーで、サンコーレアモノショップでの直販価格は1万5800円 |
これまで、ポータブルメディアプレーヤーとしては主にCOWONのA3やO2PMPを愛用してきた。両機ともシンプルに使えるし、表示も美麗。とくに後者のO2PMPは非常によくできていてサイコー度が高い。
んだが、これら機種、画面が小さめ。A3は4インチ(800×480ピクセル)で、O2PMPは4.3インチ(480×272ピクセル)。iPhone(3.5インチ/320×480ピクセル)よりは大きいが、でもやはり「も~ちょっと大きな画面で見たいなぁ」と思うことが少なくない。
そこにドでかAV BANK。いきなり7インチ(800×480ピクセル)!! 使ってみたいよ~ん!! てかレアモノショップ価格で1万5800円なら、じゃあ、とりあえず、的に手を出した。てなわけで、以降、ドでかAV BANKの機能や使用感についてレポートしてみたい。
■価格のわりにゴージャス
ドでかAV BANKは、音楽/動画/静止画の再生に対応した携帯向けのマルチメディアプレーヤーだ。画面は前述のとおり7インチで、解像度は800×480ピクセル。ワイド画面ですな。
再生可能なファイル形式は、音楽がMP3とWMA(64kbps~384Kbps)、動画はAVI/MPG/FLV/MP4/MOV/PMP/DAT/VOB/MPG/RM/RMVB、静止画はJPEG/GIF/BMPとなっている。これらのファイルを本体内のメモリ(8GB程度)もしくはmicroSDHCカード(16GBまで検証済みとのこと)に入れて再生することになる。もちろん本体にはmicroSDHCスロットがある。
パッケージには、ドでかAV BANK本体、AVケーブル×2本、USBケーブル、イヤフォン、ACアダプタ、日本語取り扱い説明書が含まれる | iPhone 3Gとサイズを比較してみた。ドでかAV BANKのサイズは195×112×16mmで質量は350g。携帯性は良好だ | メニューはソニーのクロスメディアバー(XMB)的なもの。操作は本体右側のボタンで行う。レスポンスはフツーにクイック |
音楽再生中(ポーズ) | 動画再生中(ポーズ) | 静止画再生中 |
なお、充電は付属ACアダプタもしくはUSBバスパワーで行う。満充電からの連続使用可能時間(公称値)は、音楽再生が7時間、動画再生が3時間となっている。ほか、スピーカーとマイクを内蔵し、内蔵マイクによりボイスレコーダーとしても機能する。ボイスレコーダーとして使った場合、本体内にMP3形式で録音が保存される。それと、ゲームも2本内蔵している。
バッテリーの状態をこんな表示で確認できたりする。妙にマニアックですな | ゲームを2本内蔵。chess_gameとpic_blockだ | chess_gameの画面。五目並べですな。pic_blockは16パズル的なルールの12パズル |
てな感じで、お値段のわりにはけっこーハイスペックというか汎用性アリな感じのドでかAV BANK。表示も意外なほどキレイ。とりあえずは「この値段でコレならいいかも」と思えたりした。
■フツーに便利な音楽再生機能
さてさて早速使用。まずは音楽から。使用手順は、ドでかAV BANK本体をパソコンとUSB接続すると本体内メモリやmicroSDが単純にリムーバブルメディアとして認識されるので、ソコにMP3やWMAといったファイルをコピーすれば再生できるようになる。動画や静止画も同様。専用のファイル転送ソフトの類はナシ。シンプルだ。
てな感じで至ってフツー。再生中はイコライザ的な表示が出たり、もちろん早送り/戻しができたり、さらにはテンポ設定(曲の再生速度変更)や7種類のイコライザ設定も可能である。
音楽再生中の表示。グラフィックイコライザ的な表示がなされる | 音程を変えずに曲の再生速度を変えることもできる | イコライザ機能もある。けっこー強めに効く音質調整機能ですな |
ドでかAV BANKにおける音楽再生機能は、どちらかと言えば「一応は音楽プレーヤーとしても使えるヨ」的な位置付けだと思うが、それにしては十分よくできていると感じる。内蔵スピーカーの音質は音楽鑑賞に全然向かないが、音楽再生機能自体には大きな不満は出なかった。
ただ、MP3のメタデータ(ID3)について、日本語のものが(中文に)文字化けすることがあったりする。まあ、それほど多量の曲が入るわけでもなく、聴きたい曲を自分で選んでコピーして使うタイプのプレーヤーなので大問題には至らないものの、やはりこのあたりは価格相応(!?)の作り込みなのかニャとか思った。
■動画と静止画
次に動画や静止画に関して。再生手順は音楽ファイルと同様、再生したい動画/静止画ファイルを本体やmicroSDなどにコピーし、クロスメディアバー的なメニューから選んで再生すればいい。
動画はVideoメニューから再生 | 静止画はPhotoメニューから | 表示する静止画ファイルを選んでいる様子。サムネイルも表示される |
静止画を再生している様子。この価格のプレーヤーとしては高画質に感じられる | 動画再生中。ビットレートの高い動画ではときどきコマ落ちが生じるが、そうでない動画ならとくに問題なく再生される | こちらはボイスレコーダー機能。マイク感度がイマイチで、小さな声では記録されにくい。あまり実用的ではないですな |
動画や静止画を再生してみての印象だが、大きめの画面で表示されるってのが単純に愉快。また、思った以上に画質がよく、パネル自体の視野角も広いので、快適に鑑賞できる。YouTubeの愉快動画をダウンロードして観るのが好きな拙者なんですけど、これならオフラインYouTube動画再生マシンとして十二分に活用できそうだ。
動画再生に関しては、再生や停止、送り戻しはもちろん可能で、レジューム機能も備えている。連続再生3時間とあるので、長めの移動時にも利用できそう。
静止画再生に関しては、ま、ぶっちゃけ、ビューワ&デジタルフォトフレームとして使えるという程度。もちろんスライドショウ表示機能を備え、表示が切り替わるときの効果もいくつか用意されてる。ただ、ファイルサイズの大きな静止画の場合、サムネイル作成や再生自体に時間がチョイかかるという印象がある。あまり凝ったコトはできないわけだが、やはり7インチという画面サイズは快適ですな。
あと、試してみたら全然ダメだったのがボイスレコーダー機能。今時的なICレコーダーの類を使ったことがある人なら、ドでかAV BANKの集音力の低さにガッカリするかもしれない。ま、オマケ機能って感じでしょうか。
■かなり買い度が高いが……
ドでかAV BANKを総合的に評価するに、拙者的には買い度の高いプレーヤーだと感じている。この価格で7インチディスプレイであり、十分キレイな表示がなされ、動画も静止画も音楽もイケて、室内でも屋外でも遊べるんだから安いと思われる。
しかし、率直な話、所々に作りの甘さみたいなものが残る。たとえば、操作ボタンを押したときに安っぽくかつ大きめに「ペチッペチッ」と鳴るとか、ACアダプタのジャック/プラグの接続がミョーにゆるいとか、物理的な作りのイマイチさは否めない。
それと、ときどき突然シャットダウンしたりも。再現性がイマイチ見えないんだが、音楽/動画/静止画のどれを再生する場合でも、再生し始めた瞬間、ドでかAV BANKがイキナリ落ちることがたま~にある。再生中に落ちる、という現象はまだ経験してないが、なんかチョイと不安定なドでかAV BANKさんであらせられる。
ついでに、再生可能な動画のファイル形式がAVI/MPG/FLV/MP4/MOV/PMP/DAT/VOB/MPG/RM/RMVBとなっているが、これら形式と合致していても再生できないファイルが少なくない。ま、このあたりはマルチメディアプレーヤーにはアリガチなことだが、ある程度試行錯誤して「コレならイケる」というパターンを見つけていく作業も少し必要な気がする。そんな観点から、動画のダウンロードとかエンコードとかトランスコードといったコトを未経験の人には、あまりオススメできないドでかAV BANKかもしれない。
とは言っても、やはりこの価格でまずまずちゃんとポータブルメディアプレーヤーとして成立しているのはイカス。そしてやはりこの画面サイズは大きな魅力だ。つーか、激安&大画面なマルチメディアプレーヤーとしては唯一無二の存在かもしんない。部分的には少々難点があるものの、このテのハードウェアに興味がある人なら一度触れてみると愉快だと思われる。
2010/1/18 06:00