法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

スマートフォンの次なるステージが見えたIFA 2014

 9月3日~10日まで、ドイツ・ベルリンで開催された欧州最大の家電展示会『IFA 2014』。例年1月に米国ラスベガスで開催される「International CES」、2~3月にスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress」などと並び、モバイル業界にとっては注目度の高いイベントのひとつだ。直後にAppleのSpecial Eventが開催されたため、掲載が遅くなってしまったが、9月3日から本誌に掲載された速報記事などを振り返りながら、国内市場に関係の深い各社の発表内容と今後の方向性を考えてみよう。

成熟期から転換期へ向かうスマートフォン

 ここ数年、急速に進化を遂げながら、広く普及が進んだスマートフォン。国内市場においてもわずか数年で主役が入れ替わったが、ここ1年ほどに登場する各社の製品は、十分に完成度が高められ、スマートフォン向けのサービスなどが充実してきたこともあり、より多くのユーザーが利用する普及期に入ったと言われている。各携帯電話会社の施策やMVNO各社の方向性を見ていると、今後は「レイトマジョリティ」と呼ばれるようなライトなユーザーにいかにスマートフォンを使ってもらうかを考えているようだ。

 ただ、スマートフォンの完成度が高められてきた一方で、最近では今ひとつ新鮮味が感じられないといった見方も散見されるようになってきた。もともと、スマートフォンは本体前面にディスプレイを搭載したスレート状のデザインを採用する製品が多いため、外見で個性を打ち出しにくく、まったく興味のない人から見れば、どれも同じような端末に見てしまう傾向にある。プラットフォームもAndroidやiOS、Windows Phoneなどが存在し、昨年はTizenやFirefox OSといった新しいプラットフォームも話題になったが、多くのユーザーが利用するメールやブラウザ、SNS、カメラ、ゲームなど、ある程度、どのプラットフォームでも同じように使えるるため、なかなか差別化が難しいという指摘もある。こうした状況の中、今後、携帯電話事業者やメーカー、コンテンツプロバイダー、サービスプロバイダーなど、各社がとのような方向性を打ち出してくるのかは、注目されるところだ。

 そんな中、9月3日からドイツ・ベルリンで開催された欧州最大の家電展示会「IFA 2014」は、スマートフォンをはじめ、タブレット、ウェアラブル端末など、数多くの注目製品が発表され、出品された。IFAについては、これまでも何度も紹介してきているように、もともとは『大ドイツ放送展』という名称で1924年にスタートした展示会であり、オーディオ&ビジュアル製品が充実する一方、近年はデジタル製品に加え、掃除機や冷蔵庫といった白物家電も出品されるなど、非常にバリエーションに富んだ出展内容が注目される。ちなみに、今年は9月16日からドイツ・ケルンでカメラ関連の展示会「フォトキナ」が開催されることもあり、デジタルカメラ関連の新製品発表はそちらにシフトしたようだ。

 モバイル業界におけるIFAの位置付けは、近年、サムスンがGALAXY Noteシリーズ、ソニーモバイルのXperiaシリーズの新製品を発表し、ここで発表された製品が国内の秋冬商戦向けに投入されることが多く、イベントとしての重要度は高まっている。業界各社も毎年2~3月に開催されるMobile World Congressと対になるような形で、発表を計画しているようだ。同時に、こうした展示会はOEM/ODM製品の商談の場でもあるため、会期終盤に米国で発表される新iPhoneのアクセサリー類がいち早く展示されているのもちょっと珍しい光景と言えそうだ。

 今回のIFA 2014もサムスンやソニー、ファーウェイ、ASUSといった国内市場でもおなじみのメーカーがプレスカンファレンスを開催し、数多くの新製品が発表された。会場内でもスマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末が数多く出品され、来場者の注目を集めていた。個々の製品については、本誌の速報記事(※IFA2014レポートリンク集)をご覧いただくとして、ここでは国内市場に関わりの大きいメーカーと製品をピックアップして、それぞれの印象などを説明しよう。

Xperia Zの正常進化を続けるソニー

 ソニーは会期初日、プレスカンファレンスを開催。ソニーモバイルの新製品として、「Xperia Z3」「Xperia Z3 Compact」「Xperia Z3 Tablet Compact」「Xperia E3」が発表された。同時に、スマートフォンと連携するウェアラブル製品として、スマートウォッチの「SmartWatch 3」「SmartBand Talk」、昨年発表されて話題となったレンズタイルカメラのQXシリーズの新モデルなども合わせて発表された。

Xperia Z3

 今回発表されたXperia Z3は、これまでのXperia Zから続く「オムニバランスデザイン」を進化させたもので、基本的なデザインコンセプトはキープされている。ただ、細かい部分を見ると、側面を直線的な処理から緩やかにカーブした仕上げに変更するなど、手当たりの良さや持ちやすさを意識している点が注目される。また、ブラックとホワイトという定番色以外のボディカラーについては、Xperia Zから続いてきたパープルをやめ、カッパー、シルバーグリーンという新しい色が採用されている。ボディカラーの選択は端末そのもののイメージを大きく左右するため、なかなか難しいところがあるが、パープルに新鮮味がなくなりつつあった状況を鑑みると、ユーザーとしても歓迎できそうな印象だ。個人的にはやや地味だが、カッパーの色合いが非常に良く感じられた。ちなみに、定番色のホワイトについては、本体前面の額縁部分もホワイトになったことで、かなり印象が変わった。

 機能面ではカメラ、防水防塵仕様の強化などが挙げられる。特に、カメラについてはISO12800の超高感度撮影に対応するほか、25mmの広角撮影にも対応する。超高感度撮影については、評価が難しいところだが、やはり暗いところでの撮影や夜景の撮影などのニーズが高いことを意識したようだ。オーディオについてもXperia Z2から継承したデジタルノイズキャンセリング機能を搭載するほか、本体のみでのハイレゾオーディオ再生にも対応した。ハイレゾ対応についてはソニー全体として、積極的に取り込んでいる印象で、今後の展開が期待されるが、一般的なユーザーがどこまでハイレゾに対して興味を持てるか、そういったユーザーがハイレゾを楽しみやすい環境を構築できるかがカギを握っている。Xperiaならではの機能として、PS4のゲームなどを遠隔で楽しむことができるPS4リモートプレイがサポートされた。実際のプレイも遅延がなく、快適に遊べていたが、自宅などで家族が居間のテレビを占拠しているとき、子どもがXperiaで遊ぶというシチュエーションを想定しているようで、どこまで実際のユーザーの利用シーンにマッチするのかは、まだ未知数の部分が多い。

 Xperia Z3の仕様やデザインを基本的に継承しながら、コンパクトなボディにまとめたXperia Z3 Compactだ。昨年、国内向けにXperia Z1 fが販売されたが、基本的には同じような位置付けの商品になる。基本仕様はほぼ同じだが、ディスプレイが4.6インチのHD対応であることなどが異なる。ボディカラーは定番色のホワイトとのブラックのほかに、グリーンとオレンジが展開される。なかでもオレンジは今までのXperiaシリーズにはないカラーで、ユーザーの反応が注目される。

Xperia Z3 Compact

 Xperia Z3 Tablet Compactは8インチの液晶ディスプレイを搭載したタブレットだ。ソニー及びソニーモバイルではこれまで10インチクラスのXperia Tabletを市場に投入してきたが、ホームユースが中心の10インチクラスに対し、モバイル環境での利便性が高い7~8インチに期待する声も多く、ようやくそれに応えた形になる。7~8インチクラスはメーカーだけでなく、プラットフォームもAndroidやWindows、iOSなど、幅広い製品群が揃っており、今後、もっとも競争が激しくなる市場と言われている。ハイレゾオーディオ再生やPS4リモートプレイなど、今回のXperia Z3で搭載されている機能もそのまま継承しながら、薄さ6.4mmに重さ270gという軽量薄型ボディに仕上げられており、手に持った印象もかなり軽いと感じられた。国内向けは未定だが、欲を言えば、急速に市場を拡大しているMVNO向けに、SIMロックフリーモデルの販売を含めて、国内での登場に期待したいところだ。

Xperia Z3 Tablet Compact

 Xperia E3は上位モデルと同じデザインを継承しながら、スペックを抑えた普及価格帯のモデルに位置付けられる。国内の携帯電話事業者向けには供給されることはなさそうだが、普及価格帯のモデルのニーズが高いMVNO各社が採用する可能性もありそうだ。

Xperia E3

 ウェアラブル端末については、Android Wearを採用した「Smart Watch3」が発表された。これまでソニーでは「Smart Watch」を2機種、Coreモジュールを内蔵する「SmartBand」を販売してきたが、フィットネスの色合いが強い他のウェアラブル端末に対し、日常生活を記録する「ライフログ」をテーマに製品を展開してきた。今回も「Lifelog」アプリと連動することで、さまざまな情報をビジュアル化することを目指しているが、Smart Watch 3は汎用的なAndroid Wearを採用したことで、Xperiaシリーズ以外でも利用できるようになり、その位置付けが少し変わることになるかもしれない。ただ、平井一夫代表執行役兼CEOのインタビューでも触れられているように、製品としてはまだ「トライアル」の印象も強く、「好きな人が使う」という段階にある。Appleも「Apple Watch」を発表しており、今後、ソニーがどのようにウェアラブル端末に取り組んでいくのかが注目される。

Smart Watch3

 ところで、ソニーは国内市場でこそ、Xperia Zシリーズが好調な売れ行きを記録しているが、グローバル向けを含めた全体では十分な成果を上げることができておらず、IFA 2014終了後の9月17日は業績の下方修正が発表された(※関連記事)。しかもその要因のひとつとして、スマートフォンの不振が挙げられている。

 ソニーは平井一夫代表執行役兼CEOの就任以来、スマートフォンをソニーの製品ラインアップの中心に据え、商品戦略を展開してきた。その流れで今年はじめにはボリュームゾーン向けの普及価格帯のモデルも開発し、より幅広い層に販売しようと目論んだ。しかし、これがうまくいかず、結果的に業績の下方修正とラインアップの見直しにつながったわけだ。今回発表されたXperia E3はその名残とも言えるモデルだが、おそらく今後は今回発表されたXperia Z3などのフラッグシップ、コンパクト系、タブレットという3つの軸を中心に展開していくことになりそうだ。一部の新聞やニュースではスマートフォンが不振の原因のように騒がれているが、裏を返せば、「普及価格帯に展開したが、結果が出なかったので、半年で方針転換をした」ということであり、それだけスマートフォンの市場が激しく動いていることを表わし、いち早く対応したという見方もできる。いずれにせよ、今後、ソニーがスマートフォンやタブレットのラインアップをどのように展開し、ユーザーに訴求していくのかが注目される。

GALAXY Noteを新しいステージに進めたサムスン

 サムスンは会期初日、ソニーと前後する時間帯に「SAMSUNG UNPACKED EPISODE2」を開催し、GALAXY Noteの新モデル2機種、ウェアラブル端末2機種を発表した。

 今回のサムスンの発表で、まず最初に驚かされたのは、GALAXY Noteが2機種に展開されたことだろう。GALAXY Noteシリーズは2011年に発表された初代モデル「GALAXY Note」でSペンによる操作というスマートフォンの新しい形を提案し、2012年の「GALAXY Note II」、2013年の「GALAXY Note 3」と代を追うごとに進化を遂げてきた。特に、一度、GALAXY Noteを購入したユーザーのリピート率は高いと言われており、サムスンのフラッグシップである「GALAXY S」シリーズとは違ったユーザー層に着実に支持を拡大している。

GALAXY Note Edge

 そんな中、今回は従来路線を継承した「GALAXY Note 4」に加え、側面に曲面ディスプレイを搭載した「GALAXY Note Edge」を発表し、来場者の注目を集めた。冒頭でも触れたように、現在のスマートフォンはデザイン的にも仕様的にもどうしても似通ってしまう傾向があり、なかなか個性を打ち出しにくい状況にある。GALAXY Noteはもともと、Sペンでの操作という他機種にない個性を持ち、「アナログ」的な魅力も訴求していたが、そこに「Edge Screen」というまったく新機軸を持ち込み、今までのスマートフォンにはない新しい魅力を創り出そうとしている。

 両機種とも基本的な仕様はほぼ同じで、ディスプレイもメインの部分はQuad HD対応と最高クラスのものを搭載しており、他機種を一歩リードしている印象だ。Sペンによる操作やアプリなども改良されているが、なかでもSペンは圧力レベルが1024段階から2048段階へ向上させており、実際に操作したときの書き味もグッと良くなっている。注目のEdge Screenの部分については、折りたたみケータイなどのサブディスプレイのような位置付けで、SNSのメッセージや株価などの情報を表示できるほか、よく利用するアプリを登録しておくこともできる。片手で持ったとき、親指の付け根で触ってしまうのは当初、少し気にかかったが、もともと、5.6インチ+αというディスプレイを搭載したボディは片手よりも両手で使うことの方が多く、あまり気にならないという印象が残った。ちなみに、このEdge Screenを利用するためのSDK(ソフトウェア開発キット)も提供される予定で、携帯電話事業者やサードパーティのアプリが数多く登場することが期待される。

 さて、日本のユーザーとしては、どちらのモデルがどの携帯電話事業者から登場するのかが気になるところだが、今回のIFA 2014では日本市場に関する情報は何もアナウンスされなかった。しかし、IFA 2014終了後、国内では全国のGALAXY SHOPで9月18日からGALAXY Note Edgeを先行展示(※関連記事)しており、順当にいけば、GALAXY Note Edgeが登場する可能性は高そうだ。携帯電話事業者についてはまだわからないが、昨年、GALAXY Note 3がNTTドコモとauから販売されたことを考えれば、同じ組み合わせになるのかもしれない。MVNO向けやSIMロックフリーについては、サムスン自身が国内でオープンマーケット向けに製品を展開していないため、何とも言えないが、ユーザーからの要望は高そうだ。

Gear S

 一方、ウェアラブル端末については、TizenベースのWearable Platformを採用した「Gear S」、ヘッドマウント型の「Gear VR」が発表された。Gear Sについては本体にSIMカードを装着することができ、2G/3G/Wi-Fi/Bluetoothでの通信が可能になる。IP67対応の防水防塵機能も備えるが、GALAXY GearやGear2などに比べ、ケースが少し大きくなっており、女性など、腕の細い人が装着すると、バングル(腕輪)のように見えてしまうかもしれない。もうひとつのGear VRはGALAXY Note 4やGALAXY Note Edgeと組み合わせて利用するもので、頭に装着して、VRコンテンツを楽しむことができる。こうしたヘッドマウント型のデバイスは、これまでにも存在したが、スマートフォンを装着して楽しむというのは、端末メーカーの取り組みとして、なかなかユニークなものと言えるかもしれない。

Gear VR

『全部入り』でトップ2をうかがうファーウェイ

 ファーウェイは4日、プレスイベントを開催し、スマートフォンの新モデル「Ascend Mate7」「Ascend G7」の2機種、すでに発表済みの「Ascend P7」のバリエーションモデルを発表した。

Ascend Mate7

 ファーウェイについては、グローバル市場で3位のポジションにあり、国内でも携帯電話事業者向けに加え、MVNO向けやオープンマーケットにSIMロックフリー端末を投入するなど、従来よりも一段と積極的な姿勢を見せている。製品の完成度も着実に高められてきた一方、デザインも全体的に仕上がりが良くなり、かなり印象が変わってきたというのが本音だ。

 今回発表された新モデル2機種の内、フラッグシップに位置付けられるのは「Ascend Mate7」だ。6インチのフルHD液晶ディスプレイに、指紋センサーやオクタコアプロセッサを搭載し、Dual SIMカードスロットを備えるなど、いわゆる『全部入り』を目指したモデルだ。残念ながら日本国内での発売はアナウンスされていないが、FDD-LTE、TDD-LTE、W-CDMA、GSM、TD-SCDMA、CDMAに対応し、LTEの対応バンドもかなり広いうえ、デモ機は日本語も標準で表示することができたため、国内のMVNOなどに採用されたり、オープンマーケット向けに供給される可能性も十分に考えられる。ドイツ滞在中に実機を数日、試したところ、大画面ディスプレイは視認性も良く、指紋認証もワンタッチでロックが解除できるなど、非常に使いやすいハイスペックモデルという印象を得た。今後の展開が非常に楽しみなモデルのひとつだ。

Ascend G7

 もうひとつのAscend G7は現在、国内のオープンマーケット向けに販売されているAscend G6の後継モデルに位置付けられ、5.5インチのディスプレイを搭載しながら、7.6mmという薄さに仕上げられた美しいモデルだ。ディスプレイの解像度がHD対応ということもあり、同じIFA 2014で発表されたモデルで言えば、ソニーのXperia Z3 Compactなどと同じハイエンドコンパクトに分類されるが、自撮りやグループでの自撮りを強化したり、Ascend G6でも好評を得た「Beauty mode」を強化するなど、ユーザーが実際に利用するシーンを考慮した機能強化が図られている。

 また、バリエーションモデルとして追加された「Ascend P7 Sapphire edition」は、今年5月に発表されたモデルで、国内では9月から販売が開始されている「Ascend P7」をベースに、そのネーミング通り、前面にサファイアガラスを採用したモデルだ。サファイアガラスは高級腕時計の風防などに採用されるもので、キズが付きにくいという特長を持つ。スマートフォンにとって、ディスプレイは情報表示と操作の両方に使う重要なパーツであり、その部分を保護する意味から、これまでもCorningの「Gorilla Glass」や旭硝子の「Dragon Trail X」などの強化ガラスの採用をセールスポイントに掲げる製品も多かったが、ファーウェイとしてはサファイアガラスの採用で差別化を訴えてきた格好だ。コスト的にも標準装備にすることは難しいかもしれないが、新しい取り組みのひとつとして、注目される。

スマートフォンの転換期にどう展開するか

 今回のIFA 2014は諸般の事情により、取材期間が短く、十分に会場を回ることができなかったが、それでもさまざまな新しい動きを見ることができた。なかでもスマートフォンについては、GALAXY Note Edgeをはじめ、既存のスマートフォンのデザインを超えるような端末が発表されたり、Xperia Z3シリーズではPS4との連携やハイレゾ対応など、新しい取り組みが見られた。

 ウェアラブル端末についてはまだまだ未知数の部分も多いが、デザインでは従来の四角いデザインに加え、LG G Watch Rのような丸いデザインが登場したり、Gear Sのように回線契約もできるモデルが発表されるなど、幅広い模索が続いている。また、本誌ではあまり取り上げられていないが、LTE/3G対応のタブレットも数多く登場しており、今後、国内でもSIMロックフリーモデルが登場することになるかもしれない。

 国内市場については、スマートフォンが全契約数の半数近くまで拡がり、今後、業界としてはより幅広いユーザー層に訴求していかなければならない状況にある。MVNO向けのSIMロックフリーモデルの市場もにわかに活気づきつつある。9月19日のiPhone 6発売に続き、9月30日にはNTTドコモの冬春モデル発表会が催され、国内市場はいよいよ本格的に秋冬商戦に突入するが、おそらく、今回のIFA 2014で発表されたモデルも順次、市場に投入されることになりそうだ。ただ、ユーザー層が広がり、既存のユーザーの目も確実に肥えてきている状況にあり、各携帯電話事業者や各メーカーがきちんとユーザーに魅力を訴求できるか、しっかりとアピールできるかが重要なカギを握ることになりそうだ。