みんなのケータイ
arrows M02でおサイフケータイを使う
【arrows M02】
湯野康隆
(2016/3/25 06:00)
前回記した通り、「arrows M02」をMobile World Congressの相棒としたわけだが、海外出張用にしておくのはもったいない。
なにせ、おサイフケータイ(FeliCa)にも対応しているのだ。nanacoなど、一部のアプリは「お使いの端末はこのバージョンに対応していません」と表示されてダウンロードできないが、モバイルSuicaや楽天Edy、モバイルWAONなどには対応しており、SIMロックフリーの端末ではこれらのサービスが使えないと思い込んでいる貴方、時代は着実に進歩していますよ。
とりあえず筆者は楽天Edyにチャージしてコンビニコーヒーの支払いに利用。フィーチャーフォンの時代から分かりきったことではあるが、サイフを出さずに決済できるのは、やはり楽。現時点で非対応となっているサービスの今後の対応に期待したい。
もう一つ、arrows M02の面白いところと言えば、ドコモ網とau網に対応している点だ。正確には、それぞれのネットワークに対応したMVNO事業者が対応を表明している、という表現になるだろうか。ここが実にややこしい。
MVNOのSIMとの組み合わせで使う場合は、各MVNOが開示しているAPN設定を行えばいい。MVNOじゃないドコモ契約のSIMの場合はmoperaのAPNを設定してやればいい。しかし、MVNOじゃないau契約のSIMの場合、データ通信専用の「LTE NET for DATA」のAPN設定の情報は開示されているが、通常の音声契約のSIM用の設定情報は公式には開示されていないのだ。
で、auの音声SIMが全く使えないのかというと、そういうわけでもなく、関連しそうなキーワードでググると、設定情報が記載されたサイトがすぐに見つかる。そこに記載された情報は、auが保証するものではないので、具体的な設定方法を紹介することは控えるが、そんな使い方も不可能なわけではない。
ただ、この方法でau SIMでも通信できるようになるとはいえ、au IDの設定アプリをはじめ、au Marketで配信されているアプリ群が使用できないため、実用上、かなり不便な状況となる。EZwebメールについてはiPhone向けに用意された設定情報を適用することで送受信が可能になるという話もあるが、これまた非公式な使い方。音声定額や家族内通話無料など、音声系の割引によほどの魅力を感じない限り、この形で使う意義は薄い。
個人的な感想としては、WiMAX 2+(TD-LTE)への対応の有無もあり、自社が販売する端末以外はサポートできない、というauのスタンスも理解できなくはないが、非常にもったいない状況とも感じる。端末を割賦販売することでユーザーを囲い込むことはできないかもしれないが、こうした壁を残したままでは、iPhone以外、他社で販売された端末を持つユーザーを取り込むこともやりにくい。“SIMロックフリースマホ=MVNO向け”という縛りがあるというのも変な感じだし、auにはいろんなユーザーに対して「あたらしい自由。」を提供してもらいたい。サポートしますとは言わないまでも、もう少し緩くてもいいんじゃないかと思うのだ。