みんなのケータイ
非接触充電の環境を改めて整える
【Nexus 6】
太田亮三
(2016/2/4 06:00)
「Nexus 6」までは搭載されていて、「Nexus 5X」「Nexus 6P」になると省略されてしまった機能として、非接触充電機能がある。その理由をネット上で調べてみると、どうやらこれら最新機種では、USB Type-Cを採用し「端子の表裏の挿し間違い」が起こらなくなったため、薄型化に貢献する意味でも非接触充電機能を省いた、ということのようだ。
日本市場を振り返ってみても、「おくだけ充電」と命名してQi規格を推進していたドコモですら、2015年夏モデルの「Galaxy S6 edge SC-04G」「Galaxy S6 SC-05G」を最後に対応モデルが途絶えている状況だ。スマートフォンに搭載されるバッテリーの大容量化や急速充電へのニーズなど、スマートフォンの進化・変化の速度にQiという規格が追いついていない側面はあるだろうが、対応モデル(Nexus 6とNexus 7 2013)のユーザーである筆者は非常に便利に使っているので、対応スマートフォンが出てこない現在の状況は残念でならない。
もっとも、ウェアラブル製品やIoTなどの、スマートフォン以外にも視野を広げれば、まだまだ非接触充電機能が活躍する場面はあるだろう。実際にスマートウォッチなどは非接触充電を採用しているモデルも多い。とはいえ、ドコモとGoogle(のNexus)に切り捨てられた規格とあっては、少なくともスマートフォンでの利用を想定した充電台などは、新製品の開発・供給がどんどん先細っていくのではないだろうか……。
そんな失意とともに、買うなら早めに確保しておこうと、Amazon.co.jpで改めてQi(またはQi相当)に対応の充電台を検索してみたところ、妙に検索結果に出てくる製品が多くて驚いた。これは勝手な予想だが、中国市場のスマートフォンで一定の需要があり、そのおかげで日本市場に対しても充電台の新製品が投入されているのではないかと予想している。最もありがたかったのは、かつては本当に選択肢が少なかった、背もたれの部分が非接触充電のパッドになっている“スタンド型の充電台”の製品が増えていたことだ。
非接触充電の充電パッドは初期でも今でも、平台になっている製品が多い。しかし、卓上では、スマートフォンの通知をチラッと見たりそのまま操作したりするのに、スタンド型のほうが圧倒的に便利と感じている。
というわけで、少し前だが、オフィスのデスク向けに「RAVPower」のワイヤレスチャージャースタンドを約2600円程度で購入した。現在まで2カ月ほど、問題なく使用している。同じ型番のモデルはAmazon.co.jpでは取り扱いが終わってしまったようだが、同じコンセプトの後継モデルが販売されている。
筆者が購入したモデル(RP-WCN15)は、本体のストッパーや背面の脚を展開することで、スタンド型、平置き型のどちらにも対応できるのが特徴だ。背面の脚を収納し、スマートフォン本体を立てかけるためのストッパーを折りたためば、表裏ともフラットな平台になり、持ち運びにも適した形になる。スタンド型で利用する場合、より安定するようにラバーのマットも付属していた。
充電ステータスを表す本体のLEDランプが小さく、マットにセットすると見えなくなってしまうのはマイナスポイントだが、実際には、デスクにいる間、充電ステータスに関わらずスマートフォンを置きっぱなしにしているので、今のところシリアスな問題にはなっていない。
充電パッドの内部のコイルは3カ所に搭載されており、さまざまなスマートフォンに対応したり、横向きでも充電したりできる。Nexusシリーズをはじめ、海外メーカーの非接触充電対応のスマートフォンの多くは、おサイフケータイのようなマークが無いため、受電コイルがどこにあるのか外観から判断できない。そのため事前に調べて知っておく必要があるのだが、コイルが3カ所に搭載された充電パッドではそうした“位置合わせ”も不要になっている。ちなみに「Nexus 6」側の受電コイルの位置は、端末の下から64mmで、「nexus」ロゴの「u」の部分と案内されている。
USB端子の抜き挿しを1日2回行った場合、単純計算で、1年で730回の抜き挿しを行うことになる。端子にそうした回数に耐える耐久性があったとしても、1年に1回か2回は、斜めに挿そうとしてしまい無理な力を加えてしまったり、スマートフォンの端子にケーブルが刺さった状態でケーブルをひっかけたりするなど、端子の物理接触には一定のリスクがつきまとう。非接触充電に対応のスマートフォンを持っているなら、ぜひスタンド型で、その便利さ・気軽さを体験してほしいと思う。