みんなのケータイ

 5月下旬、筆者が住む関東圏では比較的大きな地震が2回ありました。そのうち1回は緊急地震速報が鳴りまして、結構焦りました。というのも、地震速報を受信した時にいた場所が高層ビルの22階。そこまでの高所で、あの例の警報音を聞いたのは生涯初だったのです。

isai FL用の外部アンテナ
外部アンテナをイヤホン端子に接続した状態

 その地震の実害と言えば、地震発生直後の数分間だけエレベーターが運行停止状態になってしまったことぐらい。一方で、「いる場所によっても地震との向き合い方がここまで変わるとは」と、反省することしきりでした。

 思い返せば2011年3月11日の夜。私は都内の帰宅困難者の1人でした。電話がまともに通じず、慣れない道をひたすら歩く中、たまたま持っていた携帯ラジオから聞こえるニュースがどれほど心強かったことか。それ以来、外出するときはほぼ必ずラジオ、ないしそれに類する放送受信環境を持ち歩くように努めています。

 ただ現実問題として、災害対策のためだけに単体ラジオを持ち歩くのは難しいでしょう。であるならば、やはり“ワンセグ”を活用するのが無難です。

 isai FLでワンセグを視聴するには、添付の外部アンテナケーブルをイヤホン端子に接続します。LG製に限らず、最近のワンセグ対応スマホは、ほぼすべて外部アンテナ式になっているようですね。

 前機種のisai(LGL22)とうって変わって、isai FLはフルセグにも対応しています。テレビ視聴用アプリにはワンセグ/フルセグを切り替えるためのボタンがあり、設定値は自動・フルセグ・ワンセグの3種類から選べます。

ワンセグ/フルセグの視聴画面。視聴中はスクリーンショット撮影できないので、普通のデジカメで撮影ました
アンテナをイヤホン端子に挿した状態でも、音声のスピーカー出力が可能

 WQHD(2560×1440ドット)のディスプレイにQVGA(320×240ドット)のワンセグを表示するのは画質面でかなり厳しいですが、それでも音声が聞けることの意義は大いにあると思います。テレビ放送の画面を見ずに音声だけ聞いても、意外と内容は伝わるものです。

 便利なことに、テレビ視聴用アプリを終了させなければ、画面をオフ(スリープ状態)にしても音声出力は継続されるようになっています。歩きながらイヤホンで音声を聞き、必要なときだけ画面を注視するという運用も十分可能でしょう。

 今回試してみたところ、電波が非常に良好な屋外などであれば、外部アンテナケーブルを接続しなくても辛うじてワンセグ視聴できました。少なくとも「アンテナがないとテレビ機能が絶対に立ち上がらない」という制限はかけられていませんので、諦める前にまず試してみてください。

 なお、緊急地震速報の受信もisai FLならバッチリ。他のau製Androidスマホ同様、「au災害対策」アプリがプリインストールされています。これまでに受信した緊急地震速報の確認や、災害伝言板などもこのアプリから行えます。

「au災害対策」アプリ。災害伝言板機能なども用意されている
これまでに受信した緊急地震速報のリストも

 外部アンテナ式のワンセグは、内蔵アンテナ式の端末に比べて視聴のハードルが若干高くなりました。ただ、よくよく考えてみるとアンテナケーブルはそれほど重いものではなく、かさばりません。モバイルバッテリーやイヤホンの収納袋に忍ばせておくと、グッと安心感が増すのではないでしょうか? 職場に予備を置いておくのもいいかもしれません。

 そうそう、6月4日にauが発表したAndroid 5.0バージョンアップ予定機種リストにisai FLが含まれていました! いやー、これでまた楽しみが1つ増えました。公開され次第、試してみる予定ですのでご期待ください。