みんなのケータイ

中国移動の4G LTEに接続されたE5735
開始されたばかりの4G LTEサービスは、街中やキャリアショップで積極的にアピールされていた

 中国で開始されたTD-LTE方式のLTEサービスを、現地で販売されているモバイルWi-Fiルーター「E5375」と、中国移動(China Mobile)の4G対応プリペイドSIMカードを購入して試してみました。

 2013年12月より商用サービスが開始された中国の4G LTEサービスは、日本や海外で主流となっているFDD-LTE方式とは異なる、TD-LTE方式によって提供されています。このため、中国でLTEを利用するためには、TD-LTEに対応するスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターを購入する必要があります。

 今回購入したTD-LTEに対応するモバイルWi-Fiルータ「E5375」は、中国の深セン市内にある「賽格廣場」(華強北路)の3Fにあるお店で購入できましたが、同ビルでの買い物は基本的に現地語でのコミュニケーションが必要になるため「みんなのケータイ」でもお馴染みの山根さんに通訳をしていただき、何とか購入することができました。

 購入したE5375は別の端末とセットで購入して割引してもらったため、E5375単体の正確な価格は不明ですが、およそ550人民元(約9000円)前後で購入可能と思われます。

 E5375を購入したお店では、中国移動の4G LTE対応のSIMカードも販売されていたので、合わせてSIMカードを購入しようと、価格やサービス内容の確認をしていたところ、最後の最後で「使えるのは来月になってから」(ちなみにこの日は月の中旬でした)という旨の説明をされたため、別の店を回ってSIMカードを探すことになりました。

 詳細な理由は不明ですが、正規ショップではないお店で4G LTE対応SIMカードを購入する場合、通信が可能となるタイミングにも注意した方が良さそうです。

ビル内で販売されているSIMカード

 ようやく見つけた4G対応のSIMカードは、パッケージが非常にシンプルな上に、明らかに手書きで「移動 4G」と書かれたもので、ちゃんと使えるのか少々不安を感じずにはいられませんでしたが、「4G LTEが使える」という店員さんの説明を信じて購入することに。

 SIMカードの購入価格は300人民元(約5000円)と、プリペイドSIMカードの価格としては高めですが、有効期限が利用開始から半年間と比較的長くなっているため、SIMカードの有効期限内に再度中国を訪れる場合に心強い通信手段となりそうです。

 SIMカードに記載されている説明を読むと、SIMカードの初期残高は900元、1カ月あたり100元が自動的に残高から引落され、毎月2GBまで通信が利用可能、最初の6カ月間は自動的に100元が残高に払い戻しされ、半年間経過後は毎月50元が自動的に払い戻しされる、と書かれています。

購入したSIMカード。手書きで「移動 4G」と書かれている。移動は「中国移動」の意味

 プリペイドSIMカードは残高追加を行うことができますが、少々不便なのは利用可能なデータ通信量の残高確認を行う方法が無いことです。中国では、2013年9月よりSIMカードの契約時に実名登録が必要となっているため、ここで購入したSIMカードは自分以外の第三者が利用者として登録されている可能性が高く、そのためオンラインなどで残高確認を行うことができませんでした。

 購入したSIMカードを、モバイルWi-Fiルーター「E5735」に挿して使うとAPN設定などは不要ですぐにインターネット接続が可能に。4G LTEエリア内であれば、自動的に4G LTEに接続されますが、建物内などは4G LTEエリア化されていないためか、電波弱くなることも。

スピードテスト結果

 深セン市内でスピードテストを行ってみたところ、下り通信速度が24.6Mbps、上り通信速度が3.7Mbpsと、実用上不満のない通信速度が得られました。

 中国のTD-LTE対応のモバイルWi-Fiルーターは、海外向けのモバイルWi-Fiルーターのレンタルを行う事業者で借りることもできますので、初期費用を抑えたい方や、より手軽に中国でのインターネット接続を利用したい方は、これらのサービスを利用するのも良いでしょう。

 なお、中国のインターネット回線からは、TwitterやFacebookなどの主要なSNSが利用できなくなっており、これらのサービスを利用するためにはVPNを通してインターネットにアクセスするなどの工夫が必要となる点には注意が必要です。