みんなのケータイ
Xperia Z1で遊ぶ「FINAL FANTASY IV THE AFTER YEARS」
【Xperia Z1 SO-01F】
石野純也
(2014/2/20 06:00)
「ゲームを制するものがスマートフォンを制する」というのはソフトバンクモバイルの孫正義社長の言葉だが、実際、App StoreやGoogle Playを見ると、iOSやAndroidはゲームプラットフォームなのかと思えるほど多彩なタイトルが配信されている。実際、自分も、暇つぶしにこれらをダウンロードして遊ぶことは多い。
年末からコツコツと進めてきたのが、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY IV THE AFTER YEARS -月の帰還-」だ。ご存知の方は多いかもしれないが、これはスーパーファミコン用ソフトとして爆発的な人気を誇った「FINAL FANTASY IV」の続編にあたる作品。FINAL FANTASYでおなじみのキャラクターに加え、その息子や娘なども登場するストーリーになっている。当初はドコモのiアプリとして開発されたもので、キャラクターごとのストーリーが順番に配信されるスタイルだった。
まだフィーチャーフォンがメイン端末だったころ、かなりハマっていたことを覚えている。ケータイ向けらしく短時間プレイでき、次の回が配信されるまではレアアイテムなどが手に入る「チャレンジダンジョン」で遊べたため、当時は空き時間にコツコツ進めていた。その後、このタイトルはWiiウェアで配信されたほか、PSPではパッケージソフトとしても販売されている。
これらとスマートフォン版の大きな違いは、キャラクターやマップを3Dで描き直してある点だ。グラフィックスの多くはスマートフォン版のFINAL FANTASY IVと共通のものだが、2Dのものと比べるとまったく別のゲームに見える。であれば、もう一度遊んでみたい。そう思って、発売直後にダウンロードした。
なかなか思うようにゲームをする時間が取れず、結局クリアしたのは2月に入ってから。結論を言うと、1800円の元は十分取れる面白さだった。最新のハードウェアに比べればグラフィックスは荒いものの、FINAL FANTASY IVらしい雰囲気は十分出ていた。ストーリーに、やや「オレの考えるFINAL FANTASY VIの続編感」があることは否めないが、それも含めてのFINAL FANTASYだと思っている。テンポよく進む部分と、難しくて何度かチャレンジしなければならない部分の両方があり、ゲームバランスもよかった。ハードウェア寄りの話をすると、Xperia Z1の5インチという画面サイズはゲームを遊ぶのにも悪くない。そこそこのサイズがあるため両手で持ちやすく、携帯ゲーム機のような迫力がある。
一方で、フィーチャーフォン版にあったチャレンジダンジョンが廃止されたのは、賛否両論あるようだ。ただ、個人的にはそこまでボリュームがあると、いまだにクリアできていなかったこともあり、バランスとしては悪くないと感じている。残念な点もあった。ネタバレになってしまうので詳しくは書かないが、ラストはもう少しフィーチャーフォン版を忠実に移植してほしかったというのが本音だ。
また、操作性にはもう少し改善の余地がある気がしている。物理キーのあるタイトルからの移植のため、ゲーム中は画面にキーパッドが表示される。この操作感が、少々微妙だ。慣れれば十分遊べるし、近い時期に配信が始まった「ドラゴンクエスト」よりは遊びやすかったが、どうしても物理的なキーパッドと比べると見劣りする。行きたいと思った場所に移動できないことも、しばしばあった。
筆者が使っているXperia Z1にはPlayStation 3用のコントローラーをつなげることができるが(ただし、対応タイトルは限られている)、こうした仕組みはもっと広がってほしい。ソニーモバイルは過去にゲームパッドを搭載した「Xperia Play」(当時はソニー・エリクソン)を発売しているが、「One Sony」を打ち出した今だからこそ、改めてスマートフォンのゲームに対する同社らしい取り組みを見せてほしいものだ。