みんなのケータイ

 カメラが携帯電話に搭載されてからもう随分時間が経つが、現在も機能の拡張や高性能化・小型化といった技術革新が続けられ、スマートフォン時代を迎えても端末の中心的な機能であり続けている。

 もっとも、カメラの性能だけを理由にスマートフォンなどの端末を選ぶ、というケースは少ない気がしている。なので、「スマートフォンを買い換えたが、今回のカメラはなんか今までと違って、綺麗に写らない」みたいな漠然とした感じで、不満があってもしぶしぶ使わざるを得ない、という経験が何度かあった。

 モードは基本的に「オート」で、設定も特に変更せずにパシャパシャとすぐにシャッターを押す――というのが、多くのユーザーの使い方ではないだろうか。オートですべての写真を綺麗に撮影したい、というのは、ある意味で最も厳しい要求なのだが、そこでメーカー側がユーザーの利用シーンをどれぐらい予想して作り込めるかで、評判は変わってくる。

 個人的な感覚で言えば、こうした「オート」の優秀さを判断する上で重視したいのは、まずホワイトバランスの判定で、次に測光モードの判定具合だろうか。詳述すると長くなるので割愛するが、特にホワイトバランスの判定や補正が優秀だと、例えば電球や蛍光灯といった色温度が偏った人工の光源の下でも、白い被写体を白く、綺麗に見せてくれる。料理の写真を撮ることが多い人には、美味しく見えるかどうかという意味でも重要な要素だろう。もちろん、ユーザーが訪れる場所の光源は千差万別なので、すべてを“美味しそうに見せてくれる”わけではなく、さらに言えば、補正が正しすぎても逆に美味しく見えない場合があるので、そのさじ加減は難しい部分だが、「GALAXY S4 SC-04E」は的はずれな補正をすることなく、優秀な印象だ。

一般的な昼白色の蛍光灯の明かりの下で撮影
自然光が差し込む窓際。パンが一番美味しそうに写った
レール用照明のスポットライト、ライトの光自体はオレンジ色がやや強めだった
電球色の蛍光灯。補正が難しいのか、緑がかった傾向に

 グローバル市場に大きなインパクトを与えている「GALAXY」シリーズだが、逆に、ユーザーからの反応や要望に対し敏感という意味でも、搭載される機能やその傾向は興味深い。

 シャッターボタンのすぐ脇という特等席に用意された「モード」ボタンを押せば、美肌モードや夜景モードなど、日本メーカーの端末ではすでにおなじみになっているような機能がまず目に入ってくる。“ケータイでカメラ”という使い方に慣れれば、次に考えることは洋の東西を問わないということだろうか。連続撮影機能を活用したさまざまな機能も特徴で、最適な一枚を選ぶ「ベストフォト」「ベストフェイス」といったモードは、なるべく失敗を減らすというアプローチだろう。

 「ドラマ」モードは、多重露出のように、動きのある被写体(1画面に1つだけ)連続写真を1枚の写真に合成するモード。多重露出(多重露光)という撮影方法はフィルムカメラの時代からのもので、広告などでは多重露出を再現した表現をたまに見かけるが、少し不思議な印象になることも多く、ややアート寄りと言えなくもない。ソフトウェアによる簡易的な合成とはいえ、スマートフォンで手軽に利用できるとなれば、いろいろと可能性を感じる人はいるかもしれない。