みんなのケータイ
両親のため、将来のために「シンプルスマホ」デビュー
【シンプルスマホ 204SH】
日沼諭史
(2013/6/14 06:00)
ソフトバンクの「シンプルスマホ 204SH」は、通常のスマートフォンとは一線を画した、わかりやすさに的を絞った端末だ。5インチだとか、クアッドコアだとか、Android 4.2だとか、フルセグだとか、高性能で機能盛りだくさんのスマートフォンには手を出しづらいけれど、わかりやすい画面で電話したい、メールやネットもしたいというユーザー層向けのものである。もっとシンプルに言えば、年配の方でも扱いやすい、というのが特長のスマートフォンだ。
筆者自身は30代半ばだし、まだまだ最新のフラッグシップ端末をバリバリ使いたいお年頃。今このタイミングでシンプルスマホに本格的に乗り換えることは考えていないけれども、自分の両親にスマートフォンを勧める時、もしくは自分が両親くらいの年齢になった時に、こういう端末って実際どうなのかなと、率直に興味が湧いたのである。
シンプルスマホを手にしてみると、5インチクラスの端末とは明らかに違う持ちやすさ。4インチディスプレイで一回り以上も小さいのだから当然とはいえ、筐体が最近多くの端末で採用されているラウンド形状になっていることもあり、すっと手に取ることができて、表面の塗装のせいか手触りも滑らか。本体下部に設けられたハードウェアキーも、大きいうえに適度な凹凸感があって押しやすい。
シンプルスマホが備えるハードウェアキーの機能は、ホーム、電話、メールの3つ。少なくとも、「電話アプリはどこへ行った!?」なんて画面内でショートカットアイコンを探すようなことにはならないだろう。ホーム画面の下部には常に4つのショートカットボタン「楽ともリンク」が用意されていて、よく連絡する人を登録しておけば、すばやくダイヤルしたり、メール作成を始めたりできる。なお、バックやメニューにあたるキーは画面内にその都度表示される仕組みだ。
ホーム画面は各アプリや機能へのショートカットボタンが並んでいて、通常のAndroidスマートフォンでいうところのアプリ一覧のような位置付けになっている。カメラやWebブラウザ-、地図といったよく使う機能は大きなボタンで表示され、画面を下方向へスクロールすると、カテゴリーごとに分類されたその他のアプリ・機能がやや小さめのボタンで表示される。
これらのアプリや機能を起動したい時、単純にボタンを押したい時などは、通常のスマートフォンとやや異なり、若干長押し気味にしなければならない。これによって、うっかり画面に触れてしまって思わぬ誤操作になるのを防げる。しかも、今どこをタッチしているのかは青い丸で示され、きちんと押された時は一瞬バイブレーションが働いて、操作したかどうかもはっきりわかる仕組みになっている。
シンプルスマホのもう一つの大きな特徴は、プリインストールされているアプリ以外はインストールできないこと。前述の通り、カメラやWebブラウザーといった必須とも言えるアプリはもちろん、ソーシャル系アプリや地図、アラーム、メモ帳などのツール系アプリ、ゲームアプリ、ワンセグやラジオを楽しめるアプリなどもあって、初めからプリインストールアプリが充実。バリバリ使うような端末ではないシンプルスマホでは、これで十分とも言える。
つまり、ソフトバンクとして安心・安全なアプリだけを用意しているということであり、余計なセキュリティリスクを負うことがない。また、見たくない、見せたくないコンテンツにはアクセスしにくい。そういう意味では、ある程度のペアレンタルコントロール機能が標準で備わっている端末と言うこともでき、年配の方だけでなく、子どもにも適した端末という見方もできるだろう。
筆者が年老いて最先端の端末が不要になると思われるのは、おそらくあと30年も40年も先の話。その時代になれば、携帯電話は今とは全く異なるデバイスになっている可能性が高い。ということで、両親だけでなく、数年後か十数年後かにスマートフォンを使い始めるであろう我が子に持たせるスマートフォンとしてどうなのか、という視点で使ってみるのが正しいのかもしれないと思い始めている。