みんなのケータイ

写真では両手を使っているが、卓上に置いて片手でタップすることも多い

 仕事の打ち合わせや飛行機などの長距離移動、一人飲みなど、まとまった時間を座って過ごすときは、iPhoneではなく、iPad miniを使うことが多くなった。WebやSNSのチェック、PDFやOfficeファイルの閲覧、電子書籍、ゲームなどは、座ったままの状態であれば、iPhoneよりもiPad miniの方が使いやすいからだ。手ぶら同然でもジャケットのポケットに入れて持ち出せて、狭い机の上でも邪魔にならず、手で持って使っても疲れにくい、そんな7インチタブレットのサイズ感は、筆者にとってジャストフィットなのである。

 とはいえ全体で見ると、iPad miniよりiPhoneを使うことの方が多い。短時間の移動中や立ったままでは、すぐに取り出せて片手で使えるiPhoneの方が便利だからだ。それぞれに向き不向きがあるので、場面に応じて使い分けするのがベストだろう。

 こうした使い分けをするならば、iPhoneとiPadシリーズの組み合わせは、同じ使い勝手で同じアプリやサービスを使えるので、非常に相性が良い。しかし、いくつか注意が必要なこともある。

iPhoneとiPad、それぞれの大きさに合わせてUIにしているアプリやWebページも多い

 まずアプリだが、iPhone/iPadの片方だけでしか提供されていないものや、微妙に機能が違うアプリとして提供されていることがある。たとえばGoogleマップの公式アプリは、なぜかiPhone版のみ提供されている。サードパーティ製のGoogleリーダークライアント「Reeder」は、iPhone版とiPad版が別々に販売されていて、それぞれ別のバージョンになっているため機能も微妙に違っている。そもそも画面の大きさが違うので、まったく同じアプリが提供されても困るのだが、iPhoneとiPadでまったく同じように使えるわけではなく、アプリによっては使い分けの上で支障を来たすこともある。

 また、同じアプリが使えても、データをローカルにしか保存しないようなアプリは、iPhoneとiPadの使い分けに向いていない。たとえば人気ゲームの「パズル&ドラゴンズ」は、セーブデータを端末内にしか保存せず、バックアップは可能でも同期はしないので、「外出先ではiPhone、自宅ではiPad mini」といったプレイスタイルには不向きだ。端末を使い分けるときは、ゲームならばサーバーにデータを保存するネットワークゲーム、電子書籍ならばしおりなどを同期できるサービスを選んだ方が良い。

 iPhone 5ではテザリング(インターネット共有)機能に対応しているが、これを使ってiPad miniを接続するときは、Wi-Fi経由ではなくBluetooth経由で使うのがおすすめだ。iPhoneのテザリングの仕様では、親機となるiPhone側でテザリングの設定画面を表示しているときしかWi-Fiのアクセスポイントが開かれないので、接続したいときには親機側での操作が必要になる。

Bluetoothのペアリング設定済みであればワンタップでテザリング接続できる

 しかし、Bluetooth経由の場合、ペアリング設定が済んでいて、iPhone側のテザリング設定がオンになっていれば、子機となるiPad側から操作をするだけで、テザリング接続を開始できる。Wi-Fiのアクセスポイントは開かれないので、周囲からアクセスポイントを見られたり接続されることもない。

 iPhoneは、Androidスマホのハイエンドモデルに比較すると、いささか画面が小さい。その分、幅も小さく、片手でも操作しやすいことがメリットになっているが、しかし座っていて両手が使えるときなどは、大きな画面の方が操作しやすい。どちらも一長一短なだけに、それぞれの欠点と利点を補うiPhoneとiPad miniの組み合わせは、けっこうイイ感じだ。