Android 4.0で写真の編集を堪能。ただし標準機能で

2012年1月30日 06:00
(太田亮三)

 Android 4.0では、標準搭載のカメラ機能が従来から大幅に進化している。カメラにこだわるメーカーの端末ともなれば、独自開発したものが搭載されるが、そうでない場合は、Androidの標準として付属するカメラ機能が採用されることになる。これまでは最低限の機能が搭載されるのみだったが、Android 4.0/GALAXY NEXUS SC-04Dに搭載されるカメラ機能は、今時の機能を一通り押さえた作りになっているのだ。また、撮影後にギャラリーから写真をさまざまに「編集」できるのも特徴だ。

 撮影時のファインダー画面はシンプルだが、露出補正、ホワイトバランス、フラッシュについて設定を変更可能。オート、スポーツ、夜景、夕焼け、パーティーという5つのシーンモードも用意されている。デジタルズームやインカメラへの切替もすぐに行え、サブメニューからの設定では位置情報記録の有無と、5メガピクセルなどサイズを変更できる。

 オートフォーカスに対応し、基本動作はオートフォーカスの動作を続けるコンテニュアスオートフォーカスだ。留意したいのは、常にオートフォーカスの動作を行っているものの、ピントが合ったことを知らせるランプや音、色の変化が無いという点。画面を凝視してオートフォーカスの動作が終わったことを判別するしかないのだ。一方、顔認識機能が搭載されているので、人の顔が入っている場合には、オートフォーカス動作に枠が表れ、ピント合わせの完了が分かる。また、ピントを合わせたい場所をタッチ操作で指定することもでき、その際はピントが合掌するとフォーカス枠が緑色になる。

 ちょっと意外なのはシャッターボタンの動作だ。もともと、シャッターボタンを押すとすぐにシャッターが切れる「ゼロシャッターラグ」機能が搭載されており、いわゆるレリーズタイムラグが短いことが特徴なのだが、前述のようなオートフォーカスの動作に関係なく、シャッターボタンを押すとすぐに撮影できてしまうのである。ピントの合いを犠牲にしてでも決定的瞬間を逃したくない、という画面には心強いのだが、実際の日常的な場面では、ピントが合う前にシャッターボタンを押してしまい、実はピンぼけの写真でした、ということが多い。今ではこうした失敗を防ぐため、可能な限りタッチフォーカスでピント合わせを行なってから撮影するようにしている。

 撮影機能ではこのほか、パノラマ撮影にも対応している。カメラを画面の指示に従って左から右に向けていくと、広い範囲を写したパノラマ写真が撮影できるというもの。今となっては珍しくない機能だが、Android標準のカメラ機能に搭載されたことで、より多くのユーザーが楽しめるようになるだろう。


タッチフォーカスなら、ピント合わせの完了したタイミングが分かりやすいパノラマ撮影にも対応

 

 撮影後の機能も強化されている。ファインダー画面では、直前に撮影した画像をカメラアプリ上でプレビュー表示でき、そこからインテント機能を用いて写真を各種のアプリに受け渡すことが可能だ。通常であればカメラを一旦終了させて「ギャラリー」アプリなどに移動するところだが、直前の写真についてはカメラアプリ上から共有などを行えるのである。

 そして、撮影した写真を閲覧する「ギャラリー」アプリでは、サブメニューから、左右への回転やトリミングに加えて「編集」を選べるようになっている。これまでなら別途ダウンロードするアプリで行うような編集機能が標準で搭載されているのだ。

 編集モードでは、明るさ・コントラストの調節や、LOMOや周辺減光、フィルムグレインといったFX(特殊効果)、暖色やモノクロなど色調の調整、さらには赤目処理や「明るい肌色」、傾き調整、シャープといった編集モードも備えている。これらの調整や効果は組み合わせることができ、気に入らなければアンドゥ・リドゥ機能で戻せる。保存時は「編集済み」という別フォルダに画像が保存されるので、元画像を上書きしてしまう心配もない。

 このように一通りの写真編集機能が揃っているので、ただ撮影しただけの写真を投稿するのは味気ないと感じた場合に重宝している。また、端末の壁紙に設定している画像を、気分に合わせてモノクロに編集してみたりと、標準搭載の機能でありながら地味に活躍しているのである。


ギャラリーで閲覧すると、「編集」を選べる編集できる種類は一通り揃っている印象編集効果は重ねることが可能。効果の強さも調整できる