大画面すぎるGALAXY S II LTE SC-03D

2012年1月18日 06:00
(村元正剛)

 昨年の暮れにGALAXY S II LTE SC-03Dを購入した。Xiはまだ対応エリアは狭いが、東京に住み、日常的な行動範囲も都内に限られる筆者は、その速度メリットを十分に享受できている。使い始めた当初、レギュラーで執筆している雑誌での調査も兼ねて、都内のあちこちで通信速度を計測してみたが、場所によっては下り10Mbpsを超える速度も記録。新宿、渋谷といった繁華街の混み合う時間帯でも7~8Mbps程度の速度を得られた。

 SC-03Dはタッチレスポンスが良く、アプリ起動や画面切り替えなどの速度にも不満はない。まだフルに使い倒しているわけではないが、バッテリーの持ち具合もまずまずの印象。世間の定評どおり、使い勝手のいい端末と感じている。

大画面の恩恵により視認性は高いが、片手持ちでは画面の端のほうはタッチしづらい
画面の下のほうにあるアイコンをタッチするには、持ち方を変える必要も生じる

 しかし、従来使っていたAQUOS PHONE SH-12Cや、今も使っているソフトバンクのiPhone 4Sに比べて、不便を感じていることもある。誤操作が生じやすいのだ。その原因は4.5インチの大画面。画面が広すぎるため、片手で操作する際に、目的のアイコンに指が届かず、誤って他のアイコンに触れて、違うアプリが立ち上がってしまったり……といったミスを度々起こしている。

 ちなみにiPhone 4Sの画面サイズは3.5インチ。片手で操作するときでも、画面の隅々にまで指が届き、メールの入力、ウェブページのスクロールといった操作も無理なく行える。4.2インチのSH-12Cでも、画面上部などは若干タッチしづらいものの、端末を持つ手の位置を少し変えるなどすれば、片手での操作は苦にならない。しかし、SC-03Dでは、例えば、画面上部をスワイプして通知パネルを表示させたい場合、端末の上のほうを支えるように持ち変えないと指が届かない。逆に画面下のアイコンやホームボタン・メニューボタンなどをタッチする場合も、持ち手を下のほうに移動させないと操作しづらい。薄型でツルツルした端末なので、手の位置を変えるときに端末が滑り落ちそうになったりもする。メールを作成する際も、画面右下の「変換」や「確定」のボタンに指が届きにくい。結果、片手での入力をあきらめ、左手で端末を支え、右手で入力している。そう、両手で操作する前提に立てば、操作性に何ら支障はない。

 ハイエンドのAndroidスマートフォンの画面サイズは、いまや4インチ以上が当たり前。画面が大きいほど視認性が高く、操作性にも利があるように捉えられがちだ。しかし、「大きければいいというわけでもない」というのが筆者の率直な感想だ。

 画面が大きくなると必然的に横幅も太くなる。SC-03Dの横幅は69mmもある。iPhone 4S(横幅は58.6mm)より11.4mmも太い。手の大きさや指の長さには個人差があるので、持ちやすい・操作しやすいサイズは人それぞれ異なるだろう。しかし、個人の見解としては、片手で操作することが多い人には横幅60mm前後が理想で、64~65mm程度が限界ではないか、というように感じている。画面サイズが4インチのGALAXY S SC-02Bは横幅64mmだった。ケータイとして使うには、あれくらいがちょうどよかったなぁ、と思ったり……。