Android 3.1、USBホストケーブルの入手につまずく

2011年7月8日 06:00
(太田亮三)

 無事にXOOMをAndroid 3.1にバージョンアップでき、前回書いたようなちょっとした不満が改善されているか、確認できるようになった。Flashの、輪郭の粗い表示は残念ながら解消されていないが、少しスムーズに動作するようになった印象だ。ブラウザは、設定の「ラボ」で選択できる「クイックコントロール」の機能や使い勝手が強化されており、タブを閉じたり選んだりする操作が容易に行えてさらに便利になった。Android 3.xのユーザーはぜひクイックコントロールを試してみてほしい。

 さて、ホーム画面の使い勝手の強化などもポイントだが、ソフトウェア面でパッと見の変化は少なく、地味な印象を受けた。とはいえ、標準搭載のアプリではファイルエクスプローラーの「ファイル」アプリが追加されているほか、「ギャラリー」も地味ながら更新されている。無線LANも5GHz帯(IEEE802.11a)の利用がサポートされた。3.5mmのステレオミニプラグを抜くとかならず「音楽」アプリがバックグラウンドで起動するバグも解消されている。

 XOOMにおけるAndroid 3.1では、ハードウェア面でも変更がある。microSDカードスロットが有効化されたのは「やっと」と言うべきものだが、外部メモリを利用できるようになったのは素直に歓迎したい。前述の「ファイル」アプリは、起動すると「内部ストレージ」「SDカード」の2つをまず選択でき、コピーや移動などを行える。

 「USBホスト」機能が加わったのも注目すべきポイントだろう。これは、XOOMのmicroUSB端子に、キーボードやマウスなど広く使われているUSB機器を接続すれば、利用できるというもの。USBのキーボードは多くのユーザーが簡単に用意できるので、キーボード入力を試すにしても、本気で利用するにしても嬉しい機能追加だ。

 少し驚くのはマウス。接続するとAndroidの画面上にマウスのポインタが現れ、操作できる。Android 3.xではご存知の通り、戻る、ホームといったボタンも物理キーではなく画面の中に存在している。マウス操作ではこれらもクリックできるので、ほぼすべての操作がマウスで行えるのだ。もっとも、マウスの活躍するシーンはいまいち思い浮かばないが、プレゼンのマシンとしてXOOMを使う時は便利な場面があるかもしれない。

ブラウザでは「クイックコントロール」の機能や使い勝手が強化されたマウスをつなぐとマウスカーソルが表れる

 

 さて、これらUSBホスト機能を利用するには、変換アダプターなどで端子の形状を変換するだけではダメで、USB延長ケーブルとは内部の結線が微妙に異なる「USBホストケーブル」が必要になる。筆者はAndroid 3.1にバージョンアップするやいなや、家電量販店に足を運んで早速購入したのだが、端子の形状が異なり、使えなかった。「USBホストケーブル」自体がレアな種類のケーブルだが、店頭で見つけたエレコムのケーブルは、microUSB端子の形状が長方形のAタイプだった。XOOMのUSBポートは、多くのスマートフォンと同様、台形を平たくしたようなBタイプである。さらに、大型家電量販店の広大なスマートフォン関連商品売場だったのだが、調べてもらったところ、microUSB端子がBタイプの製品は取り扱っていなかった。これは都内の大手家電量販店ではどこも同じだった。

 そこでAmazon.co.jpで探したところ、microUSB端子がBタイプのUSBホストケーブルを見つけ、ようやく買えることになった。届いたケーブルは「変換名人」ブランドの製品で、今のところ問題なく利用できている。microUSBのAタイプとBタイプは一見すると同じに見えるほど似ているので、XOOM用に購入する際はしっかりと確認したい。

USBホストケーブル。左はmicroUSB端子側がAタイプ、右はBタイプ。パッと見で判断が難しいが、左のAタイプはXOOMでは使えないXOOMは台形のBタイプ(左)
USBホストケーブルを接続したところ。キーボードと組み合わせる場合、ケーブルを挿した状態で使えるスタンドなどを見つけないと少し不便だ