「データ消去」という意外な落とし穴

2008年9月24日 11:00
(白根雅彦)

 iPhone 3Gの初期不良交換のため、最高気温33.8度の東京砂漠(の渋谷と表参道)を在庫を求めさまよい歩きたどりついたソフトバンク渋谷で待っていたのは、「データ消去」という意外な問題だった。iPhoneのデータ消去方法がわからなかったのだ。

 ケータイの初期不良交換や修理対応の場合、古い端末のデータは消さなくてはいけないキマリになっている。わたしとしても、勝手にシンクロされたマル秘ブックマークは、ナニがナンデモ消していただきたいところだ。

 日本のケータイはこのデータ消去操作を「メモリクリア」や「オールリセット」などとして標準搭載している。しかしiPhoneの場合、それをどうやって行うか、ショップスタッフにすらわからなかったのだ。さらにソフトバンク渋谷へiPhoneの初期不良交換に来たのはわたしが初めてだったようで、過去のノウハウもまったくなかったし、どうやらiPhoneの場合、事前にショップスタッフへの十分なインストラクションも行われなかったようだった。

 対応してくれたショップスタッフは、ほかのスタッフに聞いたり電話をかけたりしてデータ消去方法を探ったが、なかなか正式なデータ消去方法はわからなかった。仕方なく、iPhoneの設定メニューにある「リセット」の「すべてのコンテンツと設定を消去」を試すことにした。この操作、「2時間かかる」というアラートが表示されるが、楽曲や動画をほとんど入れていないiPhoneならばすぐに済むのでは、と期待したのだ。

 しかしその期待も空しく、10分以上が経過しても画面上の作業進行バーはまったく伸びる気配を見せなかった。このまま2時間も店頭で待つのはゴメンこうむりたかったので、iPhoneを強制再起動させたところ、今度は起動しなくなった。当然の結果ではあるが、困ったことになった。これでは正規のデータ消去方法がわかっても、データが消えたか確認できないのだ。

 結局どうしたかというと、そのままにして新しいiPhoneに交換してもらうことにした。古いiPhoneはショップに預け、データ消去が確認できたら連絡する、と言われたが、翌日「起動させる方法がわからなかったので、このままメーカーに送る」との旨の電話をもらうことになった。なにかの間違いでデータが復旧し、わたしのマル秘ブックマークごと再出荷されないことを祈るばかりである。