みんなのケータイ

Apple Watch&Apple Payで天国と地獄を体験する

 先日、福島県いわき市にある温泉&プール施設、スパリゾートハワイアンズに遊びに行ってきました。ホテルの宿泊客は東京から無料送迎バスが利用できて大変便利なのですが、行ってみてさらに便利だと感じたのが、施設内のすべてのレジでSuica、iD、QUICPay、楽天Edyなどの電子マネーが使えること。おサイフケータイが使えるスマホやケータイ、またはApple Payが使えるiPhone 7/7Plusがあれば、飲食店やギフトショップはもちろん、ウォータースライダーのチケット購入やプールサイドの売店も、キャッシュレスで利用できます。プールではよく、濡れないように防水ケースにお金を入れて持ち歩いたりしますが、ここでは防水対応かつ電子マネーの使えるスマホがあれば、その必要なし! というわけです。

 ただ、いくら防水とはいえ、スマホを持ってそのままプールに入るわけにはいきませんし、機種によっては故障してしまうリスクもあります。たとえば、iPhone 7/7Plusの防水性能は「一定の水圧で30分の水没に耐えられる」というもので、プールにじゃぶじゃぶ浸けていいわけではありません。その点、50メートルの耐水性能を備えるなど、プールでも安心して身につけることができそうなのが「Apple Watch Series 2」です。

身につけたApple Watch Series 2をレジのリーダーにかざして、iDやQUICPayはサイドボタンを2度押し。Suicaの場合はかざすだけで決済ができます。なおスパリゾートハワイアンズでは、ウォータースライダーでの腕時計着用は禁止されています

 ご存じのようにApple Watch Series 2では、iPhone 7/7Plusと同様にApple Payが利用でき、WalletにSuicaのほか、iDまたはQUICPayが使える対応クレジットカードを登録できます。しかもここがポイントなのですが、これらは近くにiPhoneがない場合や、iPhoneの電源が入っていない状態でも利用可能。つまりApple Watch単独で、決済ができるのです。今回、プールサイドで実際に利用してみたのですが、現金もスマホも持たずに支払いができるのは本当に身軽で便利。お金を防水ケースに入れて身につけたり、離れた場所にあるロッカーに財布を取りに行ったりしなくても、水着&腕時計だけで飲み物や食べ物が買えるなんて、まるで天国のようでした。

 さて、そんなスパリゾートハワイアンズから帰宅した翌朝のこと。いつものように駅の改札にApple Watch Series 2をかざしたのですが、Suicaが「ピッ」と反応してくれません。理由はパスコードロックでした。

 Apple Watchは腕から離すと自動的にロックがかかり、パスコードを入力しないとApple Payが利用できないしくみになっています。朝、身につけたばかりだと当然ロックがかかっているのですが、急いでいるとついそれを忘れて、たびたび改札で引っかかってしまうのです。しかもパスコードを入力するために画面に表示されるテンキーは小さく、焦っていると押し間違えたりして、余計にイライラさせられます。特にこの朝は、前日に「Apple Watch&Apple Payって超便利!」と感動したこととのギャップもあって、イライラが倍増。それが、このあとさらなる悲劇を招くことになります。「よし、パスコードを解除してやろう」と、何も考えずにiPhoneのWatchアプリを起動して、マイウォッチ→パスコードを開き、「パスコードをオフにする」をタップしてしまったのです。

 このとき「パスコードロックをオフにすると、Apple Payで使用したカードがApple Watchから削除されます。」というメッセージが表示されていたのですが、私の目はその警告を完全にスルーしてしまいました。結果、警告通り、登録していたクレジットカード情報や、2000円以上チャージされていたSuicaの情報が、Apple Watchからきれいさっぱり消えてしまったのです。

 iPhoneのSuicaアプリからも情報が消えていて、一瞬パニックになりましたが、冷静になって再度Watchアプリを起動し、マイウォッチ→WalletとApple Pay→「カードを追加」をタップ。手順に従って進み、追加するカードの種類にSuicaを選んだところ、ちゃんとデータがバックアップされていて、再度登録することができました。クレジットカードもすべて再登録して事なきを得たのですが、いやはやデータが消えたときには本当に焦りました。一瞬でしたが、まさに地獄を見た気分。どんなに面倒くさくても、Apple Payを安心して利用するにはパスコードロックが必須だと、しっかり肝に銘じたいと思います。

パスコードロックをオフにしようとすると、このような確認画面が表示されます。オフにするとApple Watchからカード情報が削除される旨、しっかりと書かれていました
2255円がチャージされたSuicaのデータはちゃんと残っていて、無事Apple Watchに再登録できました。このほか消えてしまったクレジットカードもすべて再登録できました