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arrows SV F-03Hで注目すべき新しい機能とは?

【arrows SV F-03H】

arrows SV F-03Hが発売に

 7月6日に発売された「arrows SV F-03H」は、比較的低廉な価格でありながら、必要十分な機能と性能をもつ富士通のarrowsシリーズ最新機種だ。いわゆるミドルクラスの端末ということで、いろいろ削ってコストダウンしてるんじゃないの? と思われがちだが、その実、米軍の物資調達基準であるMIL規格の14項目(防水、防じん、耐衝撃、耐振動、高温・低温動作など)に準拠しているし、ディスプレイガラスにはCorning Gorilla Glass 3を、側面の金属フレームにはハードアルマイトをそれぞれ採用しているなど、徹頭徹尾、安心して使える端末に仕上がっている。

 最新のAndroid端末にすることのメリットは、このように、かつてフラッグシップ端末にしかなかった性能の高い素材によるハードウェア面でのメリットを、より入手しやすい安価な端末でも享受できるようになることと、何よりソフトウェア面、つまり新しいOSを最初から使えることにあると思う。arrows SVが搭載しているのはAndroid 6.0で、現時点で一般向けとしてリリースされているAndroid OSの中では最新のものだ。

 OSが新しくなると、当然新しい機能も増える。これは、OS自体の機能もそうだし、端末として世代が新しくなったことによるarrows自体の進化もあるだろう。以前のAndroid 5.0系から変わったところは多々あるが、今回は、そのうち端末の使い勝手に直接影響しそうなポイントに絞って紹介してみたい。

 1つは、カメラの起動や操作が簡単になったこと。Android 6.0の機能として、端末の電源ボタンを2回素早く連打すると、すぐにカメラが起動する仕組みが追加された。スリープ状態でも、もしくはホーム画面や他のアプリの操作中でも、電源キーを2回押すだけで即座にカメラ機能を使えるようになる。従来は、最も手数の少ない方法でも、ロック画面を表示し、カメラアイコンをスライドさせるという2ステップが必要になっていたが、今回の新機能でさらに操作が短縮された。これでシャッターチャンスをさらに逃しにくくなったと言えるだろう。

まずは機能がオンになっていることを端末設定の「便利機能」で確認
電源ボタンをダブルクリックするとカメラがすぐに起動する
プレビュー画面の隅に、アウトカメラとインカメラを切り替えるボタンが新設された

 また、ここ数年のモデルでは、できるだけ“簡単”にきれいに撮れるようにする、という基本方針もあり、カメラのプレビュー画面には必要最小限のボタンしか表示してこなかったが、arrows SVではアウトカメラとインカメラをワンタッチで切り替えられるボタンが追加されている。地味な変化ではあるけれど、自撮りを頻繁にする人にとってはありがたい機能のはず。個人的にはカメラのプレビュー上で動画撮影と写真撮影を一発で切り替えられる仕組みが欲しいなあと思っていたりするのだが、そのあたりは今後に期待したいところ。

 もう1つの新しい機能は、マルチユーザー機能によるユーザー切り替えがついに可能になったこと。タブレット端末ではかなり以前から実現していたけれど、スマートフォンのような電話機能をもつ端末について、マルチユーザー機能は実装されていなかった。すでにAndroid 5.0の時代からスマートフォンの一部端末でマルチユーザー機能が有効になっていたようだが、arrows SVでもいよいよ利用できるようになる。

新たに利用可能になったマルチユーザー機能

 Androidのマルチユーザー機能では、ユーザーアカウントとゲストアカウントの2種類が用意されている。例えば家族のように信頼できる人と端末を共有したい時に、別のユーザーアカウントを追加する使い方が想定される。

 ユーザーアカウントを切り替えると、ホーム画面の設定やアプリ一覧、(一部を除き)各アプリの設定などがそのユーザー固有のものになる。家族といえど、アプリやコンテンツなどから推測できるプライベートな趣味嗜好を知られたくないような時に利用できるわけだ。

 ただし、他のユーザーがインストールしたアプリは、アプリ一覧で見えなくなっているだけ。そのアプリのインストール操作をした時にダウンロード処理は行われず、すぐに利用可能になるから、なんとなく他のユーザーがどんなアプリを使っているのか分かってしまう点にだけ注意しておこう。

こちらは自分用の通常のユーザーアカウントのホーム画面
ユーザーを切り替えると、そのユーザー専用のホーム画面に
ゲストアカウントでは、切り替え時に続きを再開するか、リセットするかを選択する

 一方、ゲストアカウントは、一時的に(家族ほど親しくない)他の人に端末を使わせるような時に利用する。ユーザーアカウントでは、そのユーザーがカスタマイズした内容などはアカウントが削除されるまで全て保持されるが、ゲストアカウントでは、アカウントを切り替えたタイミングで前回までの続きから操作を再開するか、リセットして新しいゲストとして始めるかを選択することになる。

 その他に知っておきたい点としては、Dozeモードと呼ばれるアプリごとのバッテリー使用の最適化機能を備えたこと。通常はデフォルトで最適化がオンとなっていて、ユーザーが意識することなくバッテリーのもちを最大化しながら使うことできる。ただ、もし最適化機能によってアプリが思ったように動作しないようなら、手動でアプリ個別にオフにすることもできる。

「電池の最適化」という名称になっているDozeモードは、「電池の使用量」のサブメニューからアクセスできる

 新しい端末、新しいOSに変わることで、できることが増えれば、その分覚えなければいけないことももちろん増える。しかし、今回のarrows SVは、大画面フラッグシップとは違ったスリムなサイズと、側面のメタル素材のマットな触感もあり、手で持っている時のなじみ具合はこれまでにないほどで、新しい機能を学び、使いこなしていく過程をより楽しくしてくれるように感じている。