みんなのケータイ
海外でも日本の電話番号を通知できる「ハングアウトダイヤル - 通話」
2016年7月8日 06:00
前々回、「海外からLINE Outを使うと海外からも電話安くかけられるよ」と紹介したのですが、あれから「もっと安い海外からの通話方法を調べていました。いくつかあったのですが、これはなかなか良さそうと思えたのがGoogleハングアウトを使って通話する「ハングアウトダイヤル-通話」というアプリです。
LINE Outは「コールクレジット」料金プランでの日本の携帯電話への通話料金は1分14円でしたが、「ハングアウトダイヤル-通話」はさらに安く1分あたり米ドルで9セントで日本にかけられます。請求が米ドルですので為替レートやクレジットカードの手数料によってそのときの請求額も微妙に違うのですが、1ドル約104円程度(2016年6月現在)とすると1分当たり9.4円程度ということになります。よほど円安に振れないかぎりLINE Outより安くあがりますね。
そして、料金が安いこともさることながら、この「ハングアウトダイヤル-通話」にはもう一つLINE Outにはないメリットがあります。それは、自分の電話番号が相手に通知されることです。
「ハングアウトダイヤル-通話」で電話をかけると、相手には、かけたユーザーがGoogleアカウントの確認に使った電話番号が通知されます。それも、どの通信回線を使っているかに関わらず、確認に使ったGoogleアカウントの電話番号が使われるのです。つまり、海外から現地の事業者のSIMを使ったり、Wi-Fiを使って通信しているときでも、あたかも、いつもの日本の電話回線を使っているように自分の電話番号が相手に通知されるのです。
具体的には、スマートフォンで「ハングアウトダイヤル-通話」を初めて使うときに、Googleアカウントの設定で確認された電話番号が表示され、これを使ってよいか確認を求められます。ここで[次へ]をタップするとSMSでその番号に確認コードが送られて来て、これ以降は「ハングアウトダイヤル-通話」を使って電話をかければ、相手にはGoogleに登録した自分のスマートフォンの電話番号が通知されるようになります。つまり、このSMSを受ける操作さえ国内でやるか、海外にいるときでもローミングモードでスマートフォンが受信できれば、あとは海外事業者SIMを使ってもWi-Fiを使ってもSMSを受信したときの電話番号が相手に通知されるようになるのです。
今回、たまたま香港に行く用事があったので、何度かハングアウトを使って家族を中心に何件か電話をかけてみましたが、回線自体は香港のCSLという事業者の回線からでも、空港内の無料Wi-Fi経由でも、ハングアウト電話をかけると、いつも使っている番号「080-xxxx-xxxx」が相手に通知されました(ただし、どうも100%相手に通知される、というわけではないらしく、家内が使っているドコモ回線にかけたときだけは「非通知」になってしまっていました。単純に相手がドコモだとダメなのか、あるいは他に組み合わせの条件などがあるのかはわかりませんでしたが)。
なお、通話品質はLINE Outよりは若干上ではないかと思われます。ただし、IP電話だからなのか、あるいは国内での通話に比べてデータが伝わる距離が遠いからなのか理由はわかりませんが、国内の普通の通話に比べると少々音声に遅延を感じます。海外からだと言うと「ああ、それで……」と納得される程度のクオリティです。
それと、電話のかけ方ですが、ハングアウトは、LINE Outと違い、デフォルトでは日本宛でなく今いる国の相手に電話をかけてしまうので、海外から日本にかける場合、一般的な国際電話と同じように、電話番号の先頭に「+81」とつけて「090」の「0」を省いてダイヤルするという操作が必要になります。最初、このダイヤル方法に気付かずに現地の方に間違い電話をしてしまいました。電話を受けた、多分寝てた香港のおじさん、ごめんなさい。
これが少し面倒で、使い勝手の点では若干劣るなとは思うものの、このGoogleハングアウトは、Androidユーザーならほぼ誰でも持っているGoogleアカウントが使え、料金はGoogleウォレットに登録しているクレジットカードで払えますし、最低チャージ額も10米ドル単位と低額で、使用するためのハードルが割と低く、誰でも使いやすいのではないかと思います。
夏休みのシーズン、海外旅行に行く方も多いと思いますので、一度試しに使ってみることをお勧めします。そうそう、前回の記事で書かせていただいたように「スマート留守電」と組み合わせて使うと本当に便利ですよ!