みんなのケータイ

とっても気になるNokiaブランドのスマートフォンの復活

 今まで噂が何度も出てきたNokiaの携帯電話事業への再参入。5Gの実用化を目前に、ネットワークベンダーとなったNokiaの事業は好調だ。一方、スマートフォン業界はあのAppleすら好調な動きに陰りが見えはじめるなど競争が激しくなっている。そのため筆者はNokiaが携帯電話事業に再度参入するとは到底思えなかったのだ。しかし、5月19日に関係各社から電撃的な発表があり、ブランドのライセンス供与という形で再びNokia端末が市場に投入されることになった。

 Nokiaファンである筆者としても今回の動きは大歓迎だ。再びNokiaの端末を購入できるようになるとは夢にも思っていなかっただけに、今からどんな製品が出てくるのだろうかと期待してしまう。とはいえ、Nokiaらしくない製品が出てくる可能性もあるだけに、最初の製品を見るまでは安心はできそうにない。

Nokia N1にはNokiaらしさは感じられず、筆者は未購入

 例えば2014年11月、Nokiaは自社製UIを搭載したAndroidタブレット「Nokia N1」を発売した。このN1は背面にNokiaのロゴが入ってはいるものの、パッと見は他社のタブレットと変わらぬデザインであり、Nokiaらしさをあまり感じることができなかった。そのためこのN1は、Nokia端末を数多くコレクションしている筆者も未購入のままだ。

 すでにメーカーの淘汰も始まろうとしているAndroidスマートフォン市場に、どうやってNokiaが差別化を図るかも気になるところだ。Nokiaのブランドだけで製品が売れる時代はもう終わっているだろう。過去には独自のUIを搭載したAndroidスマートフォン「Nokia Xシリーズ」を投入したこともあったが、UIの出来以前に端末スペックが低いことから市場での反応はさっぱりだった。Nokia XシリーズはWindows PhoneとのUIの統一性を持たせた端末だったが、UIの設計思想は悪くはない。ハイスペック端末にそのUIを搭載したら、意外と使いやすいものになるのかもしれない。

ヒットはしなかったが悪くは無かったNokia Xシリーズ。これの再登場も面白い

 一方でNokiaの名前を付けただけの製品が出てくる可能性も十分ある。今回の買収に絡んでいるFoxconnの子会社、FIH Mobileは現在「InFocus」のブランドでスマートフォンを販売している。しかし、同ブランドでのスマートフォン販売は台湾以外では成功していないのが実情だ。InFocusは元々はアメリカのプロジェクターなどを手掛ける会社であり、FHIは自社スマートフォンの国際展開を狙ってそのブランドでスマートフォンを販売している。そのため、現在発売されているInFocusのスマートフォンのロゴをNokiaに置き替えた製品を出すことも考えられる。しかし、今のInFocusの製品にはこれといった特徴が無く、Nokiaのブランドを付けても売れるとは思えない。

 Nokiaブランドのスマートフォン・携帯電話の投入は、FIHすなわちFoxconnのスマートフォン事業の国際戦略の切り札であるため、名前を付けただけの製品でお茶を濁すとは考えにくい。InFocusブランドではなかなかアピールしにくかった、ハイエンド系端末を投入する可能性も期待できる。また、Foxconnグループは台湾の通信キャリアを買収して傘下に収めた。台湾では2GのGSM方式の停波が予定されている。今回の一連の動きではMicrosoftの携帯電話部門を買収することになっており、Nokiaブランドのフィーチャーフォンの製造もFoxconn傘下に移ることになる。そうなれば台湾向けに3G対応のフィーチャーフォンが販売され、それが日本でも簡単ケータイとしてSIMフリーで売られることになる、などといった、個人的な希望を含んだ妄想も膨らんでしまう。

いにしえの日本向けNokia端末をつい先日、元日本のNokia関係者から見せていただいた。日本向け製品もいつかまた復活してほしい

 スマートフォン市場ではWindows 10 Mobileの動向が気になる筆者だが、古くからのNokiaマニアとして今後のNokiaブランド端末の展開も大いに気になるところ。もちろん最初の製品が発売されればすぐに買うだろう。どのような製品が出てくるか心待ちにしたい。