DATAで見るケータイ業界
5つの要素を想定したNokiaのIoTプラットフォーム「IMPACT」
2016年9月9日 10:36
Nokiaが2016年8月25日に、IoT事業に関する記者説明会として、Nokiaが描くIoT時代の在り方や日本市場における今後の展開について、説明を行った。その模様を取り上げる特集の2回目となる今回は、同社のIoTプラットフォーム「IMPACT」について取り上げたい。
NokiaのIoTプラットフォーム、IMPACTとは?
NokiaのIoTプラットフォーム「IMPACT(Intelligent Management Platform for All Connected Things)」の説明を行ったのは、テクノロジー統括部長の柳橋達也氏だ。
同氏はまず、現在のM2MやIoTを実現する仕組みと課題について、単一のデバイスのみがつながる垂直指向(業種ごと)のサービスモデルをあげ、コストがかかる上、水平方向(異業種)でのデータの受け流しが困難だという。また、デバイスをネットワークに接続することにのみ主眼を置いている点に対し、データ自体に付加価値を与えることで解決を図るとした。
これからのM2M/IoTを実現する仕組みについて、Nokiaは、(1)単一データを複数アプリケーションで活用する横断的サービス、(2)データ解析と解析結果に基づくフィードバックによるサービスを提案する。横断的サービスはデータの共有化を図ることが重要とし、フィードバックによるサービスでは、IoTプラットフォーム側でアナリティクスやディープラーニング機能を付加する。
その結果、IoTプラットフォームの仕組みが必要となり、NokiaはIMPACTを提供する。IMPACTには、5つの要素を想定し、(1)接続管理(CMP、通信サービスやSIMの管理)、(2)デバイス管理、(3)データ収集及び処理、(4)アプリイネーブルメント(アプリの開発・実行環境)、(5)セキュリティをあげている。
5つの要素を共通的に提供することで多種多様なデバイスをつなぎ、業種や用途の異なるアプリを、その上で稼働させるとのこと。なお、他社はCMPとアプリイネーブルメントがIoTプラットフォームと定義することが多いという。なお、IMPACTの価格体系に関しては、Nokiaも検討を重ねており、デバイス数に応じたライセンスといった課金体系などが検討されているそうだ。