スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

静止画・動画で取材メモ、次期システム模索中

何かと便利な「静止画+動画」での取材メモ

 仕事柄、取材に出かけることがあるわけですが、そのときに持参する道具は、いつもはメモ帳とカメラくらいです。筆者の場合、多くのケースで、ある程度下調べをしたり資料が得られたりして、その上での取材が多いので、話を伺いつつ新たに得た情報をメモるとか掲載するための静止画を撮るという感じ。

 事前に情報があまり得られない場合や、話を長く伺う場合などは、メモ帳やカメラに加えて、会話を録るためのICレコーダーを持参……していました。でもここ数年はビデオカメラを使うように。会話だけ録るより、会話+身振り手振りを動画で撮ってしまったほうが、後で「誰がどういう雰囲気で何を言っているのか」がハッキリわかるから。動画のほうが、記事化するときの資料性が高いというわけです。また、フルHD動画なら、動画からの静止画キャプチャーでも「Web媒体の記事に添える写真」としてフツーに使えたりもします。

ビデオカメラをICレコーダー代わりに使い始めた頃は、こんなスタイル。ソニーのハンディカムにワイドコンバージョンレンズを装着して使ったので、やや大げさな機材に。取材先の方に少し怪訝な顔をされることもありました。
キヤノンから発売された、自撮り向け汎用ビデオカメラ「iVIS mini」。手のひらサイズでコンパクトなので、ICレコーダー的に使う取材用ビデオカメラとしてピッタリでした。早速使い始めました。現在は生産終了ですが、このカメラのレビュー記事はコチラです。
こんな感じで「iVIS mini」をミニ三脚にセットして取材。とても便利に使えました。かなり小型なので、取材時に先方が違和感を感じることも少なかったようでした。
こちらは「iVIS mini」の後継機種「iVIS mini X」。レビュー記事はコチラにありますが、これも生産終了品です。「iVIS mini」よりも「さらに取材用として使いやすくなった」ので、コレを使用開始。現在も使っています。

 てな感じで、キヤノンの「iVIS mini X」を取材用に愛用中です。ただ、状況によっては「iVIS mini X」を机上に置いて会話を録画するようなことができないことがあります。たとえば歩き回りつつの取材。展示会などで急いで各ブースを回りつつ話を伺う必要がある取材とか、歩きながら施設について説明を受ける取材とかです。そんな場合、メモ帳はほぼ使わず、静止画撮影用のミラーレスカメラと「iVIS mini X」のようなビデオカメラを合体させて使っています。

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」に「iVIS mini X」を装着。これで移動しつつの取材をすることがあります。この合体カメラを手に持って動画を撮り続け、必要に応じて静止画を撮影しています。

 ナニそれ? って感じでしょうか。でもナニカと好都合なんです、このシステム。取材中は「iVIS mini X」で動画を撮りっぱなしにし、つまり全ての会話やその様子を動画&音声メモとして残せます。「この様子は静止画で掲載しよう」と思ったら、「OM-D E-M1 Mark II」で静止画を撮影。どうしても紙へメモする必要があれば、合体カメラをいったん首から下げ、ポケットからメモ帳を出して書き込むわけですが、その必要が出た経験はほぼありません。

 余談ですが、「ミラーレスカメラで静止画も動画も撮れば?」と思われるかもしれません。それでもいいと思うんですが、静止画を撮影中に重要な会話が一瞬なされたりしたらちょっと困りますので、動画はやっぱり撮りっぱなしにしておきたいな~、と。そんなわけで、動画と静止画の撮影は別のカメラで行っています。4Kとか8Kのビデオカメラが主流になってきたら、あるいはスチルカメラ無しでビデオカメラだけで取材する日が来るかもしれません。

 さておき、この合体カメラシステム、便利なんですけど、すこ~し問題が。と言うのは、「iVIS mini」も「iVIS mini X」も既に生産終了品だということ。取材前に急に壊れたら? 修理不能になったら? それを考えるとチト不安。そんなわけで、わりといつも「ミラーレスカメラの上にセットできる取材向け動画カメラ」を探していたりします。

オリンパスonオリンパスはどうか?

 取材に使うミラーレスカメラの上に乗せるビデオカメラ、「iVIS mini X」のような使い勝手にあまりこだわらず、単なるコンパクトデジカメでいいのかも? とか思ったことがありました。今時のコンデジはみんな動画撮れますしネ。そこで手持ちのコンパクトデジカメをミラーレス機の上にセットしてみました。

 具体的には、オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」の上に、オリンパス「STYLUS TG-4 Tough」(公式ページ)やオリンパス「STYLUS TG-860 Tough」(公式ページ)をセット。オリンパスonオリンパスです!

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」とオリンパス「STYLUS TG-4 Tough」を合体させた様子。案外フツーにマッチしました。
こちらはオリンパス「STYLUS TG-860 Tough」と合体させた様子。「STYLUS TG-860 Tough」は液晶面を上に向けることもできますので、撮影中に画面をチェックしやすく、より実用的です。

 このオリンパスonオリンパス、銘柄っていうかメーカーを揃えるとソレっぽくなるとか、オリンパスのなかの人が見るとちょっと喜ぶとか、そういうのも2%くらいありますけど、より現実的な意味合いも。それは、これらのカメラ、フルHD動画撮影ができることや、USB充電しながらでも撮影できることです。

 よりイイ感じなのが「STYLUS TG-860 Tough」のほう。本体横側からUSB給電できたりバッテリー交換できたりするので、より手軽に運用できる感じ。

 なんですが、残念ながら両機種とも最長録画時間に制限があり、29分など一定時間が経過すると録画が自動停止するようです。デジカメにアリガチな制限ですが、取材中に録画が止まり、それに気付かないとなるとアレですので、オリンパスonオリンパスは見送るっていうか、やっぱり動画撮影は動画のためにつくられたカメラが好都合ですネ。

ソニーのアクションカムは?

 ミラーレス一眼の上部(ホットシュー)にビデオカメラを載せるので、なるべく小型で軽量なほうが好都合。そこで、アクションカメラとも組み合わせてみました。条件としては小型軽量に加えて、液晶モニター付きであること。メモ用動画ではありますが、どこが写っているのか一応チェックしたいので、ライブビューも見たいです。

 手持ちのアクションカメラ何機種かで試しましたが、かなりイイ感じだったのがソニーのアクションカム「FDR-X3000R」(公式ページ)。「FDR-X3000」にリモコンを加えたキットモデルで、腕に装着できる無線式のリモコン上でカメラのライブビューを確認できます。で、コレ、ミラーレスカメラへの装着感がイイ感じなんです。

ソニーのアクションカム「FDR-X3000R」をオリンパス「OM-D E-M1 Mark II」上にセットした様子。「FDR-X3000R」は本体下部にもハウジング下部にも三脚ネジ穴がありますので、どちらの状態でも(ホットシューアダプターなどを経由して)カメラに装着できます。

 こんな感じで、「FDR-X3000R」は小型軽量ということもあり、クリップオンストロボ装着時よりも違和感がありません。「FDR-X3000R」は電池交換も容易で、USB給電しながら使えたりするあたりも好都合です。

 あと「FDR-X3000/X3000R」は「空間光学ブレ補正」を搭載していて、非常に強力に手ブレを補正してくれます。メモ動画としてテキトーに撮りっぱなしでも、けっこーシッカリと安定した動画が得られるのも好印象です。

 もうひとつ、ソニーのアクションカム「HDR-AS100VR」(公式ページ)も試してみました。「HDR-AS100V」にリモコンを加えたキットモデルです。このカメラのオプションとして、ハンディカムのように液晶モニターを開閉できるようにする「グリップスタイルLCDユニット AKA-LU1」(公式ページ)というのがあるんです。コレと組み合わせてミラーレスカメラと合体。

ソニー「HDR-AS100VR」+「グリップスタイルLCDユニット AKA-LU1」をミラーレスカメラの上にセット。超小型ハンディカムとスチルカメラが合体したスタイルというイメージです。無線式リモコンなしでライブビュー表示を見られます。見た目より軽いので重量バランスも悪くありません。

 おっなかなかイイぞ、この組合せ! とは思うんですけど、「HDR-AS100VR」は生産完了ですし、「グリップスタイルLCDユニット AKA-LU1」も僅かに市場に存在する程度。故障などを考えると、やはりこういう入手性がイマイチな機材は仕事には投入しにくいんでした。

 ところで、現在気になって調べているのが、ZOOMのHandy Video Recorderシリーズ(公式ページ)。高音質で音楽演奏などの動画を撮るというビデオカメラシリーズですが、そのうち「Q2n」(公式ページ)というモデルが取材時のメモ動画撮りにマッチしそうだな~、と。オプションACアダプターの存在から推測するに、USB給電で動作しそうですし、モバイルバッテリーを電源にできたりするかも?

ZOOMのHandy Video Recorder「Q2n」。音楽演奏を高音質で録画するというビデオカメラシリーズで、オプション類も豊富。ホットシューアダプターなんかもあるようです。実勢価格は2万円前後。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 てな感じで、次期取材用カメラの、ビデオカメラ部分を模索中。わりとずーっと逡巡している感じで、結局はとりあえず問題なく使えている「iVIS mini X」を継続使用しておりますが、やっぱりそろそろ新たなシステムに移行しないとな~、みたいな。イイ感じの次期合体カメラが見つかりましたら、またどこかでご報告します~。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。