ケータイ用語の基礎知識

第625回:ホームアプリ とは

 iPhoneになく、Androidには備わっている機能の1つが「ホームアプリ」です。

 今回紹介する「ホームアプリ」とは、スマートフォンのホーム画面(待受画面)をカスタマイズできるアプリケーションのことです。ランチャーアプリと呼ばることもあります。ホーム画面とは、スマートフォンを起動した際やロックを解除した後、最初に出てくる画面のことです。多くの場合、時計やアプリのショートカットアイコンが並んでいます。Androidスマートフォンでは、ホーム画面の背景となる画像だけではなく、使い勝手や視覚的な効果まで変えられるのです。

ホームアプリを使ったホーム画面の例。ADW.Launcherを使用し、シンプルな使い勝手を実現している。

 Android搭載のスマートフォン向けには、有料・無料を問わず、多くのホームアプリがGooglePlayなどで配布されています。サードパーティ製のホームアプリとしては「GOランチャーEX」や「ADW.Launcher」などがもっともよく知られているホームアプリでしょう。

 「GOランチャーEX」は、背景やデザインなどを変更できるテーマが充実していて、ホーム画面のカスタマイズを手軽に楽しめるホームアプリとして知られています。また、「ADW.Launcher」は、自由度の高さで知られていて、やはりこのホームアプリ用のテーマが数多くリリースされています。

 Android用のサードパーティ製ホームアプリは本当に数多くあって、Google Playなどを見ているとどれを使うか迷ってしまうほどです。デザインのよさ、利便性、体感スピードの向上といった特色がそれぞれのホームアプリにはあります。

 キャリアや携帯電話のメーカーが、ホームアプリを提供している場合もあります。たとえばNTTドコモのAndroidスマートフォンの場合、「PaletteUI」や「シンプルUI」といったホームアプリが搭載されています。

 「Palette UI」は、2011年夏以降に登場したドコモのAndroidスマートフォンに搭載されています。Androidらしい使い勝手に加えて、アプリ一覧では『使った』アプリ」「ドコモサービス」「エンタメ/便利ツール」などアプリが分類されています。

シンプルUI

 また、シンプルUIは、ドコモオリジナルのホームアプリです。2013年夏モデルの「MEDIAS X N-06E」「ELUGA P P-06E」2機種に、初期設定のホームアプリとして搭載されています。PaletteUIよりもさらに簡単に、従来のiモード携帯電話に近づけたホーム画面になっており、シニア層向けの「らくらくスマートフォン」と、一般的なスマートフォンの中間を狙ったホームアプリであると言っていいでしょう。

 ほかにもメーカー製独自のホームアプリとして、シャープの「3ラインホーム」、NECカシオの「LIFE UX」、HTCの「HTC Sence」、サムスンの「TouchWiz」などが提供されています。

ホームアプリの特徴とは

 ホームアプリの特徴として、「これ以上『戻る』ボタンを押しても移動しない」「ホーム画面の壁紙画像やアイコンなどを変更できる」といった点が挙げられます。

 アプリによっては、たとえばデスクトップスクリーンを数多く利用できる、あるいは3D風の切り替えなど操作時の視覚効果を追加する、といった機能を提供します。

 ホームアプリを起動すると多くの場合、共通した画面があります。画面一番上の電池残量や時計が表示されている「ステータスバー」、一番下で電話やメニューボタンが表示されている部分「ドック」、それに画面の真ん中は「デスクトップ」と呼ばれます。デスクトップには、ウィジェットを配置することができるのが普通です。ウィジェットとは、デスクトップ上でひと目で情報を得られるような表示をする小さなアプリのことです。天気や時計、ニュース、バッテリー残量を表示するウィジェットがよく利用されます。

 ホーム画面には全てのアプリを一覧表示するメニューもあります。これは「ドロワー」と呼ばれます。ドロワーを呼び出して、アプリのアイコンを長押ししていると、デスクトップが表示されます。この状態で指を画面から離すとデスクトップにアプリのショートカットアイコンを置けます。こうした操作は、どのホームアプリでも共通しています。操作の流れは共通化されつつ、見栄えや操作の感覚を手軽にカスタマイズできるのがホームアプリの魅力なのです。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)