第521回:Myスマート保険 とは
■携帯でいつでも契約
今回紹介する「Myスマート保険」「Myスマート保険once」は、5月に開業したau損害保険会社が提供する保険商品です。auの携帯電話ユーザーが利用でき、「Myスマート保険」はスタンダードな月払いの障害保険、「Myスマート保険once」は短期間での契約が可能な国内旅行傷害保険です。
保険の引受会社は、KDDIとあいおいニッセイ同和損害保険との共同出資により2010年2月に設立されたau損害保険株式会社となっています。
これらの保険の特徴は、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)やスマートフォンで、いつでもどこでも簡単に申し込みができること、契約後の契約内容照会や手続き、保険金が支払われるような事故の連絡や対応も携帯電話のメールで行えることが挙げられます。携帯電話での申し込みの場合、名前や住所など、入力操作の手間も省けます。従来は、書面で申し込み、煩雑だった契約が携帯電話を活用することで、手軽に行えます。これらの手続きを全て携帯電話で行うと「ケータイ割引」として保険料は5%割引が適用されます。
また保険料は、auの毎月の利用料とともに支払えることも特徴となっています。
■保険内容
スタンダードな障害保険となる「Myスマート保険」では、ライフスタイルに応じて、
- レジャープラン
- ランナーズプラン
- スポーツプラン
- ゴルフプラン
と4つの保険プランが用意されています。それぞれのプランで「いちおし」「いちおしプラス」「プチおしコース」と、補償内容および保険金額が異なるグレードが用意されています。
たとえばレジャープランに加入していた場合、レジャー中に怪我をして病院に行って治療費を支払うと、その額に応じて保険会社が補償金を加入者に支払います。このとき加入していたプランが「いちおし」だった場合、通院費の補償額は最大500円になりますが、「いちおしプラス」の場合は倍額の最大1000円になります。ちなみに、加入したプランが「プチおし」では、通院補償がありません。
「いちおし」と「いちおしプラス」は、補償内容にも違いがあります。たとえば、通院ではなく、入院になった場合の補償額を見ると、どちらのプランも1日あたりの入院補償額は1日最大3000円ですが、「いちおしプラス」は入院一時金として2万円が支払われます。補償内容が異なる、ということは、それぞれの保険料も異なります。割引適用後の価格を見ると、「いちおし」は月額490円、「いちおしプラス」が月額970円、より手軽な「プチおし」は月額290円~です。
先述した4つのプランのうち、「レジャープラン」はその名の通り、旅行や山登り、サーフィン、スキーなど屋外での行楽・娯楽での怪我、他人への弁償、持ち物の盗難補償などをカバーします。「ランナーズプラン」は、マラソンやランニング中のケガをカバーしますし、人にぶつかって怪我をさせてしまった時に備え、最大1000万円まで補償します。「スポーツプラン」は、テニスなどのスポーツ中の怪我に加え、スポーツで用いる道具の破損、盗難なども補償してくれます。最後の「ゴルフプラン」は、ゴルフセットや持ち物などの盗難や破損、打った球が何かを壊した場合の修理代などの補償などのほか、“ホールインワン”の祝賀会費用などもサポートします。
開業記念として8月31日まで「自転車プラン」というユニークな保険も用意されています。自転車に乗って、人を怪我をさせてしまった場合、あるいは自分自身が怪我した場合を補償します。他人を怪我させたときの補償は最大1000万円と手厚いもので、保険料(ケータイ割引適用後)で月額100円です。
こうしたプランに加えて、旅行に出かける際の保険「おでかけプラン」もあります。旅行中の怪我による通院・入院が対象で、持ち物の盗難や破損、他人への弁償などもサポートされ、1回286円で利用できます。
■他社にも類似サービス
今回紹介した「Myスマート保険」は、auユーザーに向けたサービスですが、NTTドコモでは「ドコモワンタイム保険」が、ソフトバンクモバイルでは「ソフトバンクかんたん保険」が存在します。
たとえば「ドコモワンタイム保険」は、携帯電話から申し込める保険サービスで、「スポーツ・レジャー保険」「ゴルファー保険」「国内旅行保険」「海外旅行保険」などがあります。また「ソフトバンクかんたん保険」もほぼ同じ内容の保険があります。どちらも携帯電話の料金と一緒に保険代を支払えます。
auのサービスとの違いを見ると、ドコモとソフトバンクモバイルは、基本的に1回限りの保険だけです。またドコモ、ソフトバンクモバイルは保険会社と提携したサービスで、引受保険会社を見ると、「ドコモワンタイム保険」は東京海上日動火災保険、「ソフトバンクかんたん保険」は損保ジャパンです。一方、au向けのサービスは、KDDIとあいおいニッセイ同和損害保険が共同出資で設立したau損害保険(au損保)という会社が提供します。
いずれの保険サービスも、従来の保険と異なり、携帯電話の特性を活かした“リアルタイム性”が大きな特徴です。
たとえば、auの場合、「ガクブルペンギン」というAndroidアプリを提供しています。これは、ペンギンの形をしたキャラクターを通じて保険の必要性を親しみやすくユーザーに伝えるアプリで、交通事故がこれまで多く発生している交差点やゴルフ場、空港などに近づいたユーザーにペンギンが保険商品を案内する「ガクブルマップ」機能などがついています。保険に入らないとしても、事故の発生しやすい交差点を知ることができます。
一方、ドコモでは、オートGPS機能を利用して、携帯電話端末の居場所に応じたお勧めの保険をメールで案内します。たとえば、利用者がゴルフ場にいる場合「ゴルフ保険はいかがですか?」と勧めるわけです。
ユーザーの状況にあわせて保険を提供し、さらに契約もスピーディに行えるという点は、携帯電話ならではと言えるサービスでしょう。
2011/6/29 06:00