第447回:位置ナビ とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「位置ナビ」は、ソフトバンクモバイルの3G携帯電話向けサービスです。携帯電話やPCから携帯電話の現在地を調べられます。探し出した位置は地図を使って確認できます。

携帯電話の位置ナビメニュー画面。ここで相手の位置検索を行ったり、自分の携帯電話を他の電話からの検索対象に設定したりできる

 検索対象にできる機種は、コドモバイルなどを初めとしたGPSを内蔵したS!GPSナビ対応携帯電話で、2009年12月現在、941SHや940SH、940SC、930Nといった機種を探せるようになっています。検索対象にするには、携帯電話の位置ナビメニューで、探す側の電話番号をあらかじめ登録しておきます。

 また、相手を検索する側の携帯電話は、XシリーズやiPhoneを除く3G端末が利用できます。これらの機種のユーザーであれば、ソフトバンクユーザー向けサービス「MySoftbank」に登録していると、インターネットに接続したパソコンから相手の場所を確認することもできます。

 「位置ナビ」では、知らない人から位置検索されることはありません。相手の携帯電話の現在地を知るには、検索される携帯電話が「あなたは検索してもいい」と必ず許可をしておく必要があります。許可を与えるには暗証番号が必要となるので、設定できるのは携帯電話の契約者本人のみです。

探したいときだけでなく、定期的に見守りも可能な位置探索

 「位置ナビ」は、携帯電話に内蔵されたGPS機能を利用したものです。主に、携帯電話を子供や高齢者に持たせておき、「子供は今どこにいるか」を調べたりする用途が想定されています。1台の携帯電話を複数の携帯電話からの検索対象にすることも可能です。お父さんやお母さん、祖父母の携帯電話から子供の携帯電話を探せるということです。

 自分自身の携帯電話番号を登録することができます。ですので、家族だけの機能というわけではなく、携帯電話を紛失して見あたらない場合に、携帯電話がどこにあるのか探す、というような用途にも使えます。

 さて、位置ナビで携帯電話の位置を検索するのは、検索側が好きなときに検索できます。また、決まった曜日の同じ時間にだけ検索したり、ある時間帯だけ定期的に調べたりすることもできます。たとえば、月曜日~金曜日の14時から20時までは、30分ごとに位置を知る、というような利用も可能なのです。

携帯電話が今どこにいるか調べることができる「位置ナビ」。定期的、たとえば30分ごとにどこにいるのかを記録する、というような使い方も可能だ。

 位置ナビの利用料は月額210円で、検索1回につき5.25円かかります。これは検索する側にかかる料金で、探される方に課金されることはありません。ただし検索される側もGPS位置情報を知らせるためのパケット通信料がかかります。ちなみに、このサービスの利用には、月額315円の「S!ベーシックパック」の契約が必要です。

 携帯電話の位置を検索したときには、必ず相手(検索対象)の携帯電話へメッセージが送付されます。つまり、検索された側もいつ自分の位置を検索されたかは必ずわかるようになっています。「こっそり相手が知らないうちに居場所を調べる」というような使い方はできません。後で画面をみれば、自分の居場所を調べたな、というのはわかるのです。

検索される携帯電話にも「測位要求」メッセージが届く。スケジュールで検索設定すると、測位要求の記録が定期的に携帯電話に残ることに

 検索される携帯電話では、自分の現在位置を知らせるのを「要求時選択」するか「自動許可」するか、設定できます。「要求時選択」とは、メッセージが届いた時に、検索してきた人へ居場所を教えるかどうか決めるというものです。一方、「自動許可」はメッセージが届くと自動的に位置を知らせます。子供に携帯電話を持たせておき、居場所を確認するという場合や、携帯電話紛失時に探すといった使い方をする場合は、「自動許可」が必須と言えるでしょう。

 検索結果は、携帯電話か、パソコン向けサービス「MySoftbank」内から確認できます。携帯電話では、地図で確認できるほか、位置をメモとして記録したり、メールで送付したり、ナビ機能でルート案内を起動して現地へ赴くといった使い方ができます。探すだけではなく、その他の機能と連携できるのは、「位置ナビ」のメリットでしょう。

 「MySoftbank」でも検索のほか、検索結果を履歴として確認することもできます。定期的に位置確認をしている場合は、履歴をみることで、相手の携帯電話がどこにいたのかを知ることもできます。なお、検索された携帯電話が「位置を教えない」としたり、他のユーザーが同時に検索していたり、検索される側の携帯電話の電源がオフになっていたりすると、履歴上は「検索失敗」として残ります。

 同様のサービスは、他キャリアでも提供されています。NTTドコモでは「イマドコかんたんサーチ」、auでは「安心ナビ」という名称です。ただ、料金面や細かな機能で違いがあります。

 



(大和 哲)

2009/12/15 12:39