スマートフォンに欠かせない機能であるカメラ。スマートフォンで撮影した写真をSNSに公開するのが当たり前の時代だ。そもそも初めて携帯電話にカメラ機能を搭載したのは、どこのメーカーかご存じだと思うが、それはシャープだ。2000年にシャープがカメラ付き携帯電話を発売した途端に大人気を博し、あっという間に普及。現在のスマートフォンに至っている。
あれから22年以上が経ち、カメラ機能も大きく性能がアップ。カメラ機能の進化が、そのスマートフォンが持つ魅力の大きなウェイトを占めるようになった。シャープからは、2022年7月にフラッグシップモデルの「AQUOS R7」が登場。高性能で注目のスマートフォンではあるが、実はもうひとつ、カメラ好きにも見逃せない機種が秋に姿を現した、それがミドルレンジの「AQUOS sense7」だ。AQUOS sense7には、ソフトバンクのみで扱う「AQUOS sense7 plus」もラインナップするが、今回はAQUOS sense7を使用した。
シンプルなデザインのAQUOS sense7。メインカメラ用レンズがAQUOS R7と同じくセンターに配置されている。高級感のある外観だ
AQUOS sense7を手にすると
撮影への期待が高まる
本体はアルミのユニボディで、シンプルだが金属の質感が高い。高級感のある仕上がりだ。また、メインカメラ用のレンズがAQUOS sense6の左上から、AQUOS sense7は上部の中央に配置された。これはフラッグシップモデルのAQUOS R7と同じレイアウトだ。しかもレンズ部分は大きくて存在感がある。このスタイルからも、AQUOS sense7がミドルレンジを超える性能を持つ機種であることが伝わってきた。
手に取ると拍子抜けするほど軽い。重さは約158gだ。スマートフォンは日常的に持ち歩き、手にしていることが多いので、この軽さは嬉しい。また、側面はフラットで持ちやすく、背面のカーブが手にフィットする。画面は6.1型のIGZO OLEDを搭載。明るい場所でもはっきり見える。最大表現色も10億色を誇り、鮮やかで心地いい。
AQUOS sense7のカメラ機能を試す。
高速AFとAIに驚く
それではAQUOS sense7の目玉であるカメラ機能を見てみよう。メインカメラのイメージセンサーは、1/1.55インチの約5030万画素。AQUOS R7の1インチには届かないものの、これまでのミドルレンジの常識を超えたセンサーサイズだ。これは1/2.0インチだった前モデルのAQUOS sense6の約66%大型化になる。センサーサイズが大きければ、それだけ画質に有利だ。レンズの焦点距離は35mm判換算で23mm相当。明るさはF1.9。800万画素で15mm相当でF2.4の超広角カメラも備える。
15mm相当の超広角カメラで撮影。メインカメラほどの解像力は持たないが、遠近感の誇張や広々した風景など、ダイナミックな表現に便利だ
カメラを起動し、まず驚いたのがAFの速さ。全画素を使用した像面位相差AFを採用。これだけ聞くと、ミラーレス一眼のようだ。被写体にカメラを向けた瞬間にスッとピントが合う。こちらもAQUOS sense6と比較して約2倍高速化。近距離に向けた際や、とっさのチャンスにもスピーディーに対応する。おかげでストレスなく撮影に集中できた。
アーチと影、歩く人とその影を見つけて、とっさにAQUOS sense7を構えてシャッターを切った。高速AFのおかげで撮りたい瞬間を逃さずとらえられた
標準の写真モードでAIをオンにすると、自動で被写体を認識し、最適な仕上がりが得られる。同じ近接でも花と料理はしっかり見分けてくれた。筆者自身は、スマホはできるだけ複雑なことは考えず、カメラまかせで撮りたいと思っている。AIはまさにそうした撮影にうってつけだ。輝度差がある条件でも必要に応じてHDRが機能し、自然な写真が撮れた。なお、オートHDRはオフも可能だ。また、ズーム機能を使用した場合、倍率表示が指にかからず、確認しやすいのもポイント。さり気ない配慮が、快適な撮影に繋がる。
写真モードでAIをオンにし、花に近づくとAQUOS sense7は即座に花を認識した
花と同じく近接撮影でも、料理に向けるとAIは確実に料理として認識した
猫が歩いていたので、とっさにAQUOS sense7でとらえたら、身体が横向きながら動物として認識できた。優秀なAIだ
写真モードのAIで花認識。近接撮影でも高い解像力だ。さらに花びらが白飛びせず、しっかり階調が再現されている。これはオートHDRが白飛びしそうなシーンを的確に判断し、RAWレイヤーの広いダイナミックレンジで合成処理ができた結果といえる
写真モードのズーム操作は、親指でスムーズに行える。しかも、倍率が指で隠れることもないので扱いやすい。カメラ機能の基本的なUIも、AQUOS R7と同じだ
ポートレートモードは?
ポートレートモードは肌を滑らかにし、背景もぼかした写真が撮れる。ボケはレンズ交換式のカメラと比べてイメージセンサーが小さく、広角レンズがメインのスマホには苦手な表現だ。しかし、ポートレートモードなら、手軽にボケを生かした写真が楽しめる。ボケも美肌も10段階の設定が可能。背景ぼかしは人物以外でも活用できるモードだ。
ポートレートモードで背景をぼかした。ぼかしは8に設定。本格的なカメラの大口径広角レンズで撮ったかのような自然なボケが得られた
“カメラまかせでキレイに撮れる”が理想ではあるが、それでも自分で色調や明るさなどをコントロールしたい状況もある。そうした際に便利なのがマニュアル写真モードだ。シャッタースピード、ISO、フォーカス、WB、EV(露出補正)、彩度、コントラスト、明瞭度まで設定できる。お気に入りの設定は登録ができ、パラメーターも保存される。リセットもワンタッチなので、手軽に好みの仕上がりに追い込める。
写真機能の設定画面。連写撮影やオートHDRなどのオン/オフの切り替えの他、構図決定に便利なガイド線、明るさをグラフで確認できるヒストグラムも表示できる
アスペクト比は4:3と16:9、1:1の3種類が選べる。この画面は設定アイコンだけでなく、撮影画面の上部に表示されたアスペクト比のアイコンからも選べる
ポートレートモードといえば人物専用に感じるが、人物以外でも背景を大きくぼかしたい場合に有効だ。ここではぼかしを8に設定したところ
細かな設定ができるマニュアル写真モード。ここではWBを変更している。色温度だけでなく、電球、蛍光灯、太陽、曇りマークもあり、わかりやすい。「MANUAL」とあるアイコンをタップすると瞬時にオートに切り替わる
筆者は中でもISOとWBとEVを頻繁に使用した。できるだけ感度を低くして画質を優先させたい、好みの色調に整えたい、明るさを調整したい、というときに、それぞれの項目は非常に活躍した。これらは普段、カメラでも同じことを行っているので、カメラで撮影するのに近い感覚で撮影ができた。
ナイトモードも
ノイズが目立たず滑らか
ナイトモードは、その名のとおり夜景撮影のモードだ。これまでスマホで夜景を撮ると、灯りがあるところだけが明るく白飛びし、周囲は真っ暗になり、夜の雰囲気が表現し辛かった。AQUOS sense7では、RAWレイヤー合成により、白飛びを抑えて豊かな階調を再現できる。これはAQUOS R7と同じ技術だ。
ナイトモードだけでなく、画質エンジンもAQUOS R7で培った高画質化技術を応用したProPix 4を採用。ダイナミックレンジが広く、階調や質感の再現に優れている。暗い場所でISO感度を上げてもノイズは少なく、被写体のディテールもつぶれにくい。これは4画素をひとつの画素として使っていることが大きいのだろう。こうした機能はカメラでも行っている機種がある。
2倍にクローズアップして撮影。解像力はやや落ちるものの、よほど拡大しなければ気にならないレベルだ。トレンチコートの描写も良好だ
例えばAQUOS R7でお馴染みドイツのライカカメラ社のライカM11は、画素数を落とした場合は複数の画素を1画素にし、広いダイナミックレンジと優れた高感度特性を得ている。せっかく約5030万画素もあるのに1250万画素に落とすのはもったいない、と思いがちだが、実は単純に画素を減らしているのではなく、高画質に貢献しているのだ。データサイズが小さいのもメリットだ。
音楽や動画を楽しみたい人には
「AQUOS sense7 plus」がオススメ
今回はAQUOS sense7をメインにカメラ機能を訴求してきたが、カメラ以外に音楽や動画をもっと楽しみたい人にはオススメのモデルが「AQUOS sense7 plus」だ。AQUOS史上初の動画専用プロセッサでなめらかにプレミアムな映像体験がずっと楽しめるソフトバンク独占モデル。
AQUOS R7も試したら、
ミドルレンジのAQUOS sense7の
カメラ性能の良さも
あらためて実感
実はフラッグシップモデルであるAQUOS R7も試してみた。画質の差はどれだけあるのだろうか。やはり1インチのイメージセンサーとライカカメラ社のズミクロンレンズの画質は素晴らしい。解像力の高さはもちろんだが、ダイナミックレンジの広さと高感度の強さは、やはりAQUOS sense7よりワンランク上なのは事実だ。本格的なカメラと肩を並べる性能が欲しい人にはAQUOS R7がイチオシだろう。
(左)フラッグシップモデルのAQUOS R7。AQUOS sense7がデザインを踏襲しているのがわかる。重厚感のある姿でハイエンドモデルらしい。
(中央)画面は6.6型のPro IGZO OLED。くっきりしていて明るい。インカメラはパンチホール式で、画面が広々した印象だ。
(右)メインカメラは1インチ約4720万画素CMOSを搭載。全画素の像面位相差AFが可能。しかも8素子/4画素のOcta PDにより、高速AFを実現している。レンズはライカカメラ社の19mm相当でF1.9のズミクロン。7枚構成で非球面レンズも使用し、優れた描写力を発揮する。レンズ部分には「LEICA」ではなく、ライカカメラ社の前身、エルンスト・ライツ社の「LEITZ」と入っている
AQUOS R7で撮影した。注目したいのが白いクルマの階調。滑らかに再現されていて、立体感のある写りだ。ズミクロンレンズの解像力も高い。1インチイメージセンサーの余裕が感じられる
室内の戸棚に入れられた置時計をAQUOS R7で撮影。ISO999、ほぼISO1000だ。1インチイメージセンサーはこれだけ高感度でもノイズは少なく、しかも時計の細かい部分のディテールも失っていない。スマートフォンで撮ったとは思えない高画質だ
葉や窓枠がシャープに描写された。メリハリがあり、建物の壁もリアルだ。AQUOS R7は本格的なカメラに迫る性能を求める人に応えてくれる
AQUOS R7の画素数は約4720万画素だが、AQUOS sense7と同じく4画素を1画素にするので、通常は約1180万画素になる。しかしハイレゾモードにすると約4720万画素での撮影が可能だ。ハイレゾではマニュアル写真モードのみとなる。竹や葉が高精細に描写された
しかし、高性能を手軽に使いたい、という人にはAQUOS sense7がおすすめ。ミドルレンジのイメージを覆すカメラ性能は、すでにカメラで写真を撮っている人にも納得できるはず。しかも軽く、防水や防塵、耐衝撃性能も備えていて、いつでもどこへでも持ち歩ける。また4570mAhのバッテリーは長持ち。朝から夜まで、一日撮影してもバッテリー残量は余裕だった。あまりに快適で画質も優秀なので、筆者自身もすっかりAQUOS sense7シリーズを気に入ってしまったほど。身近なミドルレンジでこれだけのカメラ機能が楽しめるのは、コスパも良く長く使えそうな期待感は他の機種にはない大きな魅力だ。より多くの人に、AQUOS sense7の高性能を味わってもらいたい。
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AQUOS sense7 歳末感謝祭
対象期間中に対象のAQUOS sense7を購入し、キャンペーンに応募するともれなく3,000ポイントがプレゼントされる。
購入期間
2022年12月9日[金]〜2023年1月9日[月]
応募期間
2022年12月9日[金]〜2023年1月22日[日]
各ポイント
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(docomo)dポイント 3,000ポイント
(au/UQmobile)Pontaポイント コード 3,000ポイント
(楽天mobile)楽天ポイント 3,000ポイント
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AQUOS sense7 plusデビューキャンペーン
SoftBank AQUOS sense7 plusを対象期間中に購入+応募で、もれなくPayPayポイント5,000円相当がプレゼントされる。
購入期間
発売日〜2022年12月31日[土]
応募期間
発売日~2023年1月9日[月]