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折りたたんでも大きい画面は便利! トンガった最新スマホ「motorola razr 40 ultra」がすこぶるはかどる理由

 モトローラ・モビリティ・ジャパンから、8月25日、フリップタイプの折りたたみ型Androidスマートフォンの新製品「motorola razr 40 ultra」がいよいよ発売された。オープンマーケットでSIMフリーモデルとして販売されるほか、インターネットイニシアティブ(IIJ)からも独占販売される。

フリップタイプの最新モデル「motorola razr 40 ultra」が登場

「開かなくても使える」フォルダブル

 「motorola razr 40 ultra」は、開いた状態だと6.9インチのメインディスプレイ(165Hz駆動)が利用でき、閉じた状態では3.6インチのアウトディスプレイ(144Hz駆動)が利用できる。

 今回このアウトディスプレイが大型化したことにより、 「開かなくても使えるシーン」 が多くなった。そのため実機を見て、フリップタイプとしては完成形に近いモデルになったと感じさせられた。

閉じたときは3.6インチのディスプレイとして使える

 というのも、アウト側にディスプレイを装備するというのは、フリップタイプでは一般的ではあるが、ディスプレイが小さいため表示できる情報や利用できる操作が少ない。

 そのため、結局「開かないと何もできないディスプレイ」になってしまう。それならフリップタイプではなく、従来からある1枚板のような形状のスマートフォンでいい。

 今回の「motorola razr 40 ultra」は、アウトディスプレイが3.6インチと大型化。折りたたんだ状態での1面がほぼほぼディスプレイという状態だ。

 つまり、端末を閉じたまま、アウトディスプレイ側からアプリを起動、快適に操作できる。これは、過去に発表されてきた折りたたみ型のスマートフォンとは一線を画している。

 たとえばメールやメッセージでは、届いた内容を確認するだけではなく、キーボードを表示してテキストを入力し返信も可能。また地図アプリを使うにも十分なディスプレイの広さだし、YouTubeなど動画を観るのも問題なし。

 閉じた状態ならコンパクトになり、電車内で立っているときにしっかりとグリップできるので画面を見やすい。

テキスト入力も可能なディスプレイサイズ

 そのほかモバイル決済の際にQRコードやバーコードを表示することもできる。とにかく 開かなくても使えるケースが多い のだ。

QRコード決済もアウトディスプレイでOK

メインディスプレイとアウトディスプレイは連携可能

 もちろん、メインディスプレイとアウトディスプレイも設定で連携可能。アプリごとに「外部ディスプレイ」での使用許可が設定でき、閉じたときに自動でアウトディスプレイへと表示が移動するようにもできる。

 そのため、たとえば地図アプリでは開いた状態の大きなメインディスプレイで目的地の情報を確認し、ルート検索をオンにする。そのあとは折りたたんだ状態でアウトディスプレイ上でチェックするといった使い方ができる。

移動先の検索はメインディスプレイで
ルート案内はアウトディスプレイでチェック

さまざまなスタイルで広がる使い方

 「motorola razr 40 ultra」は途中まで折った状態の「フレックスビュースタイル」で使用できるのも便利。テントスタイルなら動画視聴の際にスタンド不要でテーブルに置けるし、ビデオ通話などの際にも、自分が映るようにアングルを調整できる。

途中まで曲げた状態でキープできるようになった
スタンド不要で動画を再生できるのは便利

 フレックスビュースタイルで最も便利なのが、カメラアプリでの撮影。ビデオ通話もそうだが、三脚不要でアングルを調整できるため、夜景撮影などの際に固定して撮影可能。またテントスタイルでセットすれば、離れた場所からのセルフィーにも使える。

固定して撮影できるのは大きなポイント
セルフィーもしやすい

 さらに90度くらいに折り曲げた状態で、デジタルビデオカメラのようなスタイルでビデオや写真も撮影可能。

 この際にmotorola razr 40 ultraがおもしろいのは、カメラアプリで撮影するときに、アウトディスプレイにもプレビューが表示できるので、撮っている相手にもどのような構図で撮影しているのか伝えられるのだ。

デジタルカメラのようなスタイルで撮影可能
撮影のプレビューをアウトディスプレイに出せるので、撮りやすい
後述するジェスチャー機能を使うことで、「motorola razr 40 ultra」から離れていても、手のひらをカメラに向けて開くだけで、タイマーをセットして撮影できる。セルフィーを撮る際などに便利な機能だ

カメラ性能

 アウトカメラは光学手ぶれ補正が使える広角(約1200万画素、f/1.5)と、約108度の画角をもつ超広角(約1300万画素、f/2.2)の組み合わせ。

 画質もかなり良いため、写真にこだわりがあったり、Vlogなど動画を撮影しているユーザーは、motorola razr 40 ultraだけで いろいろな撮影スタイルができる ので便利だ。ちなみに「水平ロック」機能も用意されており、アクションカメラのような使い方をしても水平のまま被写体を撮影できる。

アウトカメラは広角と超広角のデュアル仕様

 以下はmotorola razr 40 ultraで撮影した作例。AI機能はオンでHDRはオートで撮影。レンズを向けたらピントや明るさは調整せずに、そのままシャッターボタンを押している。全体的にクセのない自然な発色といった印象だ。

広角カメラで撮影
超広角で撮影
デジタルズーム最大の8倍で撮影
マクロをオンにして撮影
ちょっと暗めの飲食店で料理を撮影
ナイトビジョンモードで撮影

ハイエンドクラスのスペックがうれしい

 もちろん、メインディスプレイ側のクオリティや使い勝手にも問題はない。6.9インチと大型(2640×1080ドット)で、アスペクト比は22対9。長辺が長めの比率なので動画視聴、特に映画などで採用されているシネマスコープサイズの視聴にピッタリ。

 リフレッシュレートは最大165HzでHDR10+に対応し、色域は120% DCI-P3となっているので、発色も良く高い品質での映像が楽しめる。またスピーカーもDolby Atmosに対応しており、単体ではハイクオリティーなサウンドも体験できるのはうれしいポイントだ。

開けば大画面で動画が楽しめる

 基本スペックは、チップセットにSnapdragon 8+ Gen 1 Mobile Platformを採用。メモリーは8GBで内蔵ストレージは256GBとなっている。Snapdragon 8+ Gen 1 Mobile Platformは最新モデルと比較すると1世代前ではあるものの、ハイエンドクラスのため、3Dを使ったヘビーなゲームなどをプレイするぶんにも性能は問題なし。

 バッテリーは3800mAhと最近のハイエンドスマートフォンと比較すると少なめだが、スマートフォンの場合、最もバッテリーを消費するのがディスプレイ。motorola razr 40 ultraは、消費電力がメインディスプレイよりも少なくなるであろう3.6インチのアウトディスプレイで操作する機会が増えることを考えると、一日使うなら十分な容量と言える。

 またType-Cからは30Wと高速で充電可能で、5Wのワイヤレス充電(Qi対応)にも対応している。

 FeliCa(おサイフケータイ)には非対応だが、NFCは搭載しておりGoogleウォレットに対応するクレジットカードやデビットカードを登録すれば、クレジットカードのタッチ決済も可能。最近は国内外でクレジットカードのタッチ決済に対応した店舗や自販機も増えてきているので便利だ。

Googleウォレットで登録したクレジットカードやデビットカードでのタッチ決済も可能

知っておきたい「ディスプレイ破損1回無料」

 「motorola razr 40 ultra」では、ひとつ、ちょっと変わったサポートサービスが用意されている。それが「ディスプレイ破損1回無料サポート」だ。

 これは「motorola razr 40 ultra」を普段使いしているなかで、落としてしまったりぶつけたりして、ディスプレイが破損したり壊れたりした場合、ディスプレイ部品を無料で交換・修理してくれるというもの。外側、内側のディスプレイが対象で、新品を買った日から12カ月間、保証される。利用する際は、専用サイトで申し込むだけだ。

デザイン性と使いやすさを両立

 フリップの構造もかなり進化しており、折りたたんだ状態だと ほぼ隙間もなくピッタリと閉じる

 もちろんデザインも美しく、閉じた状態の本体背面はザラザラとして感触のある加工がされており、指紋がつきにくい。本体右側面に音量ボタンと、指紋認証センサーと一体形の電源ボタンを装備し、生体認証としては顔認証も利用可能だ。使い勝手の面では、「moto/ジェスチャー」機能で、持ち上げたり、握ったり、向きを変えたりすることにあわせて素早くカメラを起動するなど、スマートフォンを操作できる。

背面は光沢のないザラザラとして感触のある加工
折りたたんだ状態ではほとんど隙間はない
本体右側面の電源ボタンが指紋認証センサーになっている

 折りたためるスマートフォンと聞くとニッチな変わったモデルという印象だったが、motorola razr 40 ultraは閉じた状態でも普通に使え、開いた状態では大きな画面の使いやすいスマートフォンとなり、さまざまなスタイルで利用可能。

 まさに 「普段使いで使える普通のスマートフォン」 に仕上がっており、ガジェット好き以外のユーザーにも使ってほしいモデルだ。