レビュー
モトローラのミドルレンジ「moto g30」の魅力とは
2021年4月6日 06:00
モトローラは、3月26日よりミドルレンジの2モデル「moto g30」と「moto g10」を発売する。価格はmoto g30が2万5800円(税込、以下同)、moto g10が2万1800円。本稿では「moto g30」のクイックインプレッションをお届けする。
本体
本機のカラーはダークパールとパステルスカイの2色展開。今回はダークパールをお借りしているが、背面は紫を基調とした光沢のあるカラーで、角度によって微妙に色味がシフトする。中央上寄りにモトローラのロゴマークがあり、ここが指紋センサーになっている。
ディスプレイサイズは6.5インチで、外寸は165.22×75.73×9.14mm。
ぱっと見大型に見えるが、アスペクト比が20:9で横がスリムなので、持ちやすさとしては6.2インチクラスと変わりない。ボタン類は全て右側で、上からGoogleアシスタントキー、ボリューム、電源ボタン。電源ボタンのみざらつきがあるため、手触りでわかる。
上部はマイクおよびアナログのイヤホン端子、底部はマイク、USB Type-C端子、スピーカーがある。上部にスピーカーはなく、横向きでステレオ再生はできない。SIMスロットは左側で、NTTドコモ、au、ソフトバンクのネットワークとDSDVに対応している。
SoCはSnapdragon 662オクタコアで、4GBメモリ、128GBストレージ、5000mAhのバッテリーを搭載。
ディスプレイ方式はIPS TFT LCDで、画面解像度は1600×720。斜めから見ると、真正面以外は輝度が落ちるものの、色味の変化はほとんど感じられない。
リフレッシュレートは90Hzで、画面スクロールや移動エフェクトになかなかのヌルヌル感がある。
カメラ
フロントカメラはクアッドカメラシステムをうたうが、そのうち1つは深度センサーなので、厳密には撮影用カメラとは言えない。
上から800万画素広角(F2.2)、6400万画素標準(F1.7)、200万画素深度センサーとなっている。200万画素のマクロカメラ(F2.4)はLEDライトの下だ。なお撮影可能な3カメラについては、全て電子式手ブレ補正に対応している。
昨今は巣ごもり需要として、マクロレンズの売り上げが伸びているそうである。マクロカメラを入れた点では、トレンドを押さえていると言える。
メインカメラは性能的にも高く、発色も十分だ。暗部特性も良く、動画カメラとしても使いやすい。
メインカメラに比べると、広角カメラは性能差が激しく、必然的に見劣りがする結果となる。マクロは用途が全然違うので、色味の違いもそれほど気にならないが、広角カメラは標準に比べると色味が浅く、青みが強いのが気になるところだ。
特殊撮影としては、ポートレート、カットアウト、スポットカラーなど、写真で10種類、動画で3種類の撮影ができる。ナイトビジョンは夜景撮影向けの機能だが、もう少し上位のカメラになると1分近い長時間露光モードがあり、星空の撮影も可能になっているが、残念ながらそこまでの機能はない。
動画は標準および広角では1920×1080、マクロでは1280×720となる。スマホの動画撮影需要は次第に高まっているところであり、もう少し見栄えのする、シャープで彩度の高い絵作りの方がよかったように思う。
フロントカメラは1300万画素(F2.2)で、画角としてはフロントの広角カメラと同じだ。笑っただけでシャッターが切れる「自動スマイルキャプチャ」や、手のひらを見せるとシャッターが切れる「ジェスチャー自撮り」があり、自撮りはしやすい。カメラが中央部にあり、フェイスビューティ機能も使えるので、満足度は高いだろう。
十分なストレージ容量とバッテリー容量
ハイエンドは別として、ミドルレンジではカラーリングやデザインの面で今ひとつ地味な印象のあるモトローラだが、本機「moto g30」も尖ったところで勝負というより、この価格でこのクオリティというバランスで考えるべきモデルである。
2万円台半ばというこの価格帯で128GBのストレージは珍しい。加えてバッテリー容量5000mAhもなかなか見かけないところである。特に充電周りは20WのTurboPowerチャージャーを同梱しており、約20分で最大約12時間分の急速充電が可能。バッテリーは2日持つというが、実際今回のテストでも撮影や動画視聴など使い倒して、2日目の夜にバッテリーが切れた。
地味な機能だが、ワイヤードのイヤホンを端子にさすとFMラジオが聴ける。それほど珍しい機能ではないが、長時間バッテリーとラジオ視聴機能で、災害時にも頼りになるスマホという切り口もある。
ストレージとバッテリー容量の対抗は、昨年6月発売のシャオミ「Redmi Note 9S」になるだろうが、価格的には本機の方が実売で5000円以上安いようだ。そういう意味では、後出しジャンケンでコスパに振った戦略のモデルと言えるかもしれない。
昨今はキャリアでも低価格プランを打ち出しており、MVNOもそれに追従する構えである。コスパの高いSIMフリーモデルでガンガン使い倒すという目的には、フィットするだろう。