レビュー

これまでのiPhoneで、あらためて写真を撮ってみたら見えてきたこと

 スマートフォンがよく使われる機能の1つはカメラ。2007年に登場した初代iPhoneはややスペック面で見劣りするところもあったが、その後のiPhoneでは、急速に品質の向上が図られてきた。

 新しいiPhoneが発表された今回、実写画像を交えながら、これまでのiPhoneのカメラがどう進化してきたかを振り返っていこう。

屋外風景撮影

 まずは歴代機種を使い、今、あらためて撮影した写真からご紹介しよう。

iPhone 3G。屋外風景は不得意ではないが、ディティールはかなり弱い
iPhone 3GS。解像度は2MPから3MPに増え、AF対応したが、暗い場所が潰れている
iPhone 4。裏面照射採用により暗い場所に強くなった。解像度は5MP
iPhone 4s。一気に完成度が高まった印象。最初の8MPモデル
iPhone 6。最後の8MPモデル。この被写体だとこの世代でも十分で、あとは露出を手動で補正すればOKな印象
iPhone 6s。最初の12MPモデル。よほど拡大しない限り、iPhone 6と解像感の差は感じない
iPhone 7。この世代からレンズがf/2.2からf/1.8と明るくなっているが、6sとの差は露出補正の差だろう
iPhone X。HDR自動にしていたところHDR撮影となり、暗所もよりキレイに映った

 解像度で見ると、初代とiPhone 3Gが2MP、3GSが3MP、iPhone 4で5MPと急速に高解像度化した。その後は8MP、12MP(iPhone 6s以降)とゆっくり進化して現在に至っている。あくまで個人的な感想だが、iPhone 6あたりになると、1世代の違いは実感できるような大きな差はなく、3年前のモデルと比べたらちょっと違うかな、いや同じかな、と迷うレベルだと思う。

 なお、2018年モデルのiPhone XS/XS Max/XRのカメラは、シングルとデュアルの差はあるものの、公表スペック自体はiPhone Xとほぼ同じだ。

屋内撮影

iPhone 3G。暗めで白熱球色に調整したLED照明の屋内という、やや過酷な撮影環境だが、それにしてもノイズだらけである
iPhone 3GS。色味は一気に改善したが、まだまだノイズだらけだ。なお、この世代までは画角がやや狭い
iPhone 4。だいぶ明るくなり、ノイズも軽減された。裏面照射型CMOS採用の最初のモデルでもある
iPhone 4S。色味もノイズも一気に改善され、バンズ表面の質感も伝わるディティールが残り、メシマズ写真を脱した
iPhone 5s。ディティールも色味もほぼ問題ないレベルだが、背景などに少しだけノイズが残る
iPhone 6。8MP、f/2.2はiPhone 5sと同スペックだが、背景のノイズが消え、さらに完成度が高まった
iPhone SE。コンパクトモデルだがカメラ性能は十分なレベル
iPhone 8。最新世代だが、この被写体だとiPhone 6あたりと大きな差はない

 スマートフォンのカメラではニーズの高い暗所の撮影機能も大幅に強化されてきた。iPhone 4で5MPの裏面照射型CMOSを採用しているが、実写画像を見るとiPhone 4S(8MPの裏面照射型CMOS)で一気に暗所に強くなっている。実はiPhone 4/4Sを比較すると、レンズはf/2.8からf/2.4と明るくなり、かつての一部報道によるとセンサーのメーカーがソニーに変わったともされる。

 その後はiPhone 5sでf/2.2、iPhone 7でf/1.8とレンズが明るくなり、センサーやノイズ処理の改善も進み、暗所撮影性能は向上していく。とくにiPhone 5sではスペック表にレンズの明るさやセンサーのピクセルサイズ(1.5μ)も表記されるなど、暗所撮影がアピールされていた。

HDR撮影

iPhone 4の非HDRモード。影が真っ暗に潰れている
iPhone 4のHDRモード。影がやや見える感じになった
iPhone 4Sの非HDRモード。そもそもセンサー性能が向上したように感じられる
iPhone 4SのHDRモード。HDRも1世代で進化した印象だ
iPhone 5sの自動判別モード。このあたりになってくると大差がなくなってくる
iPhone Xの自動判別モード。HDRのおかげかどうかわからないが、影の部分もよく撮れている

 iPhone 4以降はHDR撮影に対応している(iOS 4.1から追加された)。HDRは連射した複数写真を合成し、影の部分が黒で潰れたり明るい場所が白飛びを防ぐという機能。現在のスマートフォンカメラでは基本とも言える機能だ。これに対応したことで、逆光シーンにかなり強くなっている。

 ちなみにiPhone 4世代のHDRは、センサーの読み出しや処理速度が遅く、撮影時に微妙な処理待ちが存在していた。普通の写真に近い感覚でHDRを撮れるようになったのはiPhone 5s世代のころから。iPhone 5sはHDRを使うかどうかを自動判別するモードが追加され、iPhone 8世代では自動かオフのどちらかで、HDRを強制使用することができなくなるなど、意識しないで使う機能になっている。

ポートレートモード撮影

iPhone 7のポートレートモード。被写体の切り出しが甘く、背景が一部鮮明になっている
iPhone Xのポートレートモード。こちらも被写体の切り出しが甘めで、頭の後ろの装飾っぽいナンカが一部背景扱いされている

 デュアルカメラはiPhone 7 Plusから搭載された機能だ。広角レンズと望遠レンズの2つを搭載し、それらを同時に使ってエフェクトを追加するポートレートモードというものも利用できる。デュアルカメラ自体は、2018年モデルを含めても3世代のみの機能だが、先行する他メーカーを追従するべく、急速に進化している機能でもある。

 たとえば今回の作例で使っているポートレートモードは、iPhone 7 Plusでは背景ボケのみだったが、iPhone 8 Plus/Xでは照明エフェクト機能が追加され、iPhone XS/XS Max/XRでは被写界深度調整機能も追加されている。なおこの機能、人物撮影向けにチューニングされていて、今回の作例のようなフィギュア(リボルテックタケヤ 阿修羅、全高18cmほど)くらいの大きさ・精密さのものには不向きとなっている。

 2018年モデルではプロセッサの機械学習進化により、シングルカメラのiPhone XRでもポートレートモードを利用できるようになった。デュアルカメラの意義とは、と思ってしまうところだ。デュアルカメラでは2倍の光学ズームが使えるのもメリットとなる。しかし実はiPhoneの仕様上、暗い場所でズーム撮影しようとすると、明るい広角レンズのデジタルズームに自動で切り替わってしまったりする。

 ちなみにiOS 12ではポートレートモードで使われている被写体抜き出しの機能のAPIが公開され、サードパーティ製アプリでも利用できるようになるという。iPhoneのデュアルカメラならではの活用は、iOS 12から広がって行きそうだ。

 このほか今回は実写検証していないが、光学手ぶれ補正機能がiPhone 6 Plus以降のPlusシリーズ(5.5インチのデカいシリーズ)に搭載されており、iPhone 7以降は4.7インチのスタンダードモデルでも搭載している。iPhone X以降のデュアルカメラ機では、両方のレンズが光学手ぶれ補正に対応する。

 歴代の機種による写真を見て、技術を進化を楽しみつつ、来たる新しいiPhoneの写真がどうなるか、期待したい。

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