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ドコモ、「スマートフォン for ジュニア」発表

ドコモ、「スマートフォン for ジュニア」発表

 NTTドコモは、ジュニア層向けのスマートフォン「スマートフォン for ジュニア SH-05E」を発表した。保護者が設定する制限機能が用意され、専用のパケット定額サービスも新設される。2月上旬に発売される予定で、1月下旬から事前予約を開始する。価格は月々サポートを反映した実質価格で1万円台半ばになる見込み。春の商戦期にはさらなる割引施策も準備されている。

 「スマートフォン for ジュニア SH-05E」は、子供向けの“初めてのスマートフォン”と位置付ける端末で、同社では「ジュニスマ」の愛称も用いる。主にターゲットとする層は、小学校4年生~中学1年生。同社が提供している「キッズケータイ」は小学校低学年をターゲットにしているため、保護者にとって通常のスマートフォンを持たせるには抵抗のある小学校の高学年などの年齢層が今回の端末のターゲットになっている。

 基本的なコンセプトは、保護者が各種の制限をパスワードが必要な画面で設定でき、アプリはプリインストールアプリのみ、Webサイトはspモードフィルタによる制限のかかった状態で利用するというもの。専用の「dメニュー」はWebサイト上で天気やメール素材、学習コンテンツなどが提供される専用ポータルサイトという位置づけになっている。

 制限機能として用意されるのは、Webサイトへのアクセスとダウンロードを制限するspモードフィルタ、あらかじめ登録した相手とだけやり取りできる電話帳・メール利用制限など。端末全体の利用を、深夜や登校中など時間帯を指定して制限できる利用時間制限機能や、通話時間制限機能のほか、利用した累計時間が設定値に到達すると端末の利用を制限する機能も用意されている。累計利用時間の制限は1日単位または月単位で設定でき、子供も設定画面で累計利用時間がどのくらいなのかを確認できる。

 無線LAN機能は搭載されないが、これはspモードフィルタの適用が難しいため。Google Playに非対応で、Googleアカウントの入力も不要。GmailやGoogleマップなどGoogleが提供するアプリも用意されず、利用できない。また、アプリのインストールに非対応といった点や、無線LANに非対応といった部分は基本的な仕様で、設定で変更できない。

 保護者の関心も高い代表的なSNS(Web版)については、利用が推奨されるspモードフィルタを設定した場合、Facebookへのアクセスができなくなる。mixi、mobage、GREEについてはEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)の認定を受けており、初期設定ではアクセスできるが、保護者が個別に指定することでアクセスを制限することも可能。LINEはアプリで提供されるサービスのため、利用できない。

 端末ソフトウェアには、例えば「子供向けモード」、制限のない「通常モード」などの区分けは存在せず、子供が利用することを前提とした仕様のみ。初回起動時にはウィザードに従って保護者が4桁の数字でパスワードを設定する流れになっており、これは販売店での契約時に設定が案内される。アプリの管理や端末の設定変更、各種の制限機能といった制限内容の変更は、いずれも保護者が設定したパスワードの入力が必要な画面で変更する。これらの保護者向けの項目は、子供がアクセスできる設定画面にも表示されるが、文字がグレーになり操作できないようになっている。また、保護者が設定したパスワードは解除された日時が記録・表示されるため、子供がパスワードの解除を試みたかどうかが分かるようになっている。

 Androidの仕様に準拠する形で、保護者が設定すれば、提供元不明のアプリ(apkファイル)をインストールすることは可能。ブラウザからはapkファイルをダウンロードできない仕様のため、この場合はSDカード経由でインストールできる。

 プリインストールアプリは、モバイル版の「モンスターハンター」やナンバープレイス、「どうぶつしょうぎ」などを用意。辞書や時間割、お小遣い帳といったアプリも用意されている。なお、セキュリティ対策アプリなど、ドコモがプッシュ配信で提供するアプリのみ、後からインストールが可能だが、この仕組みで追加的なコンテンツは配信されない予定。

 端末にはおサイフケータイ、Bluetooth 3.0、赤外線通信機能、エリアメールに対応。おサイフケータイについては、発売時点で「iD」「マクドナルド(ジュニア)」「ANA SKiPサービス」「ビックポイント機能付きケータイ」「ヨドバシゴールドポイントカード」「楽天Edy」「マツキヨポイントアプリ」「イオンかざすサービス」「ケータイかざしてポイントゲット」のみがプリインストールされる。モバイルSuicaへの将来的な対応については未定としている。

 端末はシャープ製で、ベースとなったのは「AQUOS PHONE si SH-01E」。防犯ブザーは右側面のボリュームキーの中央に凹んだ形で装備されており、ボリュームキーの上下と合わせて3つを同時に長押しすることで鳴動する。防犯ブザーが鳴らされると、あらかじめ指定した電話番号に自動的に電話がかかる仕組み。

 IPX5/7の防水、IP5Xの防塵にも対応する。耐衝撃性能については通常のスマートフォンと同様としている。パッケージには親子でスマートフォンやインターネットの安全な使い方を学べる冊子が同梱され、アニメーションで解説するアプリもプリインストールされる。

 主な対応サービスは、spモード、ドコモメール(spモードメール)、デコメ絵文字pop、海外対応のGPS、ドコモ地図ナビ、おサイフケータイ、かざしてリンク、WORLD WING、うつして翻訳、おまかせロック、ケータイお探しサービス、ドコモあんしんスキャン、エリアメール、災害用音声お届サービス、イマドコサーチ(被検索対応)、しゃべって検索など。音楽プレーヤーアプリが用意されており、パソコンから音楽を転送して再生できる。

 通信速度はXiで下り最大75Mbps、上り最大25Mbps。FOMAハイスピードでは下り最大14Mbps、上り最大5.7Mbps。海外ではGSMにも対応する。

 OSはAndroid 4.0を搭載する。CPUは「MSM8960」で、1.5GHzのデュアルコア。ディスプレイは4.1インチ、540×960ドット(QHD)。メインカメラは約1210万画素のCMOSセンサーで、インカメラは約32万画素のCMOSセンサー。最大64GBまでのmicroSDXCカードを利用できる。

 バッテリー容量は1660mAhで、連続待受時間は3Gで約450時間、LTEで約290時間、GSMで約370時間。連続通話時間は3Gで約370分、GSMで約480分。

 大きさは約117×63×10.6mmで、重さは約120g。ボディカラーはBlue、Pink、Whiteの3色。

 料金プランでは、パケット定額サービスとして「Xiパケ・ホーダイ for ジュニア」が端末発売と同時に提供される。利用料は月額2980円の定額制で、当月のデータ通信量が500MBを超えると、当月末までは通信速度が送受信ともに最大128kbpsに制限される。同社では、想定される利用例として、1日5通の写真付きメールを送信し、1日あたり20分間のインターネットを利用するケースでは、パケット通信料が月間で500MBに収まると説明している。「Xiパケ・ホーダイ for ジュニア」については別記事を参照されたい。

フォトギャラリー

子供がアクセスできる設定画面。操作できない項目はグレーアウトしている
利用制限の設定確認画面も子供がアクセスできる。パスワード解除日時もここに表示される
この画面はパスワード入力が必要な保護者用の画面。子供が変更できない項目も選択可能

太田 亮三