RIMがBlackBerryシリーズのロードマップを公開
米国・フロリダ州で開催中のイベント「BlackBerry World 2012」で、2日(現地時間)に、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)がBlackBerryシリーズのロードマップを公開した。
■BlackBerry 10とBlackBerry 7の関係
BlackBerry 10登場後の戦略を語る、RIMのPresident & CEO、Thorsten Heins氏 |
RIMのPresident & CEOのThorsten Heins氏は、1日(現地時間)に開催されたキーノートセッションで、BlackBerryの最新版にあたる「BlackBerry 10」を公開していたが、既存の「BlackBerry 7」についても「イノベーションは継続していく」とコメント。開発者用のα版デバイスは全面がタッチパネルの形状だったが、「キーボードを搭載したデバイスもあり得る」(Heins氏)とした。
BlackBerry 10は、タブレット端末の「BlackBerry PlayBook」に採用されるQNX社製のOSがベースになっており、アーキテクチャーも従来のBlackBerryとは大きく異なる。RIMは2月に「PlayBook OS」を2.0にアップデート。メールやBlackBerry Messengerと、Facebook、Twitterなどのソーシャルネットワークで利用されるメッセージ機能を統合した。AndroidアプリがPlayBook上で動作するというのも、このバージョンの目玉だ。
さらに、このPlayBook OSは、間もなく2.1にアップデートされる。RIMのHandheld Software Product Managementでディレクターを務めるMichael Clewley氏によると「夏の半ばぐらいまでに提供を開始する」とのこと。2.1では、Andridアプリのマルチタスクをサポートし、カメラAPIの利用やアプリ内課金にも対応する。BlackBerry 10公開後は、タブレット端末のPlayBookも「BlackBerry 10にアップデートする予定」(Clewley氏)だ。
市場では、今年後半に登場するBlackBerry 10と、既存のBlackBerry 7が並存する形になるが、両者の住み分けも計画している。Clewley氏は「BlackBerry 10はハイエンド向け、BlackBerry 7はローエンド向けとして残ることになるだろう」とし、セグメント別にOSを展開していく方針を語った。
今後は音楽やゲームなどのアプリも拡充し、他のスマートフォンプラットフォームと対抗していく構えだ。こうしたRIMの変化に対し、アプリの開発者からも歓迎の声があがっている。たとえば、ゲームの開発者の1人は「今までBlackBerryをゲームのプラットフォームと思っていなかったが、そういった要素を持っていることが分かった」と話し、BlackBerry 10に対応したアプリを準備する意向を示している。
■最新モデルなどを展示
このほか、BlackBerry World 2012には、Solution Showcaseという展示コーナーも設けられており、BlackBerryの最新モデルなどが並べられていた。RIMは日本ではNTTドコモから発売中の「BlackBerry Bold 9900」に加え、タブレット端末のPlayBook、コンパクトモデルの「Black Berry Curve 9220」を出展。ポルシェデザインを採用した高級端末の「Porsche Design P'9981」も、実機が置かれていた。
NFCでペアリングをスムーズに行うことが可能なBlackBerry Music Gateway |
NFCを利用した周辺機器の「BlackBerry Music Gateway」も、出展されていた。これは、BlackBerryとBluetoothで接続し、音楽をスピーカーに出力するためのもの。NFCに対応したBlackBerryであれば、端末をタッチするだけでペアリングが完了する。発売は6月を予定し、50ドル程度の価格になる見込みだ。Solution Showcaseには、米国のキャリアやアプリ、システム開発もブースを出展、来場者にBlackBerryのエコシステムの広がりをアピールしていた。
2012/5/3 07:52