KDDI高橋氏、「IS」で「使いやすさ」を追求


KDDI高橋氏とGoogleのアレグレ氏

 KDDIは、30日、auのコンシューマー向けスマートフォン「IS series」の発表会を開催した。

 発表会に登壇した取締役執行役員常務、コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、auの考えるスマートフォン像について、「限られた人とデバイスのつながりから、人と人とのつながり『Share』」であると語り、IS seriesは、「私(I)が私たち(IS)に出会う場所」との思いを込めたことを伝えた。

 auでは、IS seriesにおいて、「使いやすさ」を追求する。そのコンセプトは、オープンプラットフォームの良さと、従来の携帯電話の良さを合わせたものとしている。発表された「IS01」は、ネットブックの特徴である画面の大きさや入力のしやすさと、スマートフォンの携帯性と即時性を持った「スマートブック」というauの新しい提案だとした。

 「使いやすさ」の追求の一つが、端末のユーザーインターフェイス(UI)だ。IS01では、スウェーデンのデザイン集団であるocean observationsとともにUIを共同開発し、通常のAndroid端末とは異なるUIを採用している。カード型デザインを採用し、操作する際の気持ちよさこだわったとのことで、グラフィックや音の演出がさりげなく加えられている。ocean observationsは、Nokiaやソニー・エリクソンなどの海外向けモデルのUIを手がけてきた実績のあるチームで、IS01ではUIのグラフィックやインタラクションなどを担当しているという。開発されたUIは今後他メーカーへの横展開なども想定しているという。



 高橋氏はプレゼンテーションの中で、メニュー画面からアイコンを待受画面へドラッグ&ドロップすると、ショートカットが作成できる点や、マルチタスクで同時起動中のアプリケーションが画面右下のアイコンから確認、アプリを終了できることなどを紹介。「スマートフォンに心地よいUIを加えた」などと語った。

 さらに、auらしさを導入したいと語った同氏は、Android端末でワンセグや赤外線に対応したことをアピールした。「これまで大切にしてきたナビウォークやLISMOにも対応していきたい」と話しており、スマートフォンでもauのサービスを取り入れていくとした。

 しかし、こうした独自機能やOSのバージョンアップの遅れに繋がることも考えられる。高橋氏は必要なものをキャリアパックのような形でコンパクトにまとめて用意し、「バージョンアップを阻害しないスピードで提供していくつもりだ」と語った。

 auのAndroid端末登場に合わせて、アプリ配信プラットフォーム「au one マーケット」も提供される。日本語で使い易いアプリを配信していくとし、Android Marketにもシームレスにアクセスできる環境を用意するとされた。高橋氏は「au one マーケット」をクローズドにするつもりはないと述べ、開発社をKDDI、Googleの双方でサポートしていく体制を築く方針であるとした。

Android端末第2弾に言及

一瞬だけ公開された、auのAndroid端末第2弾

 このほか高橋氏は、今回のAndroid端末が第1弾であるとし、第2弾のAndroid端末についても言及した。

 同氏は、IS01が2台目需要を掘り起こすものであるのに対し、第2弾は1台持ちのユーザーが購入しやすいもの、「iPhoneのようなもの」と語った。また、おサイフケータイについても「FeliCaに対応していくことになるのではないか」などと語った。発表会では一瞬だけ端末の画像が表示され、フルタッチタイプの端末であることが披露された。

 このほか質疑応答において、今回のスマートフォンについて、「爆発的に大きな市場ではないと考えている」(高橋氏)とのコメントがあった。コンシューマ商品統括本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏も、「iPhoneの登場以来、スマートフォンへの興味が高まってきており、Androidへの期待も日本で出てきた。しかし、現段階の実売の数量において、マジョリティ(多数派)は通常の端末となっている。市場の動向を見ながら判断してきたい」と語っており、スマートフォンと通常の携帯電話のバランスについて、冷静に現状を把握していることを窺わせた。

 このほか発表会には、Googleのアジア太平洋地域の販売営業担当 副社長のダニエル・アレグレ氏が登壇し、新たなAndroid端末の登場を歓迎する祝辞が述べられた。



 



(津田 啓夢)

2010/3/30 16:46