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マネックス証券、ドコモ協業3年で新規48万口座を開拓 ポイント投資が若年層の呼び水に
2026年10月14日 15:00
マネックス証券は14日、NTTドコモとの資本業務提携から3年間の成果に関する進捗報告会を開催した。
両社は2024年1月の協業開始以来、dポイントを活用した投資機能や「d払い」アプリ内での資産運用機能、ドコモの銀行との銀証連携などを提供してきた。生活と投資を融合させ、金融のハードルを低減する「やさしい金融」の実現に向けて、決済から店舗サポートまでを包括した取り組みの成果と今後の戦略を説明した。
生活と投資をつなぐ3年間の歩みと狙い
両社の協業は、生活と投資をシームレスにつなぐ構想のもとで進められてきた。協業開始の2024年は、dカードによる積立やdアカウント連携、dポイント投資といった基盤機能を整備した「つなぐ」フェーズと位置づける。続く2025年には、d払いアプリ上で口座開設から取引まで完結する「かんたん資産運用」を開始し、利用者の拡大を図る「ひろげる」フェーズへと移行した。
2026年は、NTTドコモ・フィナンシャルグループの発足に伴い、銀行や証券、決済・ポイントを横断して生活へ自然に融和させる「とけこむ」フェーズを迎えた。
マネックス証券の田邊湧志氏は、「この3年間の中で私たちが取り組んできたことを一言で表すと、生活と投資をつなぐことだった」と語る。単に証券サービスを拡充するだけでなく、投資との接点がなかった層に向けた入口の創出を狙いとしている。
ポイント投資が後押しする初心者の「はじめの一歩」
協業成果は具体的な数値となって表れている。協業開始以降、マネックス証券の新規口座開設数は約48万口座増加した。これは協業開始前の累計口座数の約16%に相当し、そのうち約半数がドコモ経由での開設となった。
dアカウント連携者のNISA口座開設率は64%に達し、未連携者の37%と比較して大幅に高い水準を示す。さらに、新規口座開設者の約16%がdポイントを利用した投資を行っており、前年時点の10%から利用が拡大した。ポイント投資利用者のうち約3割は、現金入金やクレジットカード積立を行わず、ポイントのみで運用を開始しているという。
田邊氏は、「現金を使って投資をすることにはすごくハードルを感じて今まで始められなかった方が、普段使いしているポイントを使って大きな一歩を踏み出していただいている」と語る。
また、他社からマネックス証券へNISA口座を移管したユーザーのうち74%がdアカウント連携者であったのに対し、マネックス証券から他社へ移管したユーザーのうちdアカウント連携を行っていた割合は9%にとどまった。ポイント経済圏との連携が、投資を開始するきっかけにとどまらず、サービスを利用し続ける動機として機能している様子がうかがえる。
「かんたん資産運用」と若年層へのアプローチ
d払いアプリ内で展開する「かんたん資産運用」は、若年層や初心者層の獲得に寄与している。マネックス証券全体の口座保有者に占める20代~40代の割合は約39%だが、「かんたん資産運用」の利用者においては同年代が約64%を占める。普段利用するスマートフォンアプリを経由することで、従来の証券チャネルでは接点を持ちにくかった層との関係構築に成功した。
初心者向けの機能として、運用方針に応じた3つの投資信託セットを選択できる「まとめて簡単積立」を提供している。2025年7月のサービス開始以降、一括購入および継続的な積立の双方で堅調な運用成果を見せており、使いやすさと長期的な資産形成を支える体制を構築した。
「やさしい金融」を実現する銀証連携と店舗サポート
2026年8月末にはドコモの銀行との銀証連携を開始した。銀行口座と証券口座を連携させることで、購入時の資金不足を自動で補填する自動入金(スイープ)機能を実現した。事前の資金移動といった手続上の手間を解消し、資金管理の利便性を高めている。
田邊氏は、「金融特有のちょっとした面倒くささや分かりにくさをなくしていくことが、私たちが考えるやさしい金融につながる」と語る。
あわせて対面チャネルの強化も進めている。口座に関するサポートを受けられるドコモショップは、2026年1月開始時の35店舗から、同年9月時点で191店舗へと拡大した。デジタルでの利便性を追求する一方で、対面での相談や安心感を求めるユーザー層に対しても寄り添う姿勢を示す。
テクノロジー面では、生成AIと投資情報を結合する「MONEX MCP Server」を提供する。生成AIを通じて個人の資産状況に応じた情報提供を行い、みずから投資選択を行える環境を整えた。
また、2026年9月には「どんな未来を実現したいか」という日常の目的から投資をとらえ直す案内サイトを開設し、商品起点ではない新しいアプローチを提示している。
主な質疑応答
――ポイント投資や投資信託から始めた初心者層は、今後どのように株式取引などへステップアップしていく傾向があるのか。
田邊氏
結論として、まだ明確な傾向は出ていません。投資信託を中心に中長期で積立を行うスタイルが前提となっており、従来の株式投資のように数年で移行するというよりは、長いスパンで知識を高めながら自然と株式へ移行していく形を想定しています。ポイント投資から積み立て、そして株式取引へつなげるストーリーラインを構築し、そうした体験を提供していきたいと考えています。
――ドコモショップでの相談店舗が増えているが、実際にどのような客層が来店し、相談しているのか。
田邊氏
現在のドコモショップのボリュームゾーンであるご年配の方をはじめ、幅広い層が中心です。ほかの要件で来店された際にマネックス証券の案内を聞いていただき、口座開設につながるケースが多く見られます。金融商品案内に必要なライセンスを取得した代理店・店舗から順次拡大しており、対応エリアが広がることで認知度も高まっていると感じています。
――NISA口座の移管(金融機関変更)は手続きのハードルが高いと思うが、実際の移管件数の規模感やdアカウント連携の効果をどう捉えているか。
田邊氏
手続きとしては複雑ですが、順調に口座を移していただいており、規模としても数百件といったレベルではなくしっかりとした件数で推移しています。データを見ても、dアカウント連携がマネックスを選ぶ理由であり、かつ他社への流出を抑制する動機として機能していると考えています。
――来年本格化する「こどもNISA」に対するスタンスや、他社との差別化・勝ち筋をどう考えているか。
田邊氏
非常に重要な制度であり、勝ち筋としてはドコモ経済圏との連携にあります。親子のドコモ回線契約や「comotto」などのサービスとの連携に大きな伸び代を感じています。お子様が成長してからも長期で使っていただくための入口として重視しています。
――資本業務提携を発表した際、2026年までの500万口座を目標に掲げていたが、現時点で約300万口座にとどまっている。未達の要因と今後の見通しは。
田邊氏
現時点で目標に届いていない状況ですが、主な要因は対面(店舗)展開に必要なライセンス取得の調整に時間がかかり、店舗展開が想定より遅れた点にあります。ただし、ライセンスを持って案内するスキーム自体は完成して店舗数も増えており、今後は巻き返していきたいと考えています。なお、お預かり資産などの残高については市場環境の追い風もあり、非常に好調に積み上がっています。
――他社でのdポイントによる単元未満株(少額から買えるミニ株)買付サービス終了に伴い、マネックス側でミニ株をポイントで買えるサービスを提供する可能性はあるか?
田邊氏
可能性としては十分にあります。実際に社内でもそうした機能の提供が必要だという声が上がっており、具体的なリリース時期はお約束できませんが、非常に重要なサービス展開の一つとして検討を進めています。
――ドコモとの連携による収益化のタイミングや、今年開始した銀行証券連携のインパクトをどう見ているか?
田邊氏
収益は口座開設後の取引から即座に生まれており、ドコモ経由のお客様は稼働率も高いため収益化しやすい環境です。銀行証券連携については、これまでのドコモ経済圏ユーザーとは異なる層の獲得につながる重要施策と捉えており、今後の取引傾向を見極めながら連携を深めていきます。












