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ドコモ阿佐美常務、囲み取材一問一答
(2016/4/14 16:28)
14日、NTTドコモは料金関連の新たな取り組みについて記者説明会を開催。会見後、同社取締役常務の阿佐見弘恭経営企画部長が報道陣の囲み取材に応じた。主なやり取りをお伝えする。
――このタイミングで新施策を発表したのはなぜか。
阿佐美氏
なるはやで進めてきたところ、整備できた。4月には決算発表もあるがそこまで遅らせる必要がなく発表した。
――フリーコースを選んだ人に向け、「ずっとドコモ割コース」に戻るようなキャンペーンを実施することはあるのか。
阿佐美氏
どうしましょうかね……フリーコースを選ぶそれなりの動機があるのだと思う。ちょっと様子を見てから。今回は、ユーザーからの要望に応える形で料金そのままという体系で用意した。ちょっと様子を見たい。ドコモの本領が発揮されるところかと思う。
――行政指導の件で、今後、端末の割引がしづらいと思える。更新ありがとうポイントを端末割引の代わりに使って欲しいという思いはあるか。
阿佐美氏
それはある。以前と比べてdポイントの利用できるシーンが拡がっており、その付加価値は高まっているが、用途のひとつとして端末購入に使っていただけるのはハッピーだと思う。
――行政指導を受けた対策はいつ?
阿佐美氏
速やかに応えるため検討中。具体的な時期はまだ言えない。
――行政指導があってから、端末割引はそのまま続いているのか。
阿佐美氏
現状はそのまま。社内で対策を考えている。いずれ発表する。(発表にあわせて是正する? という問いに)そうですね、はい。
――フリーコースに変えると月々サポートがなくなるといったトラップはないのか。
阿佐美氏
トラップ(笑)、いやそういうものは今回、ないと自信を持って(プランを)作っている。端末と完全に切り離した料金面での拡充だ。
――dカードにも更新サイクルがある。dカードゴールド会員はポイント付与率を変えるなど、優良顧客優遇策は?
阿佐美氏
月々の料金に対する付与と長期契約、dカードの付与率という形で既に実施している。
――ドコモ光の契約との連携は?
阿佐美氏
いろんな可能性が出てきている。
――2年縛り後の解約金がないプランは、他社では数百円高いという形。同様のものを検討はしたのか。
阿佐美氏
当然、案のなかにはあった。ただ2年お使いのなかでどうハッピーになるか考えると、やはり“えらべる自由”という意味では値段が上がればハードルは高くなる。ずっとドコモにいていただきたいということで、今回のコースを作った。よりこちらへ居ていただきたいし、そのために深めているところもある。値段を上げるということは今回の方針では見送ることになった。
――フリーコースはどう周知をはかるのか。
阿佐美氏
要望に応えるものなので、それなりにやっていく。だが、あえて「こちらを選んでください」ということはないのかなと。とはいえ、メリットを感じる部分は人それぞれ。縛られたくない、あるいは解約を見越して(フリープランを)選ばれる方もいる。お客さんが自由に使えるコースでいいのかなと思う。
――ドコモを契約して間もないユーザーからすると、契約期間が4年以上になっており、3年以下の人からすると特典に大きな差が感じられず、フリーコースのほうを選びがちになるのではないか。
阿佐美氏
「更新ありがとうポイント」は、2年契約を終えて、3年目に入るタイミングで誰でももらえる。フリーコースを選ぶか、ずっとドコモ割コースでポイントをもらうかどうかお客さんが選んでもらえる形になっている。
――更新タイミングが来たらSMSで通知するとのことだが、フリーコースとずっとドコモ割コースを並べて案内するのか。
阿佐美氏
恣意的に誘導することはしたくないと思っている。
――MVNOが「dマーケット」を扱うことになった経緯は?(※関連記事)
阿佐美氏
MVNOさんが格安路線を選ばれると、取り組みにくい分野が出てくる。そこへ我々のサービスを利用してもらうことでブランドイメージの向上を図れる。ご相談いただいているところを含めて、数社、声をかけていただいている。
――5月には(法改正により)禁止行為規制がなくなると思う。どういったことを仕掛けるのか。
阿佐美氏
いや、仕掛けるというか(笑)。いろいろと法律の改正がある。改正に向けた準備をしっかり進めている。
――実質数百円はダメで1万円ならいい、ここに合理性は感じるか。
阿佐美氏
たぶん合理性ではなく、事業者がどれだけ努力しているのか、という考え方ではないか。努力不足の事業者が後ろからハッパをかけられている。我々もハッパをかけられているので努力しなくちゃというところ。ゴールを掲げて走っているわけではないのかなと思う。
――現場で実質0円になって、代理店の判断だった、となると見えにくいが5月以降は責任も出てくる。
阿佐美氏
電気通信事業法の改正で、事業者が代理店への指導を徹底しなさいというのもある。価格を誰が決めているのか、という側面もあるが、我々はしっかりと代理店込みでうまくやっていきたい。
――昨年のタスクフォースの終盤では、有識者からどれだけの期間をかけてやっていくのか、という話もあった。端末割引に関する現在の動きとの乖離を感じないか。
阿佐美氏
弊社も、急激な変化はお客さまに混乱をもたらすので、ステップを踏んでということは申し上げている。そういう意味で時間をかけながらという認識ではいる。でも、デジタル的に時速〇kmなのか、という話ではない。今回(総務省からの要請で)おしりを叩かれたということはもう少し努力しろ、という理解だと思っている。