ニュース

月額3476円の「BIGLOBEスマホ」登場、音声通話サービス開始

 ビッグローブは、音声通話も利用でき、シャープ製スマートフォンとセットで提供する、LTE対応のMVNO型通信サービス「BIGLOBEスマホ」を7月1日に発売する。端末代金を含めた利用料は月額3476円(税別、以下同)~。あわせてSIMカードだけ提供する音声通話・LTE対応サービス「音声通話SIM」(月額1600円~)も同日より提供される。

音声通話に対応、“ほぼスマホ”も併売

 BIGLOBEスマホは、音声通話およびデータ通信に対応したSIMカードとシャープ製スマートフォンを組み合わせたもの。これまでは、データ通信のみサポートした「ほぼスマホ」が提供されてきたが、そこに追加される形で、音声通話対応のサービスが提供されることになった。端末もこれまで「ほぼスマホ」で扱われてきた、シャープ製の「AQUOS PHONE SH90B」のままとなる。9月にはLG製の「G2 mini」が登場する予定(※関連記事)だが、価格は未定。

 SH90Bは、4.8インチ、IGZOディスプレイを採用するAndroid 4.2搭載のスマートフォンで、1310万画素カメラを搭載する。NTTドコモの2013年夏モデルをベースにした機種と見られる。

料金プラン

 料金プランは、月間に1GB通信できる「音声通話スタートプラン」と2GBまで通信できる「ライトSプラン」、3GBの「ライトMプラン」、7GBの「スタンダードプラン」の4つ。サービス内容の違いは月間通信量のみで、通信量が多いほど料金が高くなる形。たとえばスタートプランよりライトSプランのほうが約1000円高い。いずれもサービス開始月は0円となり、1カ月目~24カ月目は、「音声通話スタートプラン」が月額3476円、「ライトSプラン」が4281円となる。通話料は30秒につき20円。

サービス内容
月間通信容量音声通話スタートプラン:1GB
ライトSプラン:2GB
ライトMプラン:3GB
スタンダードプラン:7GB
通信速度下り最大100Mbps/上り最大37.5Mbps
通話料20円/30秒
SMS国内1通3円(月間5通まで無料)
海外宛1通50円
受信は無料
追加可能な容量300円につき100MB
利用可能なSIMカード1枚
Wi-Fiスポット利用可能
プラン名料金
音声通話スタートプランサービス開始月:0円
1~24カ月目:3476円
25カ月目~:1600円
ライトSプランサービス開始月:0円
1~24カ月目:4281円
25カ月目~:2405円
ライトMプランサービス開始月:0円
1~24カ月目:5614円
25カ月目~:3738円
スタンダードプランサービス開始月:0円
1~24カ月目:6566円
25カ月目~:4690円

 利用料には、BIGLOBEの「ベーシックコース」200円が含まれる。

 今回のプランは、月額1876円の「アシストパックB」を契約することで、端末を0円で購入する、という仕組みになっている。なお、11カ月目までに解約すると、音声通話朝の解除料8000円、アシストパック解除料(4万5024円~2万4388円)がかかる。12カ月目~23カ月目の解約でも、アシストパック解除料(2万2512円~1876円)がかかるようになっており、端末代は実質的な割賦として提供される。

 通信量が所定の上限に達すると、その後通信速度は128kbpsに制限される。なお、端末のスペックにより、通信速度が下り最大100Mbps/上り最大37.5Mbpsとなる。直近3日間の通信量によっては通信速度制限の対象になることがある。BIGLOBEの公衆無線LANサービス「Wi-Fiスポット」が追加料金なしで利用できる。

オートコネクト

 専用アプリ「オートコネクト」では、新たに当月・前月のLTEやWi-Fiの通信量を確認する機能や、設定したデータ通信量を超過すると通知する機能が追加される。

音声通話SIM

 端末と通信サービスがセットになった「BIGLOBEスマホ」と同時に提供されるのが「音声通話SIM」だ。BIGLOBEスマホは、この音声通話SIMに、先述の「アシストパックB」を組み合わせた形となる。

 料金プランも同じで「音声通話スタートプラン」「ライトSプラン」「ライトMプラン」「スタンダードプラン」となり、その価格は「BIGLOBEスマホ」の25カ月目以降の料金と同じ。たとえば「音声通話スタートプラン」は月額1600円となる。

プラン名料金
音声通話スタートプラン1600円
ライトSプラン2405円
ライトMプラン3738円
スタンダードプラン4690円

 最低利用期間は12カ月間。利用できるSIMカードは1枚(標準、micro、nano)となる。BIGLOBEによれば、このSIMカードを、たとえばドコモのVoLTE対応機種に装着するとVoLTEがそのまま利用できるとのことだが、BIGLOBEでは端末の動作確認までは行っていない。

 初期費用として3000円かかるほか、最低利用期間以内での解約では解除料8000円がかかる。

「SIMロック解除は追い風」

 プレゼンテーションを行った、ビッグローブ代表取締役社長の古関義幸氏は、わかりやすさに重きを置いて、同社サービスを解説。今回の発表内容は冒頭に触れ、その後は同社のサービスがどのような内容なのか紹介する形としており、一見すると本来の発表が薄れるようなストーリー。だが、後の囲み取材で「格安スマホ」とひとくくりにされることを問われた際、そのプレゼンテーションの狙いが明らかになる。古関氏は、「今回のBIGLOBEスマホは3500円で決して格安ではない」と述べて、“格安”と呼ばれることへの抵抗感を示す。プレゼンテーションの冒頭でわかりやすさを紹介したことは、安さと速度、通信容量でバランスを取ったサービスであることをアピールするためだったようだ。

 1GB~で提供される通信速度も、きちんと調査したわけではない、としつつ、同社ユーザーの多くには十分な容量であり、公衆無線LANサービスも用意したことで利便性は十分とする。

 音声通話定額が各キャリアで出揃いつつも、「たくさん電話をかける方には非常に魅力的」としつつ、そこまでのユーザーがどれほどいるのか、という疑問を率直に表明。「“ほぼスマホ”の発表時でも触れたが、我々は逆で、最近のユーザーは電話をしない、IP電話やLINEと手段はたくさんあり、そちらのほうが多いのかな」と述べる。ただ、自分からかけずとも、かかってくるケースがあるため、これまでの携帯電話番号からMNPで乗り換えられるようにしつつ、新たに音声通話対応サービスを提供するに至った、とした。

 同社の場合、MNPの手続きには、現在、数日を要するとのことだが、今後は店頭カウンターを展開して即日で手続きが終了するようにしていくとのこと。

 ビッグローブとしては、薄利多売で展開している、として、同時に発表された2000円を切る「イオンのスマホ」のようなサービスは、LTEではできない、と説明。通信容量を工夫しつつ、LTEの高速通信を利用できる形にはこれまでもこだわっており、今後もそれを軸にしてサービスを提供し、端末のバラエティを増やしていく、とした。第2弾のLG製スマートフォンでは「(今回発表した)シャープのものとは価格差はできるでしょう」とした。

 40代~50代のユーザー層が多いとのことで、シャープ製端末は電池持ちへのニーズが高いところに対応できる機種として選定していたが、今回、LGでは軽く使い勝手もいい、という観点から次のラインアップに選んだとのこと。

 このほか一部報道で、「SIMロック解除の義務化」が報じられたことについては、「驚いた」としつつ、今後の追い風になるとした。

関口 聖