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富士通、ARROWSシリーズ冬モデルの新機能などを解説

 富士通は、この冬に各キャリアから発売されるスマートフォンおよびタブレットを解説する、記者向けの説明会を開催した。プレゼンテーションは行われなかったが、端末の特徴的な機能について担当者から説明が行われた。

 富士通が開発する端末は、NTTドコモの「ARROWS NX F-01F」と「Disney Mobile on docomo F-03F」、auの「ARROWS Z FJL22」、ソフトバンクモバイルの「ARROWS A 301F」の4機種。これに、タブレットとしてドコモの「ARROWS Tab F-02F」、auの「ARROWS Tab FJT21」を加えたラインナップが、この冬に発売される富士通のモデルになる。

デザイン

 富士通製の端末で、この冬のモデルから大きく方針が変更されたのは、外観のデザイン。これまでは先進的なユーザーに向けたイメージが強かったが、この冬モデルからはより幅広い層へのアプローチを狙ったものになっている。

「ARROWS NX F-01F」
「ARROWS Z FJL22」
「ARROWS A 301F」
「Disney Mobile on docomo F-03F」

 ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア向けでは、細部は異なっているものの、シンプルで持ちやすいフォルムを追求したデザインは共通している。一方で、表面の塗装や成型色の違い、ラウンド形状などで各キャリアのモデルには違いがあり、まったく同じというわけではない。

 また外観以外にも、端末に搭載されるグラフィックデザインが刷新され、白を基調とし、余白の統一や、タッチエリアの統一的な確保も図られるなど、外観デザインに合わせた使いやすさも追求されている。

ヒューマンセントリックエンジン

 富士通の端末に共通した特徴として、同社が従来からアピールしているのが各種センサーと専用LSIを組み合わせたセンシング技術「ヒューマンセントリックエンジン」だ。画面の表示やタッチ操作から通話、セキュリティ、省電力までさまざまな分野に範囲は及ぶが、この冬モデルでは新たに、加速度センサーとインカメラで捉えた瞳の位置を組み合わせ、端末を持って寝転んでも画面が自動回転しない機能が追加されている。

カメラ

 カメラはオートでも綺麗な写真を撮影できるよう、認識精度を向上させており、夜景のイルミネーションなどでは細かな光のディテールを潰さずに撮影できるほか、逆光下での人物撮影でも顔認識機能を向上させたことで露出の最適化が図られるようになっている。

フルセグ

 フルセグ対応は、ディズニー・モバイルの端末を除いたスマートフォン3機種、タブレット2機種が対応。タブレットではフルセグの録画にも対応している。フルセグ用のアンテナは、タブレット2機種では内蔵されているほか、受信環境の良くない室内などでも視聴できるよう、宅内のアンテナケーブルをmicro USB端子に接続できる変換アダプターが付属する。

 スマートフォンはフルセグ、ワンセグを含めて伸縮式のロッドアンテナは内蔵されないため、イヤホンの延長ケーブルとして利用できるアンテナが付属する。通常のイヤホンを接続しただけでもケーブル部分がアンテナとして機能するが、受信感度はイヤホンによってバラつきがあるとしている。

 なお、今回のフルセグ対応スマートフォンには、内部に小規模なアンテナが内蔵されており、スカイツリーを見通せる場所など、非常に受信感度が良好な環境では、別途アンテナを接続しなくてもフルセグの視聴が行える。またこれらの仕様から、アンテナ(またはイヤホン)を別途接続しなくても、テレビ視聴アプリを起動することが可能になっている。

カーナビ連携

 富士通テンのカーナビゲーションシステムとの連携機能も紹介されている。この冬のスマートフォン・タブレット6機種すべてが「MirrorLink」に対応。富士通テンの最新のカーナビとUSBケーブルで接続すれば、カーナビの画面でスマートフォンを操作でき映像や音楽の再生が可能。さらに富士通の「My Cloud」にスマートフォンの通信経由でアクセスし、自宅にある音楽や写真を表示させることができる。

 このほか、メールで受信するなどして、GPSの位置情報付きの写真がスマートフォンに保存されている場合、その位置情報をカーナビの目的地に設定することができるなど、さまざまな連携機能が用意されている。

DLNA、DTCP+

 映像関連では、DLNAのDTCP+対応のデモも紹介されていた。説明会の会場とは離れた場所(神奈川県川崎市の富士通の事業所)にあるNASにLTE経由でアクセスし、NASに保存されている地デジの録画映像を再生するというもので、再生する際には通信速度などに応じた画質を選択できるようになっている。

Dolby Digital Plus

 音関連では、NTTドコモの「ARROWS NX F-01F」とタブレット2機種が、「Dolby Digital Plus」に対応。タブレットはステレオスピーカーがフロント側に設置されており、広がりのある音で楽しめ、さまざまな設定項目も用意されている。スマートフォン「ARROWS NX F-01F」の内蔵スピーカーはモノラルだが(2つある穴の右側だけがスピーカー)、こちらも「Dolby Digital Plus」をオンにすると明瞭で聴きやすい音で楽しめる。「Dolby Digital Plus」はまた、Bluetoothヘッドホンなどでも利用できる。

WhiteMagicディスプレイ

 説明会では、各キャリア向けのモデルで固有の機能も紹介されていた。NTTドコモの「ARROWS NX F-01F」に搭載されるディスプレイは「WhiteMagicディスプレイ」と呼ばれ、約800カンデラと屋外でも見やすい表示が可能。らくらくスマートフォンなどに先行して搭載されたディスプレイで、高解像度のパネルでもWhiteMagic対応となった。画面の明るさが同じなら、従来よりも大幅な省電力駆動が可能になっている。WhiteMagicはジャパンディスプレイが開発したディスプレイで、富士通製の端末では新しい映像エンジンの「Xevic」(ゼビック)などと組み合わせ、環境光に合わせた色の調整も可能になっている。

マルチコネクション

 auの「ARROWS Z FJL22」「ARROWS Tab FJT21」に搭載される「マルチコネクション」は、標準のブラウザにて、auの4G LTEとWi-Fiに同時に接続し、ストレス無く利用できるようにするというもの。技術的には、ほかのキャリアの端末にも搭載できるという。また、通信中のWi-FiはLTEよりも消費電力が少ないとのことで、マルチコネクションを利用した場合の電池消費は、4G LTEを単独で使用した場合と、ほとんど変わらないとしている。

 Wi-FiとLTEの両方の電波が良好な状態では、2つを組み合わせ、例えばWebサイトを表示する際にWi-Fiで画像、LTEでテキストをダウンロードし表示するといったことが可能。通信速度に差がある場合は、優れているほうの回線に自動的に切り替えて通信を行う。この際、電波の強さだけでなく、実際の通信速度も考慮して切り替えが行われる。

スタイル切替

 タブレットであるドコモの「ARROWS Tab F-02F」、auの「ARROWS Tab FJT21」には、家族で利用することを想定した「スタイル切替」機能が用意される。これは、指紋センサーに登録すれば、子供、父親などを認識し、自動的にホーム画面の設定を変更できるという機能。スタンダード、大きなアイコンの「かんたんスタイル」のほか、子供向けの「キッズスタイル」には低学年向け、高学年向けの2種類が用意されている。キッズスタイルではアプリの起動制限や利用時間の制限なども可能になっている。

急速充電

 急速充電機能は、ACアダプターの出力を2A弱まで向上させるなどして各社が対応しているが、auの「ARROWS Z FJL22」、ソフトバンクの「ARROWS A 301F」では、同梱の卓上ホルダーと組み合わせた場合のみ、約2.6Aで充電が可能。充電を促すメッセージが表示される状態から卓上ホルダーで10分間充電すれば、1日駆動できるとしている。

Disney Mobile on docomo F-03F

 「Disney Mobile on docomo F-03F」は、外観はシンプルな形としながら、鮮やかなカラーバリエーションと、カラフルなコンテンツが特徴。ディズニーの作品やキャラクターをテーマに、101名のアーティストが描いたイラストが収録されており、作品をアートギャラリーのように閲覧できるほか、壁紙として利用可能。壁紙はさまざまなアーティストの作品を自由に組み合わせて配置でき、オリジナルの壁紙をつくることができる。

 このほかにも、マチキャラはディズニーのキャラクターとなって、7種類のキャラクターが日替わりで登場。ミッキーマウスがレンジされた「Disneyフォント」が初期設定で搭載されているほか、設定画面やアイコンなど、至る所にミッキーのシルエットが散りばめられている。

太田 亮三