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「YouTubeショート」収益化開始から1周年、最新のトレンドを発信しコミュニティを形成するショート動画の魅力とは

 グーグル(Google)が提供する動画配信プラットフォーム「YouTube」のショート動画「YouTube ショート」について、収益化開始から1周年を迎えた。

 これまでの長尺動画に加え、60秒以下のショート動画が加わり、収益化しているチャンネルの25%以上がショート動画から利益を得ており、クリエイターの活動支援に貢献しているという。

 実際に、クリエイターのなかにはショート動画の投稿でチャンネル登録者数や視聴数が急成長したクリエイターも存在するといい、担当者からYouTubeにおけるショート動画の現状と同社の取り組みを聞いた。

トレンドの反映でコミュニティ形成

YouTubeトップページでもショート動画が広く取られている

 16年前に開始された「YouTubeパートナープログラム」は、コンテンツ配信者が一定の条件下で加入できるもので、視聴数などに応じて収入を得られるもの。

 開始当初は数人のクリエイターからスタートしたこのプログラムは、現在では300万チャンネルが加入しており、過去3年間の間に700億ドル以上の支払いを行っている。個人のクリエイターだけでなく、メディア展開する企業にも実施しており、YouTubeのプラットフォームには欠かせないものとなっている。

 従来は通常動画に対して実施していたが、「1000人の登録者」と「過去90日間の間に1000万回の再生数」という条件の下、ショート動画でもパートナープログラムに参加できるようになった。ショート動画と従来の動画(長尺動画)では、互いに関連性を持たせられるようにしており、両方で利益が得られる仕組みになっている。

 また、スマートフォンなどのモバイルデバイスで気軽にライブ配信することもできる。ほかのSNSと連携させられれば、視聴者とのコミュニティを形成できると説明。コミュニティに関しては、同じテーマに関する動画でもつながりをもつことができると指摘。YouTubeのショート動画では、アーティストのプロモーションビデオ(PV)をもとに、画面を分割してリミックス動画を作成し投稿するユーザーもいる。元のPV動画へのリンクを貼ることもでき、たとえばトレンドにあわせたショート動画を作成し、コミュニティを発展させることもできるという。

リミックス動画をかんたんに作成できる

 著作権問題に関しては、プラットフォーム上でリミックス動画を作成する機能を使用していれば、引用元の動画はリミックス動画作成の許諾を得ているものとなるため、問題にならないだろうとしている。

 YouTubeのプラットフォームでも、ユーザーが新しいクリエイターに出会う仕組みを取り入れており、視聴者が新しいクリエイターを発見できるように、ユーザーの興味に合わせて関連するクリエイターを簡単に見つけられるフィードに力を入れている。新しい動画を見たいユーザーは、このフィードと動画を行ったり来たりすることで、新しい動画に出会うことができる。

ショート動画のクリエイター支援も

 YouTubeでは、新しいクリエイターでもコミュニティを形成できるようなサポートを実施している。

 たとえば、モバイルデバイスに最適化されたプラットフォームのアップデートや、最新のトレンドやコミュニティ形成のヒントを提供したり、同じクリエイター仲間からいろいろな話を聞けたりするワークショップの展開などを行っている。プラットフォームの使い方や、コンテンツ制作のコツ、収益化の施策といったあらゆるものが学べる仕組みも用意されている。

ショート動画から急成長したクリエイターも

 近年、多くのクリエイターが、ショート動画から成長を遂げている。

 たとえば、日本のクリエイター「バヤシ」は、食品やASMRのショート動画、ほかのクリエイターやアーティストとのコラボレーションなどのショート動画を作成している。現在では、世界30カ国以上の1900万人の視聴者を獲得している。

チャンネル「バヤシTV」

 また、韓国のクリエイターは、K-POPファン向けのコンテンツを制作し、トレンドに合わせたコンテンツ制作で視聴者を獲得。このほか、インドネシアなど東南アジアでもショート動画をメインに2年間で1000万のチャンネル登録者を獲得するユーザーもおり、ショート動画は無視できない存在になってきている。

 ショート動画の内容についても、旅行からライフスタイルなど多種多様なコンテンツが紹介されており、さまざまな層の視聴者に受け入れられているという。視聴者の年齢層は、若いユーザー、とりわけZ世代のユーザーが多いという。

 また、ショート動画については、クリエイターが「YouTubeのエコシステムの中で価値がある」と考えたためにショート動画が増えていると指摘。ユーザーの「すき間時間」で見られていることが多いといい、長尺動画との割合は非公開としつつも、「ショートと長尺両方伸びている状況」とした。