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ヘリやドローンも活用、災害時に通信を守る取り組みとは? ドコモの防災訓練を見てきた

 NTTドコモは9日、「2022年度NTTドコモグループ総合防災訓練」を東京都江東区で実施した。訓練では、首都直下地震を想定した災害対応が実演され、同社ネットワーク本部 サービス運営部 災害対策室 室長の塩野貴義氏らが登壇。災害時に通信ネットワークを守る取り組みについて紹介した。

塩野氏
ドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長の小林宏氏
ドコモ サービス運営部長の引馬章裕氏

 今回は、外部からの有識者として、災害リスク評価研究所の代表を務める松島康生氏も登壇し、訓練の様子を解説した。

松島氏

 今回の訓練は、首都圏の直下型地震を想定したもの。基地局の模擬設備が会場に設置され、被災によって基地局が停電した場合の復旧作業が実演された。

基地局の模擬設備
首都圏の直下型地震を想定

 いまや生活インフラのひとつとなっている携帯電話ネットワーク。災害時にユーザーの通信を最大限確保するため、ドコモでは「災害対策 3原則」を掲げている。

 今回の実演では、車載発電機によって基地局の電力を復旧させる「移動電源車」、衛星回線を利用してサービスエリアを復旧させる「移動基地局車」、車両では通行できない場所にも持ち運べる「可搬型衛星基地局」が用いられた。

移動電源車
基地局を模した設備にプラグをつなぎ、電力を供給する様子
移動基地局車のアンテナは、伸ばすと15mほどの高さになる
可搬型衛星基地局を組み立てる様子

 また、陸路が使えないときのためのソリューションも用意されている。そのひとつがドローンの活用だ。「ドローン中継局」は、ドローンに小型中継機を搭載。上空の電波を中継することで、臨時の通信エリアを形成する。

 可搬性に優れており、現地に到着してから約1時間で運用可能になるという。

ドローンが飛行する様子。報道陣に向けて限定公開された

 空路による復旧サポートの手段としては、ヘリコプターも用いられる。人や物資を運ぶことができ、陸路がふさがれている場合の活躍が期待される。

着陸寸前のヘリコプター

 また、海上からサービスエリアを構築できる「船上基地局」も活用。“陸・海・空”すべてをカバーできるような体制が構築される。

 復旧作業や被災地の支援作業にあたっては、物流業界をはじめとして他会社とも連携する。

 たとえば佐川急便は、物資輸送に協力。また、NTTロジスコのローリー車は、先述の移動電源車や発電機などへの給油で活躍する。

佐川急便の車両
NTTロジスコのローリー車

 避難所支援としては、通信キャリアを問わず複数の端末を同時に充電できる「マルチチャージャー」を避難所へ提供するなどの取り組みを行う。

避難所のイメージ

 今回の訓練では、日本郵便による「車両型郵便局」も披露された。被災により臨時休業している郵便局の仮店舗として、郵便物の引受や、ATMによる貯金の預入などのサービスを提供する。

車両型郵便局
車内にはATMが設置されている

 塩野氏は訓練を振り返り、「災害対策にかける我々の思いをご理解いただけたらと思う。これからも災害対策に全力で取り組んでいく」と語った。