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auがサポートする36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)がSUPER GT500クラスシリーズチャンピオンに 大逆転でチャンピオンを獲得

SUPER GTのシリーズチャンピオンを獲得した36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)

 SUPER GT最終戦富士が11月27日~28日の2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。11月28日13時からは決勝レースが行なわれ、36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)が今季初優勝。その結果、大逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。

実質ランキング4位からの大逆転劇

 SUPER GTシリーズは国内で最も人気のあるモータースポーツで、年間8戦で行なわれている。その特徴は、複数のドライバーが組んで行なう耐久レースであり、GT500クラスとGT300クラスの2クラス混走である。

 複数のドライバーが組んで走ることでドラマが生まれ、500馬力相当と言われるGT500クラスと、300馬力相当と言われるGT300クラスの混走により、サーキットのあちこちでオーバーテイクが見られる。

 GT500クラスは追い抜きの能力が求められ、GT300クラスは追い抜きつつ追い抜かれるというさらに難しい能力が求められる。さらに、勝ったクルマにはサクセスウェイトという重りが搭載され、連勝が難しくなっている。

 その中での勝利を求められるため、ドライバーの能力、クルマの能力、チームの作戦能力と、多岐にわたる要素でレースの展開が読めず、常にドラマチックなレースが繰り広げられるところが人気の一因になっている。

 11月28日13時からの最終戦では、それまで載せられてきたサクセスウェイトが全車ゼロになり、いわゆるガチンコでの勝負となるルール。300kmレースとなっており、66周で争われる。

 第7戦までのポイントランキングは、1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が1位(60ポイント、山本選手)と2位(57ポイント、牧野選手)を獲得しており、以下8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が55ポイント、17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が52ポイントと続いていた。

 auがサポートする36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)は44ポイントと、1位からは16ポイント差。1位と2位は同じクルマにドライバーのため、実質4位につけていた。

 そのため優勝しても、ポイント1位の1号車が7位以下に沈まないとチャンピオンは難しい状況。しかも、36号車は今シーズン健闘はしていたものの優勝には届いていなかったため、シリーズチャンピオンは、ホンダのいずれのチームになるものと思われていた。

大逆転劇が起きた決勝レース

スタート直後、36号車は2位に上がる

 決勝レースでは、予選3番手の36号車 au TOM'S GR Supraが、予選2番手の1号車をスタート直後に抜いて2位に上がる。前半スティントを担当した関口雄飛選手は、その後前を走っているクルマを抜いて、レース前半にトップに立つ。レース後半は坪井翔選手が担当し、しっかりリードを走って優勝を確実なものにしていく。

 レース終盤、1号車は順調なペースで周回を重ねており、ここから7位以下に沈むのほとんどありえない状況となっていた。誰もが1号車がチャンピオンを獲得するものと思っていた。ところが、51周目の1コーナーで1号車は後方から来たGT300クラスの55号車に追突されコースアウト。その後、ピットに戻ったものの修復に時間がかかり、ポイント圏外に沈んでいった。

 ポイントリーダーだった1号車がポイント圏外になったことで、トップを走っていた36号車 au TOM'S GR Supraにシリーズチャンピオンの可能性が高まった。ライバルとなるのは8号車で、36号車が優勝した場合8号車は3位以内に入らなければならない。8号車は最終的に順位を上げることができず6位でゴール。最後までしっかり走りきった36号車 au TOM'S GR Supraが、シーズン初優勝を達成するとともに、シリーズチャンピオンを手に入れた。

レース前半から36号車はトップに立った
トップでチェッカーフラッグを受ける36号車

 関口雄飛選手はSUPER GTチャンピオンは初戴冠、坪井翔選手はSUPER GTの初勝利がそのままチャンピオン獲得につながった。チャンピオン獲得時の記者会見では、伊藤大輔監督とともにチームスタッフやチームを支えてくれた人たちに感謝の言葉を述べていた。

 auがSUPER GTのスポンサードを開始したのは2016年シーズンから。6年目のシーズンで日本を代表するモータースポーツのチャンピオンを獲得した。SUPER GTは2023年以降カーボンニュートラルフューエルを採用するなど、カーボンニュートラルの取り組みを始めている。来季の体制などはまだ発表されていないが、カーボンニュートラルの時代へ向けてもコネクティッドに加えauの協力できることは多いと思われるため、これまで以上の活躍を期待したい。

シリーズ表彰式。中央左が関口雄飛選手、中央右が坪井翔選手
監督表彰式。中央が伊藤大輔監督